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公開番号2025092921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208334
出願日2023-12-11
発明の名称焼結鉱の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C22B 1/20 20060101AFI20250616BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】安定的に高い歩留を得る。
【解決手段】複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む焼結原料を配合して造粒機にて造粒処理を実施する造粒工程と、造粒機から排出された焼結原料を、装入装置により焼結機に装入する焼結原料装入工程と、装入した焼結原料を焼結して焼結ケーキを製造する焼結工程と、焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けする分級工程と、を有し、さらに、成品焼結鉱の成分含有量を分析する成品焼結鉱分析工程と、返鉱の成分含有量を分析する返鉱分析工程と、成品焼結鉱分析工程及び返鉱分析工程でそれぞれ得られた成品焼結鉱の成分含有量及び返鉱の成分含有量に基づいて、焼結工程における点火炉の点火条件を変更する点火条件変更工程と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む焼結原料を配合して造粒機にて造粒処理を実施する造粒工程と、
前記造粒機から排出された焼結原料を、装入装置により焼結機に装入する焼結原料装入工程と、
装入した前記焼結原料を点火炉により焼結して焼結ケーキを製造する焼結工程と、
前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けする分級工程と、を有し、
さらに、
前記成品焼結鉱の成分含有量を分析する成品焼結鉱分析工程と、
前記返鉱の成分含有量を分析する返鉱分析工程と、
前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程でそれぞれ得られた前記成品焼結鉱の成分含有量及び前記返鉱の成分含有量に基づいて、前記焼結工程における前記点火炉の点火条件を変更する点火条件変更工程と、を有する焼結鉱の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記成品焼結鉱分析工程において搬送手段により搬送中の前記成品焼結鉱、又は/及び、前記返鉱分析工程において搬送手段により搬送中の返鉱を、直接分析する請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程で分析する成分含有量は、CaO含有量である請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程で分析する成分含有量は、CaO含有量であり、
前記点火条件変更工程では、前記返鉱のCaO含有量と前記成品焼結鉱のCaO含有量との差(ΔCaO)に基づいて、前記点火条件を変更する請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
前記点火条件変更工程における前記点火条件の変更は、前記点火炉の点火強度の変更により行われる請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項6】
前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程において、前記成品焼結鉱の成分含有量及び前記返鉱の成分含有量の分析は、レーザ発光分光分析法(Laser-induced Breakdown Spectroscopy、LIBS)を用いて行う請求項2~5のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉用の焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
現在、高炉製銑の主原料は、焼結鉱である。高炉原料となる焼結鉱(成品焼結鉱)は、一般的に、鉄鉱石を含む焼結鉱製造用の原料(焼結原料)を下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機内で焼結した後に、粉砕、篩分け等により所定の粒度に整粒して製造される。成品焼結鉱は、4~7時間ごとにサンプリングされて、蛍光X線分析や化学分析により元素組成が測定される。そして、この測定データに基づいて、焼結鉱の製造工程や高炉操業が管理される。
【0003】
近年、均質かつ質の良い鉄鉱石は枯渇傾向にあり、焼結原料として使用される鉄鉱石の劣質化により脈石などの成分が多く含まれるようになった。その結果、同じロット内でも焼結鉱の成分に変動が生じるようになった。高炉操業の生産効率向上のためには、焼結鉱の成分変動に応じて、焼結鉱の製造工程における焼結原料の配合比率、高炉操業における高炉原料の配合比率や操業条件(炉内温度や圧力など)を、きめ細やかに管理する必要がある。
【0004】
これに対し、特許文献1には、焼結鉱の製造方法であって、鉄含有原料、焼結原料および造粒された焼結原料のうち少なくとも1つの成分濃度を連続測定する第1測定工程と、造粒された焼結原料を焼結機で焼結して焼結ケーキとする焼結工程と、焼結ケーキを破砕して焼結鉱とする破砕工程と、焼結鉱を冷却する冷却工程と、冷却された焼結鉱を成品焼結鉱と返鉱とに篩分けする篩分け工程と、冷却された焼結鉱、前記成品焼結鉱および返鉱のうち少なくとも1つの成分濃度を連続測定する第2測定工程と、第1測定工程で測定された成分濃度および第2測定工程で測定された成分濃度を用いて焼結原料の調整等を行う調整工程を有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-131847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、上記技術により、焼結鉱製造中に焼結原料の成分濃度が変動したとしても、その変動を把握して焼結原料の配合量の調整や焼結鉱の製造条件の調整を迅速に行える、または、成分濃度の変化分を用いた焼結原料の配合量の調整や焼結鉱の製造条件の調整を行えるので、成分濃度の変動が小さい成品焼結鉱の製造が実現できることが記載されている。すなわち、上記技術は、第1測定工程で測定された成分濃度および第2測定工程で測定された成分濃度を用いることによる、迅速な調整や成分濃度の変動が小さい成品焼結鉱の製造を目的としている。
【0007】
これに対し、本発明者らは、焼結鉱製造の操業を行う中で、成品焼結鉱の成分含有量及び返鉱の成分含有量と、操業管理の指標の一つとして用いられる歩留との関係に着目した。本発明者らは、歩留向上を可能とする焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む焼結原料を配合して造粒機にて造粒処理を実施する造粒工程と、前記造粒機から排出された焼結原料を、装入装置により焼結機に装入する焼結原料装入工程と、装入した前記焼結原料を点火炉により焼結して焼結ケーキを製造する焼結工程と、前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けする分級工程と、を有し、さらに、前記成品焼結鉱の成分含有量を分析する成品焼結鉱分析工程と、前記返鉱の成分含有量を分析する返鉱分析工程と、前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程でそれぞれ得られた前記成品焼結鉱の成分含有量及び前記返鉱の成分含有量に基づいて、前記焼結工程における前記点火炉の点火条件を変更する点火条件変更工程と、を有する焼結鉱の製造方法。
[2]前記成品焼結鉱分析工程において搬送手段により搬送中の前記成品焼結鉱、又は/及び、前記返鉱分析工程において搬送手段により搬送中の返鉱を、直接分析する[1]に記載の焼結鉱の製造方法。
[3]前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程で分析する成分含有量は、CaO含有量である[1]に記載の焼結鉱の製造方法。
[4]前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程で分析する成分含有量は、CaO含有量であり、前記点火条件変更工程では、前記返鉱のCaO含有量と前記成品焼結鉱のCaO含有量との差(ΔCaO)に基づいて、前記点火条件を変更する[1]に記載の焼結鉱の製造方法。
[5]前記点火条件変更工程における前記点火条件の変更は、前記点火炉の点火強度の変更により行われる[1]に記載の焼結鉱の製造方法。
[6]前記成品焼結鉱分析工程及び前記返鉱分析工程において、前記成品焼結鉱の成分含有量及び前記返鉱の成分含有量の分析は、レーザ発光分光分析法(Laser-induced Breakdown Spectroscopy、LIBS)を用いて行う[2]~[5]のいずれか1項に記載の焼結鉱の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、成品焼結鉱の成分含有量及び返鉱の成分含有量に基づいて、焼結工程における点火炉の点火条件を変更することにより、安定的に高い歩留を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の焼結鉱製造工程の一例を示す図である。
本発明の焼結鉱製造に用いられる焼結設備の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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