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公開番号
2025115069
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-06
出願番号
2024009402
出願日
2024-01-25
発明の名称
鋼材、及び、機械構造用部品
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
アセンド弁理士法人
主分類
C22C
38/46 20060101AFI20250730BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】水素発生環境下で十分な転動疲労寿命を有する鋼材を提供する。
【解決手段】本実施形態による鋼材は、質量%で、C:0.75~1.20%、Si:0.05~0.80%、Mn:0.50~1.50%、P:0.015%以下、S:0.005%以下、Cr:0.05~0.50%未満、Mo:0.06~0.35%、V:0.10~0.40%、Ni:0.30超~1.50%、Al:0.005~0.100%、N:0.030%以下、及び、O:0.0015%以下、を含有し、残部がFe及び不純物からなり、式(1)~式(3)を満たす。
(Si+Ni)/Cr≧1.30 (1)
Mo+V≧0.30 (2)
1.70≦2.5×Mn+Cr≦3.90 (3)
ここで、式(1)~式(3)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
C:0.75~1.20%、
Si:0.05~0.80%、
Mn:0.50~1.50%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Cr:0.05~0.50%未満、
Mo:0.06~0.35%、
V:0.10~0.40%、
Ni:0.30超~1.50%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.030%以下、及び、
O:0.0015%以下、を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)~式(3)を満たす、
鋼材。
(Si+Ni)/Cr≧1.30 (1)
Mo+V≧0.30 (2)
1.70≦2.5×Mn+Cr≦3.90 (3)
ここで、式(1)~式(3)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
質量%で、
C:0.75~1.20%、
Si:0.05~0.80%、
Mn:0.50~1.50%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Cr:0.05~0.50%未満、
Mo:0.06~0.35%、
V:0.10~0.40%、
Ni:0.30超~1.50%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.030%以下、及び、
O:0.0015%以下、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)~式(3)を満たす、
鋼材。
[第1群]
Ti:0.050%以下、及び、
Nb:0.050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
B:0.0050%以下、及び、
Cu:1.50%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Sn:0.100%以下
[第4群]
Ca:0.0050%以下、及び、
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
(Si+Ni)/Cr≧1.30 (1)
Mo+V≧0.30 (2)
1.70≦2.5×Mn+Cr≦3.90 (3)
ここで、式(1)~式(3)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項3】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第1群を含有する、
鋼材。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第2群を含有する、
鋼材。
【請求項5】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第3群を含有する、
鋼材。
【請求項6】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記第4群を含有する、
鋼材。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか1項に記載の鋼材であって、
質量%で、
Cu:0.05~1.50%を含有する、
鋼材。
【請求項8】
機械構造用部品であって、
少なくとも表層に形成された焼入れ硬化層を備え、
前記機械構造用部品の化学組成は、質量%で、
C:0.75~1.20%、
Si:0.05~0.80%、
Mn:0.50~1.50%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Cr:0.05~0.50%未満、
Mo:0.06~0.35%、
V:0.10~0.40%、
Ni:0.30超~1.50%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.030%以下、及び、
O:0.0015%以下、を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)~式(3)を満たす、
機械構造用部品。
(Si+Ni)/Cr≧1.30 (1)
Mo+V≧0.30 (2)
1.70≦2.5×Mn+Cr≦3.90 (3)
ここで、式(1)~式(3)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項9】
機械構造用部品であって、
少なくとも表層に形成された焼入れ硬化層を備え、
前記機械構造用部品の化学組成は、質量%で、
C:0.75~1.20%、
Si:0.05~0.80%、
Mn:0.50~1.50%、
P:0.015%以下、
S:0.005%以下、
Cr:0.05~0.50%未満、
Mo:0.06~0.35%、
V:0.10~0.40%、
Ni:0.30超~1.50%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.030%以下、及び、
O:0.0015%以下、を含有し、
さらに、第1群~第4群からなる群から選択される1種以上を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)~式(3)を満たす、
機械構造用部品。
[第1群]
Ti:0.050%以下、及び、
Nb:0.050%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
B:0.0050%以下、及び、
Cu:1.50%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Sn:0.100%以下
[第4群]
Ca:0.0050%以下、及び、
Mg:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
(Si+Ni)/Cr≧1.30 (1)
Mo+V≧0.30 (2)
1.70≦2.5×Mn+Cr≦3.90 (3)
ここで、式(1)~式(3)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項10】
請求項9に記載の機械構造用部品であって、
前記第1群を含有する、
機械構造用部品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、焼入れ焼戻し処理が施された機械構造用部品の素材として適用可能な鋼材、及び、表層に焼入れ硬化層を含む機械構造用部品に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
鉱山機械や、建設機械、自動車等には、鋼材を素材とした機械構造用部品が用いられる。機械構造用部品は例えば、軸受部品等である。軸受部品等の機械構造用部品の素材となる鋼材は、JIS G 4805(2019)に規定されたSUJ2に代表される。機械構造用部品は通常、鋼材を素材として次の製造工程で製造される。素材となる鋼材に対して熱間鍛造を実施し、さらに、必要に応じて切削加工を実施し、所望の形状の中間品を製造する。中間品に対して熱処理を実施して、鋼材の硬さ及びミクロ組織を調整する。熱処理は例えば、焼入れ焼戻し、浸炭処理、又は、浸炭窒化処理等である。以上の製造工程により機械構造用部品が製造される。
【0003】
C含有量が0.75%以上と高い鋼材を素材として製造された機械構造用部品の疲労寿命を高める場合、機械構造用部品の上述の製造工程中の熱処理として、焼入れ焼戻し処理が実施される。焼入れ焼戻し処理では、機械構造用部品の少なくとも表層を硬化させる。これにより、機械構造用部品の疲労寿命が向上する。
【0004】
このような焼入れ焼戻し処理を実施して製造された機械構造用部品の疲労寿命を高める技術が、特開2012-132094号公報(特許文献1)に提案されている。
【0005】
特許文献1に開示された軸受材料は、質量%で、C:0.80~1.20%、Si:0.15~0.70%、Mn:0.80%以下、Cr:0.50~2.00%、P:0.020%以下、S:0.0020%以下、Al:0.005~0.025%、O:0.0007%以下、及び、N:0.0040%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、被検面積が3000mm
2
である場合に、(長さ×幅)
1/2
で算出される介在物平均径が3μm以上である酸化物系非金属介在物及び硫化物含有酸化物系非金属介在物の合計の個数が1000mm
2
あたり100個以下であり、平均径が10μm以上の酸化物系非金属介在物及び硫化物含有酸化物系非金属介在物の合計の個数が1000mm
2
あたり2個以下であり、さらに、平均径が3μm以上の酸化物系非金属介在物及び硫化物含有酸化物系非金属介在物の全体の90%以上が、酸化マグネシウム濃度が5質量%以下である。上記のように鋼材の化学組成と、酸化物系非金属介在物及び硫化物含有酸化物系非金属介在物の形態、個数、及び組成とを制御することにより、優れた転動疲労寿命が得られる、と特許文献1には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-132094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、機械構造用部品の中には、トランスミッション等の駆動部品に適用される軸受部品に代表される様に、潤滑油が循環する環境にて使用される機械構造用部品が存在する。
【0008】
最近では、燃費向上を目的として、潤滑油の粘度を低下して摩擦抵抗及び伝達抵抗を低減したり、循環させる潤滑油の使用量を低減したりしている。そのため、軸受部品に代表される機械構造用部品の使用環境において、使用中に潤滑油が分解して水素が発生しやすくなっている。使用環境において水素が発生すると、外部から機械構造用部品内に水素が侵入する。侵入した水素は機械構造用部品のミクロ組織の一部において組織変化をもたらす。機械構造用部品の使用中での組織変化は、機械構造用部品の表面近傍部分に割れ(剥離)を引き起こし、機械構造用部品の転動疲労寿命を低下させる。以下、本明細書において、組織変化の要因となる水素が発生する環境を「水素発生環境」という。水素発生環境で使用される機械構造用部品では、水素発生環境下での優れた転動疲労寿命が求められる。
【0009】
特許文献1では、鋼材を素材として製造された機械構造用部品の、水素発生環境での転動疲労寿命については検討されていない。
【0010】
本開示の目的は、素材として用いられて製造された機械構造用部品において、水素発生環境下で十分な転動疲労寿命が得られる鋼材、及び、機械構造用部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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