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公開番号2025084051
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-02
出願番号2024124845
出願日2024-07-31
発明の名称T字隅肉溶接継手および鋼構造物
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250526BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高い疲労強度を示すT字隅肉溶接継手と、該T字隅肉溶接継手を有する鋼構造物を提供する。
【解決手段】平板に立て板を隅肉溶接してなるT字溶接継手であって、前記平板に用いる鋼板は、化学組成が、C、Si、Mn、P、S、Al、Cu、Ni、Nb、Ti、N、Ca、およびSi+Cuが所定の範囲を満たし、残部はFeおよび不可避不純物からなり、更に、鋼板の板厚方向に表面から1mmまでの断面領域において、長さが10μmを超える非金属介在物の個数密度が10個/mm2以下である、T字隅肉溶接継手。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
平板に立て板を隅肉溶接してなるT字溶接継手であって、前記平板に用いる鋼板は、
化学組成が、
C :0.03~0.08質量%、
Si:0.30~0.60質量%、
Mn:1.00~2.00質量%、
P :0質量%超、0.020質量%以下、
S :0質量%超、0.002質量%以下、
Al:0.01~0.05質量%、
Cu:0.10~0.50質量%、
Ni:0.10~0.50質量%、
Nb:0質量%超、0.030質量%以下、
Ti:0.005~0.025質量%、
N :0.002~0.007質量%、
Ca:0.0005~0.0030質量%、および
Si+Cu:0.4質量%以上を満たし、
残部はFeおよび不可避不純物からなり、更に、
鋼板の板厚方向に表面から1mmまでの断面領域において、長さが10μmを超える非金属介在物の個数密度が10個/mm

以下である、T字隅肉溶接継手。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記平板に用いる鋼板の降伏強さは500MPa以下である、請求項1に記載のT字隅肉溶接継手。
【請求項3】
T字片面隅肉溶接継手であって、溶接部の溶け込み率が、立て板の板厚の50~90%である、請求項1または2に記載のT字隅肉溶接継手。
【請求項4】
請求項1または2に記載のT字隅肉溶接継手を有する、鋼構造物。
【請求項5】
請求項3に記載のT字隅肉溶接継手を有する、鋼構造物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、T字隅肉溶接継手および鋼構造物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
橋梁、船舶、建築物、建設機械等の溶接構造物では、該溶接構造物の疲労強度向上の観点から、溶接継手の疲労強度を向上することが求められる。溶接継手の疲労強度を向上させる技術として、止端形状を改善する技術、溶接残留応力を低減する技術等が挙げられる。
【0003】
前記止端形状を改善する技術として、例えば特許文献1には、隅肉溶接継手の溶接止端部を研削する方法、また特許文献2には、TIGアーク熱により溶接止端部を溶融して滑らかにする方法が示されている。前記溶接残留応力を低減する技術として、例えば特許文献3には、溶接ビードに沿ってハンマーピーニングまたは超音波衝撃処理で圧縮残留応力を導入して疲労強度を改善する方法が示されている。また特許文献4、特許文献5には、低変態温度溶接材料を使用して溶接する方法が示されている。
【0004】
前記溶接構造物が橋梁である場合、例えば溶接継手として、橋梁鋼床板にリブ材が隅肉溶接により取り付けられた隅肉溶接継手が挙げられる。該隅肉溶接継手の疲労強度を高める技術として、例えば特許文献6には、平板と縦板の突合せ部にレ開先(くさび状空隙)を有する略T字型の隅肉溶接継手において、開先として開先角度20°以上35°以下のレ開先(くさび状空隙)を形成し、1電極1パス当たりの入熱量が5kJ/cm以上、10kJ/cm以下でソリッドワイヤを用いたガスメタルアーク溶接により裏波ビードを形成することが示されている。
【0005】
また特許文献7には、多パス溶接であって、1パス目の溶接金属の変態開始温度が175℃~400℃の範囲となるような溶接材料を用いて溶接を施す第1の溶接工程、次いで、前記第1の溶接工程で形成した溶接金属の一部が未溶融部となるように、溶接金属を1パスまたは2パス以上で盛り上げる溶接を施す第2の溶接工程であって、最終パスの溶接熱により前記未溶融部を全てオーステナイトに再変態させる第2の溶接工程を有する、多パス溶接を行うことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-69128号公報
特開昭59-110490号公報
特開2013-233590号公報
特許3851953号
特許3752545号
特開2008-290115号公報
国際公開第2012/114532号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鋼材が高強度化すると、鋼材自体の疲労強度は向上する。しかし、鋼材自体の疲労強度が向上しても、溶接継手の疲労強度は改善しないことが、例えば、渡辺修ら、「高強度鋼溶接継手の疲労強度とその支配因子-応力集中係数と溶接残留応力の効果-」、溶接学会論文集,1995年、第13巻、第3号、p.438-443によって知られている。その理由として、溶接ビードの止端部の形状に起因した応力集中、溶接で生じた引張残留応力の存在により、溶接ビード内で疲労亀裂が発生しやすい状態となり、これらの現象に鋼材の疲労強度は影響しないためと考えられている。
【0008】
特許文献1、2のように止端形状を改善する技術と、特許文献3のように溶接残留応力を低減する技術は、継手の疲労寿命の改善に寄与するが、例えば、橋梁鋼床板にリブが隅肉溶接により取り付けられた隅肉溶接継手の場合、疲労亀裂発生位置は溶接ルート部であり溶接後に止端形状の改善や溶接残留応力の低減といった対応を行うことができない。
【0009】
また溶接ルート部の疲労改善技術としては、特許文献4、5のように低変態温度溶接材料を使用して溶接すること、特許文献6、7のように、混合ガスでの裏波溶接を行うことや特殊な溶接材料で多パス溶接を実施するものがある。しかし、これらはいずれも特殊な溶接であり、通常の隅肉溶接(特に橋梁鋼床板にUリブを隅肉溶接、更に特には橋梁鋼床板にUリブを片面隅肉溶接)で疲労特性が改善されていない。
【0010】
特に、橋梁鋼床板にUリブを片面隅肉溶接した、T字片面隅肉溶接継手(以下「鋼床板Uリブ溶接継手」ということがある)は、該溶接継手側からの平板(デッキプレート)貫通の疲労亀裂を目視点検で発見することが困難なため、Uリブ溶接継手のルート部からの疲労亀裂発生の抑制が求められる。
(【0011】以降は省略されています)

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