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公開番号2025093089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208607
出願日2023-12-11
発明の名称構造部材の製造方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 37/04 20060101AFI20250616BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】製造工程の煩雑化を抑えつつ、押出材同士を容易に接合して高品質な構造部材を製造することが可能な構造部材の製造方法を提供する。
【解決手段】互いに接合させる押出パネル11A～11Dをベース板31上に配置させ、それぞれの押出パネル11A～11Dの縁部に隣接するそれぞれの中空部13へ押出パネルの両端か治具板35を挿し込み、隣接する治具板35同士を互いに引き寄せて押出パネル11A～11Dの縁部同士を突き合わせ、互いに引き寄せた治具板35同士を連結部材37によって連結させ、治具板35をベース板31に固定し、押出パネル11A～11Dの表面側において互いに突き合わせた縁部同士を接合し、治具板35のベース板31への固定を解除させ、押出パネル11A～11Dを反転させて治具板35をベース板31に固定し、押出パネル11A～11Dの裏面側において縁部同士を接合する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
中空部を有する押出材からなる複数の押出パネルの縁部同士を突き合わせて接合して構造部材を製造する製造方法であって、
互いに接合させる前記押出パネルをベース板上に配置させ、それぞれの前記押出パネルの前記縁部に隣接するそれぞれの前記中空部へ前記押出パネルの両端から治具板を挿し込む治具板挿し込み工程と、
隣接する前記治具板同士を互いに引き寄せて前記押出パネルの前記縁部同士を突き合わせ、互いに引き寄せた前記治具板同士を連結部材によって連結させる突き合わせ工程と、
前記治具板を前記ベース板に固定する第１固定工程と、
前記押出パネルの前記ベース板と反対側の表面側において互いに突き合わせた前記縁部同士を接合する第１接合工程と、
前記治具板の前記ベース板への固定を解除させる固定解除工程と、
前記押出パネルを反転させて前記治具板を前記ベース板に固定する第２固定工程と、
前記押出パネルの裏面側において前記縁部同士を接合する第２接合工程と、
を含む、
構造部材の製造方法。
続きを表示（約 300 文字）【請求項２】
前記治具板挿し込み工程において、前記縁部に隣接する前記中空部の内部に、前記治具板の挿入方向に向かって前記押出パネルの前記縁部同士の突き合わせ方向へ傾斜するガイド面を有するくさび板を配置させておき、前記治具板を挿し込んだ際に、前記くさび板の前記ガイド面によって前記治具板を前記突き合わせ方向へ押圧させる、
請求項１に記載の構造部材の製造方法。
【請求項３】
前記治具板は、前記くさび板の前記ガイド面と反対方向へ傾斜するテーパ面を有し、前記テーパ面が前記ガイド面に摺動することにより、前記突き合わせ方向へ押圧される、
請求項２に記載の構造部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、構造部材の製造方法に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
従来より、車両における乗員の安全性向上が求められており、係る目的のために車体の強度を向上させてきた。他方、地球温暖化問題等の深刻化を背景に、自動車の燃費改善の動きが加速している。燃費改善には車体の軽量化が有効であることが知られている。また、上記した環境改善のため、電力により走行する車両（電気自動車、ハイブリッド自動車等を含む）及び自走式ロボット等の機器の開発が進展している。このような車両又は機器に搭載する電池システムでは、多数のバッテリー（電池、電池セル）を、アルミニウムの押出材を接合させた構造部材からなるバッテリートレイに収容する構成が採用されることがある。
【０００３】
特許文献１には、中空材同士を接合する技術として、各々の中空材の内部に流体又は粒体物を封入して、各々の中空材の内部から各中空材の当接壁に当接する方向の圧力を付与しながら、中空材同士を摩擦撹拌接合することが開示されている。
【０００４】
また、特許文献２には、端部をＬ状に加工した金属薄板の加工部を、円盤状ロールからなる治具で挟みながら溶接する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開平１０－２３０３７５号公報
特開２０００－５８７９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載の技術においては、中空材の内部に流体又は流体物を封入するため、設備費が嵩んでしまう。また、特許文献２に記載の技術においては、加工部における溶接個所の近傍部分を円盤状ロールによって挟みながら溶接するため、接合作業が煩雑である。また、突き合わせ箇所の表裏を接合させる場合、上記の特許文献１、２に記載の技術では、接合させる部材を設備から一旦取り外し、再度位置合わせして設備に取り付けなければならず、接合作業に手間を要する。
【０００７】
そこで本発明は、製造工程の煩雑化を抑えつつ、押出材同士を容易に接合して高品質な構造部材を製造することが可能な構造部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は下記の構成からなる。
中空部を有する押出材からなる複数の押出パネルの縁部同士を突き合わせて接合して構造部材を製造する製造方法であって、
互いに接合させる前記押出パネルをベース板上に配置させ、それぞれの前記押出パネルの前記縁部に隣接するそれぞれの前記中空部へ前記押出パネルの両端から治具板を挿し込む治具板挿し込み工程と、
隣接する前記治具板同士を互いに引き寄せて前記押出パネルの前記縁部同士を突き合わせ、互いに引き寄せた前記治具板同士を連結部材によって連結させる突き合わせ工程と、
前記治具板を前記ベース板に固定する第１固定工程と、
前記押出パネルの前記ベース板と反対側の表面側において互いに突き合わせた前記縁部同士を接合する第１接合工程と、
前記治具板の前記ベース板への固定を解除させる固定解除工程と、
前記押出パネルを反転させて前記治具板を前記ベース板に固定する第２固定工程と、
前記押出パネルの裏面側において前記縁部同士を接合する第２接合工程と、
を含む、
構造部材の製造方法。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、製造工程の煩雑化を抑えつつ、押出材同士を容易に接合して高品質な構造部材を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
図１は、本例の構造部材の製造方法によって製造する構造部材の斜視図である。
図２は、図１に示す構造部材の一部を拡大した正面図である。
図３は、本例の構造部材の製造方法に用いる治具を説明する斜視図である。
図４は、図３に示す治具の平面図である。
図５は、図４におけるＶ－Ｖ線に沿った断面図である。
図６は、ベース板上の押出パネルの中空部にくさび板を配置させた状態を示す平面図である。
図７は、図６に示す押出パネルの中空部に、さらに治具板を挿し込んだ状態を示す平面図である。
図８は、図４におけるVIII－VIII線に沿った断面図である。
図９Ａは、押出パネル同士を接合して構造部材とする手順を示す説明図である。
図９Ｂは、押出パネル同士を接合して構造部材とする手順を示す説明図である。
図９Ｃは、押出パネル同士を接合して構造部材とする手順を示す説明図である。
図９Ｄは、押出パネル同士を接合して構造部材とする手順を示す説明図である。
図９Ｅは、押出パネル同士を接合して構造部材とする手順を示す説明図である。
図９Ｆは、押出パネル同士を接合して構造部材とする手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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