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公開番号
2025098536
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-02
出願番号
2023214737
出願日
2023-12-20
発明の名称
フラックス入りワイヤ、溶接継手及び溶接金属
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
B23K
35/368 20060101AFI20250625BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】極低温領域における構造物の溶接に使用されるフラックス入りワイヤであって、優れた強度を有し、かつ横膨出量が所望の値以上となる溶接金属を得ることができるフラックス入りワイヤを提供する。
【解決手段】フラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対するFe、C、Cr、Ni等の含有量が規定されているとともに、Nb:0.001~0.15質量%、V:0.005~0.30質量%、を含有する。また、式(1)により算出される値A1:0.02~0.30、式(2)により算出される値A2:10.0~12.3である。式(1):A1=[Nb]
W
+[V]
W
、式(2):A2=1.31×(0.98×[Cr]
W
+[Mo]
W
+0.7×[Nb]
W
)-1.1×([Ni]
W
+35×[C]
W
+20×[N]
W
+0.25×[Cu]
W
)である。ただし、[元素]
W
は、フラックス入りワイヤ中の該元素の含有量を質量%で表した値である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ワイヤ全質量に対して、
Fe:40質量%以上70質量%以下、
C:0.001質量%以上0.030質量%以下、
Cr:14.0質量%以上28.0質量%以下、
Ni:7.0質量%以上20.0質量%以下、
Nb:0.001質量%以上0.15質量%以下、及び
V:0.005質量%以上0.30質量%以下、を含有し、
Mo:4.0質量%以下、
Cu:0.50質量%以下、
N:0.020質量%以下、であるとともに、
下記式(1)により算出される値A1:0.02以上0.30以下、
下記式(2)により算出される値A2:10.0以上12.3以下、であることを特徴とするフラックス入りワイヤ。
A1=[Nb]
W
+[V]
W
・・・式(1)
A2=1.31×(0.98×[Cr]
W
+[Mo]
W
+0.7×[Nb]
W
)-1.1×([Ni]
W
+35×[C]
W
+20×[N]
W
+0.25×[Cu]
W
) ・・・式(2)
ただし、[Nb]
W
は、フラックス入りワイヤ中のNb含有量を質量%で表した値であり、[V]
W
は、フラックス入りワイヤ中のV含有量を質量%で表した値であり、[Cr]
W
は、フラックス入りワイヤ中のCr含有量を質量%で表した値であり、[Mo]
W
は、フラックス入りワイヤ中のMo含有量を質量%で表した値であり、[Ni]
W
は、フラックス入りワイヤ中のNi含有量を質量%で表した値であり、[C]
W
は、フラックス入りワイヤ中のC含有量を質量%で表した値であり、[N]
W
は、フラックス入りワイヤ中のN含有量を質量%で表した値であり、[Cu]
W
は、フラックス入りワイヤ中のCu含有量を質量%で表した値である。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
さらに、ワイヤ全質量に対して、
Si:0.10質量%以上1.00質量%以下、
F:0.10質量%以上0.50質量%以下、
Mn:0.1質量%以上1.60質量%以下、
TiO
2
:4.00質量%以上10.00質量%以下、
金属Zr及びZr化合物のZrO
2
換算値:0.50質量%以上4.00質量%以下、
金属Mg及びMg化合物のMgO換算値:0.05質量%以上1.00質量%以下、
Na:0.01質量%以上0.50質量%以下、及び
K:0.01質量%以上0.50質量%以下、を含有し、
P:0.030質量%以下、
S:0.030質量%以下、
Co:0.300質量%以下、
W:0.50質量%以下、
REM:0.500質量%以下、
Ti:1.0質量%以下、
Al:0.3質量%以下、
Al
2
O
3
:1.00質量%以下、
Li:0.50質量%以下、であることを特徴とする、請求項1に記載のフラックス入りワイヤ。
【請求項3】
前記Ni:10.0質量%以上13.0質量%以下、
前記Cr:16.5質量%以上18.0質量%以下、
前記Mo:1.7質量%以上2.2質量%以下、であることを特徴とする、請求項1に記載のフラックス入りワイヤ。
【請求項4】
ステンレス鋼板を母材として、請求項1~3のいずれか1項に記載のフラックス入りワイヤを使用して溶接することにより製造されることを特徴とする、溶接継手。
【請求項5】
溶接金属全質量に対して、
C:0.001質量%以上0.040質量%以下、
Cr:14.0質量%以上22.0質量%以下、
Ni:7.0質量%以上18.0質量%以下、
Mn:0.3質量%以上1.5質量%以下、
Nb:0.001質量%以上0.15質量%以下、及び
V:0.005質量%以上0.30質量%以下、を含有し、
Si:1.0質量%以下、
Ti:1.0質量%以下、
Mo:4.0質量%以下、
Cu:0.50質量%以下、
N:0.020質量%以下、であり、残部がFe及び不可避的不純物であるとともに、
下記式(3)により算出される値A3:0.02以上0.30以下、及び
下記式(4)により算出される値A4:7.6以上10.3以下、であることを特徴とする溶接金属。
A3=[Nb」
M
+「V」
M
・・・式(3)
A4=1.18×([Cr]
M
+[Mo]
M
+0.7×[Nb]
M
)-[Ni]
M
-35×[C]
M
-20×[N]
M
-0.25×[Cu]
M
・・・式(4)
ただし、[Nb]
M
は、溶接金属中のNb含有量を質量%で表した値であり、[V]
M
は、溶接金属中のV含有量を質量%で表した値であり、[Cr]
M
は、溶接金属中のCr含有量を質量%で表した値であり、[Mo]
M
は、溶接金属中のMo含有量を質量%で表した値であり、[Ni]
M
は、溶接金属中のNi含有量を質量%で表した値であり、[C]
M
は、溶接金属中のC含有量を質量%で表した値であり、[N]
M
は、溶接金属中のN含有量を質量%で表した値であり、[Cu]
M
は、溶接金属中のCu含有量を質量%で表した値である。
【請求項6】
P:0.030質量%以下、
S:0.030質量%以下、
Co:0.500質量%以下、
W:0.50質量%以下、
前記Ni:12.0質量%以上14.0質量%以下、
前記Cr:17.0質量%以上19.0質量%以下、
前記Mo:1.7質量%以上2.5質量%以下、であることを特徴とする、請求項5に記載の溶接金属。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラックス入りワイヤ、溶接継手及び溶接金属に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
一般的に、ガスは輸送・保管の効率を上げるため、低温で液化してタンクに貯蔵されるため、貯蔵用タンクの構造部材には貯蔵するガスの液化温度域における低温靱性が求められる。例えば、特許文献1には、-196℃付近の極低温靱性が優れた溶接金属を得ることができるオーステナイト系ステンレス鋼フラックス入りワイヤが開示されている。上記特許文献1に記載のフラックス入りワイヤは、C、Si、Mn、P、Ni、Cr及びNの含有量が規定されているとともに、ワイヤ中のNi、Cr、Mn、Si及びCの含有量を用いた式により得られる値が規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-7982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、環境を考慮して、水素を発電や自動車等の燃料として用いることが考えられており、水素の需要が増大している。これに伴って、貯蔵用タンクについても、液化水素を安全に貯蔵することができる貯蔵用タンクへの要求が高まっている。具体的には、通常の液化貯蔵タンクで使用される温度よりも低温の、例えば-253℃程度の以上の極低温領域でも使用できることが求められる。このため、より一層低温度領域における構造物の溶接に対応することができるフラックス入りワイヤの開発が望まれている。このような低温タンク用の溶接金属の低温靱性の指標として、横膨出の値が要求されることがある。しかし、特許文献1に記載のフラックス入りワイヤにおいては、横膨出について考慮されていない。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、極低温領域における構造物の溶接に使用されるフラックス入りワイヤであって、優れた強度を有し、かつ横膨出量が所望の値以上となる溶接金属を得ることができるフラックス入りワイヤ、該フラックス入りワイヤを用いて得られる溶接継手、及び溶接金属を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、極低温領域において優れた強度及び横膨出量を示す溶接金属を得るためには、ワイヤ中のNbとVとの合計量を制御するとともに、Cr当量とNi当量とを用いた計算式により得られる値を所定の範囲にすることで、フェライト量を制御することが効果的であることを見出した。本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
【0007】
本発明の上記目的は、フラックス入りワイヤに係る下記[1]の構成により達成される。
【0008】
[1] ワイヤ全質量に対して、
Fe:40質量%以上70質量%以下、
C:0.001質量%以上0.030質量%以下、
Cr:14.0質量%以上28.0質量%以下、
Ni:7.0質量%以上20.0質量%以下、
Nb:0.001質量%以上0.15質量%以下、及び
V:0.005質量%以上0.30質量%以下、を含有し、
Mo:4.0質量%以下、
Cu:0.50質量%以下、
N:0.020質量%以下、であるとともに、
下記式(1)により算出される値A1:0.02以上0.30以下、
下記式(2)により算出される値A2:10.0以上12.3以下、であることを特徴とするフラックス入りワイヤ。
A1=[Nb]
W
+[V]
W
・・・式(1)
A2=1.31×(0.98×[Cr]
W
+[Mo]
W
+0.7×[Nb]
W
)-1.1×([Ni]
W
+35×[C]
W
+20×[N]
W
+0.25×[Cu]
W
) ・・・式(2)
ただし、[Nb]
W
は、フラックス入りワイヤ中のNb含有量を質量%で表した値であり、[V]
W
は、フラックス入りワイヤ中のV含有量を質量%で表した値であり、[Cr]
W
は、フラックス入りワイヤ中のCr含有量を質量%で表した値であり、[Mo]
W
は、フラックス入りワイヤ中のMo含有量を質量%で表した値であり、[Ni]
W
は、フラックス入りワイヤ中のNi含有量を質量%で表した値であり、[C]
W
は、フラックス入りワイヤ中のC含有量を質量%で表した値であり、[N]
W
は、フラックス入りワイヤ中のN含有量を質量%で表した値であり、[Cu]
W
は、フラックス入りワイヤ中のCu含有量を質量%で表した値である。
【0009】
また、フラックス入りワイヤに係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[3]に関する。
【0010】
[2] さらに、ワイヤ全質量に対して、
Si:0.10質量%以上1.00質量%以下、
F:0.10質量%以上0.50質量%以下、
Mn:0.1質量%以上1.60質量%以下、
TiO
2
:4.00質量%以上10.00質量%以下、
金属Zr及びZr化合物のZrO
2
換算値:0.50質量%以上4.00質量%以下、
金属Mg及びMg化合物のMgO換算値:0.05質量%以上1.00質量%以下、
Na:0.01質量%以上0.50質量%以下、及び
K:0.01質量%以上0.50質量%以下、を含有し、
P:0.030質量%以下、
S:0.030質量%以下、
Co:0.300質量%以下、
W:0.50質量%以下、
REM:0.500質量%以下、
Ti:1.0質量%以下、
Al:0.3質量%以下、
Al
2
O
3
:1.00質量%以下、
Li:0.50質量%以下、であることを特徴とする、[1]に記載のフラックス入りワイヤ。
(【0011】以降は省略されています)
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