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公開番号2025088022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202432
出願日2023-11-30
発明の名称軸受用鋼管
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250604BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】被削性に優れる軸受用鋼管を提供する。
【解決手段】明細書に記載の化学組成を有し、[Y=-0.521+0.630C-0.2645Si+0.132Mn+0.0528(Ni+Cu)+0.036P-3.349S-0.0003Cr]で定義されるY値が0.150以下を満たし、脱炭層領域が、少なくとも鋼の表面から肉厚中心部に向かって0.10mmの深さ位置までの範囲内において存在し、かつ、脱炭層領域の厚さが0.10mm以下であり、脱炭層領域における、フェライトの平均結晶粒径が10μm以上である、軸受用鋼管。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.60~1.60%、
Si:0.10~2.00%、
Mn:0.01~2.00%、
P:0.040%以下、
S:0.040%以下、
Al:0.001~0.500%、
N:0.0200%以下、
O:0.0100%以下、
Cr:0.01~5.00%、
Ni:0.01~0.50%、
Cu:0.01~0.50%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるY値が0.150以下を満たし、
炭素含有量が、前記鋼の平均炭素含有量の95%以下となる領域が、少なくとも前記鋼の表面から肉厚中心部に向かって0.10mmの深さ位置までの範囲内において存在し、かつ、前記領域の厚さが0.10mm以下であり、
前記領域における、フェライトの平均結晶粒径が10μm以上である、
軸受用鋼管。
Y=-0.521+0.630C-0.2645Si+0.132Mn+0.0528(Ni+Cu)+0.036P-3.349S-0.0003Cr ・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は、各元素の鋼中の含有量(質量%)を意味する。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
鋼の化学組成が、質量%で、
C:0.60~1.60%、
Si:0.10~2.00%、
Mn:0.01~2.00%、
P:0.040%以下、
S:0.040%以下、
Al:0.001~0.500%、
N:0.0200%以下、
O:0.0100%以下、
Cr:0.01~5.00%、
Ni:0.01~0.50%、
Cu:0.01~0.50%、
であり、さらに下記A群、B群およびC群からなる群から選択される一種以上を含有し、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるY値が0.150以下を満たし、
炭素含有量が、前記鋼の平均炭素含有量の95%以下となる領域が、少なくとも前記鋼の表面から肉厚中心部に向かって0.10mmの深さ位置までの範囲内において存在し、かつ、前記領域の厚さが0.10mm以下であり、
前記領域における、フェライトの平均結晶粒径が10μm以上である、
軸受用鋼管。
Y=-0.521+0.630C-0.2645Si+0.132Mn+0.0528(Ni+Cu)+0.036P-3.349S-0.0003Cr ・・・(i)
但し、上記式中の元素記号は、各元素の鋼中の含有量(質量%)を意味する。
[A群]Sn:0.100%以下、Sb:0.100%以下、およびBi:0.1000%以下、からなる群から選択される一種以上
[B群]Mo:1.00%以下、V:1.00%以下、Ti:1.000%以下、Nb:1.000%以下、W:1.000%以下、Ta:0.500%以下、Zr:0.500%以下、Hf:0.500%以下、Co:0.50%以下、およびB:0.0100%以下、からなる群から選択される一種以上
[C群]Ca:0.0050%以下、Mg:0.0050%以下、およびREM:0.0050%以下、からなる群から選択される一種以上
【請求項3】
前記化学組成が、前記A群から選択される一種以上の元素を含有する、
請求項2に記載の軸受用鋼管。
【請求項4】
前記化学組成が、前記B群から選択される一種以上の元素を含有する、
請求項2に記載の軸受用鋼管。
【請求項5】
前記化学組成が、前記C群から選択される一種以上の元素を含有する、
請求項2に記載の軸受用鋼管。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受用鋼管に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
軸受に使用される軌道輪では、局部的に大きな面圧を繰り返し受けるために耐摩耗性が要求される。このような軸受の軌道輪には、例えば、JIS G 4805に規定される高炭素クロム軸受鋼が用いられる。
【0003】
このような軸受鋼においては、一般に炭素含有量が高いため、酸化雰囲気にて高温に加熱されると鋼の表面で脱炭が生じる。また、このような鋼は、鋳造、分塊圧延、熱間製管、球状化熱処理の工程において、通常、酸化雰囲気で高温に加熱されるため、鋼表面に脱炭層が形成されることとなる。
【0004】
軸受鋼は、一般に、切断、切削、および焼入れされた後、部品として使用される。しかし、切削後も脱炭層が存在すると、脱炭層部分において所定の強度、組織が得られないため、摺動性が劣化する。したがって、脱炭層が厚い場合には、切断前に、研削または他の手段によって、脱炭層を除去する必要がある。しかし、作業工数の増加、歩留の低下により、部品の製造コストが大幅に増加するという問題がある。
【0005】
そのため、雰囲気制御により復炭させる熱処理方法に関する技術が、これまでにいくつか開示されている。
【0006】
特許文献1では、高温のオーステナイト域での浸炭について記載されている。具体的には、軸受鋼あるいは過共析鋼を対象として、球状化焼鈍のヒートパタンの初期に、Acm点以上のオーステナイト(γ)温度域にて浸炭処理をし、従来の球状化焼鈍で生じていた脱炭を防止できる球状化焼鈍方法が開示されている。
【0007】
特許文献2では、フェライト(α)温度域での浸炭について記載されている。高温のγ相より低温のα相の方がCの拡散が速く、α温度域で復炭することを明らかにし、球状化焼鈍時に、Ac

点以下の温度域で浸炭雰囲気とし、復炭と球状化とを同時に行う軸受鋼の熱処理方法が開示されている。
【0008】
特許文献3では、雰囲気制御可能な炉を用いて、鋼の抽出温度、抽出部の雰囲気ガス流速および炉内圧力、冷却速度、ならびにAc

点以下500℃以上の温度域における雰囲気の(CO)

/CO

値を制御することによって、復炭させる方法が開示されている。
【0009】
特許文献4では、球状化焼鈍する際に浸炭雰囲気で球状化焼鈍を行い、次いで、直火式焼鈍炉で球状化焼鈍と浸炭部分のスケールオフを同時に行う方法が開示されている。
【0010】
特許文献5では、雰囲気を浸炭性にした熱処理炉にて焼鈍処理することにより、復炭させる方法が開示されている。特許文献6では、最終加熱に先立って、雰囲気のCO濃度を上昇させてからCO濃度を一旦下降させ、次いで加熱を行う方法が開示されている。
(【0011】以降は省略されています)

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