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公開番号2025086655
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200791
出願日2023-11-28
発明の名称高炉の操業方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C21B 5/00 20060101AFI20250602BHJP(鉄冶金)
要約【課題】還元粉化及び炉内圧力損失と、熱流比との関係を定量的に評価する手法を提供する。
【解決手段】熱流比に紐付けられた炉内位置毎の還元粉化量を複数の熱流比について取得する還元粉化量推定ステップと、炉内位置毎の還元粉化量の代表値と熱流比との関係である第1の関係情報を取得する第1の関係情報取得ステップと、炉内圧力損失と熱流比との関係である第2の関係情報を取得する第2の関係情報取得ステップと、還元粉化及び圧力損失の目標条件を達成するために、前記第1の関係情報及び前記第2の関係情報に基づき、熱流比を調整する調整ステップと、を有することを特徴とする高炉の操業方法。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
熱流比に紐付けられた炉内位置毎の還元粉化量を複数の熱流比について取得する還元粉化量推定ステップと、
炉内位置毎の還元粉化量の代表値と熱流比との関係である第1の関係情報を取得する第1の関係情報取得ステップと、
炉内圧力損失と熱流比との関係である第2の関係情報を取得する第2の関係情報取得ステップと、
還元粉化及び圧力損失の目標条件を達成するために、前記第1の関係情報及び前記第2の関係情報に基づき、熱流比を調整する調整ステップと、
を有することを特徴とする高炉の操業方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記調整ステップは、高炉の送風諸元を調整することにより熱流比を調整するステップである、
ことを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
【請求項3】
前記代表値は、炉内位置毎の還元粉化量の最大値である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉の操業方法。
【請求項4】
前記還元粉化量推定ステップは、
還元粉化前の鉄原料の粒度区間毎の重量割合を粉化前粒度分布ベクトル、還元粉化後の鉄原料の粒度区間毎の重量割合を粉化後粒度分布ベクトルと定義したとき、
マグネタイトの還元前後の重量割合の変化量であるマグネタイト変化量及び鉄原料に働く衝撃エネルギーに基づき、炉内位置毎に還元粉化指数を求める還元粉化指数算出ステップと、
前記還元粉化指数及びGaudin-Meloy分布式を用いて、所定の粒度区間毎に還元粉化による鉄原料の重量割合の変化の度合いを表した粉化マトリックスを、炉内位置毎に作成する粉化マトリックス作成ステップと、
炉内位置毎に前記粉化マトリックス及び粉化前粒度分布ベクトルの行列の積から粉化後粒度分布ベクトルを求める粉化後粒度分布ベクトル算出ステップと、
前記粉化後粒度分布ベクトル算出ステップの算出結果に基づき、炉内位置毎の還元粉化量を求める還元粉化量算出ステップと、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉の操業方法。
【請求項5】
前記還元粉化指数算出ステップは、炉内位置毎のマグネタイト変化量及び衝撃エネルギーを、以下の式(A)に代入することにより、還元粉化指数を求めるステップであることを特徴とする請求項4に記載の高炉の操業方法。
JPEG
2025086655000021.jpg
45
170
・・・・式(A)
ただし、eは衝撃エネルギー、deは衝撃エネルギーの微小変化量、△Fe
3
O
4
はマグネタイト変化量、d(△Fe
3
O
4
)はマグネタイトの微小変化量である。また、x

、y

、x

、y

、α

、α

、α

、βはいずれも定数である。
【請求項6】
前記粉化マトリックス作成ステップで作成される粉化マトリックスの行列は、DEG
ij
(ただし、添え字のi、jは1~rいずれかの整数であり、rは粒度区間の個数に対応する)を用いた以下の行列(B)によって表現されることを特徴とする請求項4に記載の高炉の操業方法。
JPEG
2025086655000022.jpg
53
170
・・・・行列(B)
添え字i、jが互いに同一のDEG
ij
は、還元粉化後に粒度区間iからシフトせずに残る鉄原料に対応しており、添え字i、jが互いに異なるDEG
ij
は、還元粉化後に粒度区間iから粒度区間jにシフトする鉄原料に対応する。
【請求項7】
各DEG
ij
(ただし、DEG
rr
を除く)は、Gaudin-Meloy分布式に基づき求められ、
DEG
rr
は1である、
ことを特徴とする請求項6に記載の高炉の操業方法。
【請求項8】
同一の行に含まれるDEG
ij
は、Gaudin-Meloy分布式における初期粒径が同一値に設定され、
この初期粒径は、行によって異なり、行の番号が増えるほど小さくなることを特徴とする請求項7に記載の高炉の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の操業方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高炉法では、炉内で鉱石層及びコークス層が交互に形成されるように原料を装入するとともに、炉下部より熱風を送風することで、還元・溶融プロセスを同時に進行させ、溶銑を効率的に生産している。高炉法の優位点は熱効率の高さであり、この熱効率を維持するためには、高炉内の通気性(以下、「炉内通気性」ともいう)確保が重要な操業指標の一つとされている。炉内通気性の確保が重視される理由は、炉内通気性が損なわれることにより、熱交換が十分行われずに、高炉の安定操業に悪影響を及ぼすからである。
【0003】
炉内通気性の悪化要因として、鉱石の還元粉化が知られている。還元粉化により鉱石の顕著な粒度低下を引き起こし、炉内における鉱石間の空隙が小さくなるため、炉内通気性が悪化する。炉内通気性の悪化が深刻化すれば荷下がりの不調、棚吊りを引き起こし、高炉内部の物流安定性及び熱伝導性が著しく損なわれる。還元粉化のメカニズムについては現在までに詳細な調査が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
従来、還元粉化による通気悪化が懸念される場合、焼結鉱品質の改善や、鉱石層及びコークス層の層厚比の調整、装入物分布の変更等によって通気悪化対策を行っていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
稲角ら:鉄と鋼, 68(1982), 2207.
Kouji TAKATANI、Takanobu INADA、Yutaka UJISAWA、「Three-dimensional Dynamic Simulator for Blast Furnace」、ISIJInternational、Vol.39(1999)、No.1、p.15-22
鉄と鋼 Vol.83(1997)No.2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
還元粉化の悪化は、熱流比を低下させることによって抑制できる。熱流比は、送風量を増やす(言い換えると、ボッシュガス量を増やす)ことによって低下させることができるが、炉内圧力損失が過度に増大するおそれがある。
従来、還元粉化及び炉内圧力損失と、熱流比との関係を定量的に評価する手法が確立されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る高炉の操業方法は、(1)熱流比に紐付けられた炉内位置毎の還元粉化量を複数の熱流比について取得する還元粉化量推定ステップと、炉内位置毎の還元粉化量の代表値と熱流比との関係である第1の関係情報を取得する第1の関係情報取得ステップと、炉内圧力損失と熱流比との関係である第2の関係情報を取得する第2の関係情報取得ステップと、還元粉化及び圧力損失の目標条件を達成するために、前記第1の関係情報及び前記第2の関係情報に基づき、熱流比を調整する調整ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
(2)前記調整ステップは、高炉の送風諸元を調整することにより熱流比を調整するステップである、ことを特徴とする上記(1)に記載の高炉の操業方法。
【0009】
(3)前記代表値は、炉内位置毎の還元粉化量の最大値である、ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高炉の操業方法。
【0010】
(4)前記還元粉化量推定ステップは、還元粉化前の鉄原料の粒度区間毎の重量割合を粉化前粒度分布ベクトル、還元粉化後の鉄原料の粒度区間毎の重量割合を粉化後粒度分布ベクトルと定義したとき、マグネタイトの還元前後の重量割合の変化量であるマグネタイト変化量及び鉄原料に働く衝撃エネルギーに基づき、炉内位置毎に還元粉化指数を求める還元粉化指数算出ステップと、前記還元粉化指数及びGaudin-Meloy分布式を用いて、所定の粒度区間毎に還元粉化による鉄原料の重量割合の変化の度合いを表した粉化マトリックスを、炉内位置毎に作成する粉化マトリックス作成ステップと、炉内位置毎に前記粉化マトリックス及び粉化前粒度分布ベクトルの行列の積から粉化後粒度分布ベクトルを求める粉化後粒度分布ベクトル算出ステップと、前記粉化後粒度分布ベクトル算出ステップの算出結果に基づき、炉内位置毎の還元粉化量を求める還元粉化量算出ステップと、を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の高炉の操業方法。
(【0011】以降は省略されています)

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