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公開番号2025019573
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123246
出願日2023-07-28
発明の名称高耐食銅合金
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類C22C 9/06 20060101AFI20250131BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】乾湿が繰り返される腐食環境において、高い耐食性を示すと共に、表面電気抵抗を低い値で維持することができ、電気接点特性に優れた高耐食銅合金を提供する。
【解決手段】含有量が35原子%以上のCuと、含有量が30原子%以上のSnと、含有量が15原子%以上のNiと、含有量がいずれも1原子%以上10原子%以下のZnおよびAlとを有する。Sn-Cu-Ni相とCu-Sn相とを有し、Sn-Cu-Ni相は、50原子%以上のSnと15原子%以上のCuと15原子%以上のNiとを含有し、Cu-Sn相は、65原子%以上のCuと5原子%以上のSnとを含有する。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
含有量が35原子%以上のCuと、
含有量が30原子%以上のSnと、
含有量が15原子%以上のNiと、
含有量がいずれも1原子%以上10原子%以下のZnおよびAlとを有し、
Sn-Cu-Ni相とCu-Sn相とを有し、
前記Sn-Cu-Ni相は、50原子%以上のSnと15原子%以上のCuと15原子%以上のNiとを含有し、
前記Cu-Sn相は、65原子%以上のCuと5原子%以上のSnとを含有することを
特徴とする高耐食銅合金。
続きを表示(約 68 文字)【請求項2】
前記Sn-Cu-Ni相は、Snの含有量が60原子%以上であることを特徴とする請求項1記載の高耐食銅合金。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高耐食銅合金に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電気配線などのコネクタ用電気接点材料としては、銅(Cu)が主に用いられている。しかし、比較的温度が高い条件で乾湿繰り返しが行われると、Cuの表面が腐食し、Cu
2
OやCuOなどを主体とする電気抵抗が高い腐食生成物が生じる。これに伴い表面の電気抵抗が上昇し、電気接点としての機能が低下する。そのため、耐食性や耐酸化性に優れる金(Au)や銀(Ag)をCuの表面にめっきすることが行われている。しかし、貴金属めっきはコストが高いため、経済性が求められる自動車などの産業機器には、安価で比較的耐食性が高いスズ(Sn)が使用されている。
【0003】
ところで、自動車などの輸送機器における軽量化と省資源化のニーズにより、Snめっきの膜厚を極限まで薄くすることが求められている。Snは比較的軟らかい金属であり、車載用コネクタとして使用した場合には、振動などによる摺動に伴い、Snめっき層が損耗し消失する場合を想定しておく必要がある。電気自動車や自動運転の実現と普及に伴い、コネクタ部の接触不良は重大事故につながる恐れがあり、その回避が求められている。
【0004】
一方で、長期にわたり低い表面電気抵抗を維持するためのCu合金の組成やミクロ組織に関しては、具体的な条件が明らかにはされておらず、Snめっきが消失した場合、Cu系電気接点材料が露出し、それ自体が腐食する状態を避けることは困難である。このような背景から、腐食環境においても表面の電気抵抗が低い値に維持され、電気接点特性に優れる高耐食銅合金が求められている。
【0005】
ところで、Cuの耐食性向上に関しては、合金元素の添加が試みられてきた。たとえば、アルミニウム青銅(Cu-6~12%Al-1.5~6%Fe-5%Ni)、黄銅(Cu-40%Zn)、リン青銅(Cu-4~10%Sn)、白銅(Cu-10~30%Ni)、洋白(Cu-5~35%Ni-15~35%Zn)などが、腐食環境で使用されている。しかし、これらは耐食性には優れるが、腐食環境で表面に腐食生成物が生成し、表面の電気抵抗が高くなり、コネクタ用の電気接点材料としては不向きである。
【0006】
そこで、電気自動車の充電ソケットなどのコネクタ用として、Cu合金表面にSnまたはSn合金を被覆した後に熱処理を施し、表面にCu-Sn系金属間化合物(Cu
3
Sn、Cu
4
Snなど)を形成させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、Snは、Cuよりも電気化学的に卑な金属であり、貴金属であるCuよりも耐食性に劣る。このため、Cu-Sn合金の耐食性もそれほど高くはない。
【0007】
Cuの耐食性を改善するためには、Cuに固溶する組成範囲を有するSn、Zn、Ni、Alを、適切な組成で添加することが好適であると推定される。しかし、そのようなCu合金の組成やミクロ組織に関して、具体的な条件は明らかにはされていない。特に、耐食性が高いだけはなく、電気配線のコネクタ用電気接点材料に求められる低い表面電気抵抗を維持する技術に関しては不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平10-25562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、乾湿が繰り返される腐食環境において、高い耐食性を示すと共に、表面電気抵抗を低い値で維持することができ、電気接点特性に優れた高耐食銅合金を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、以上のような従来技術の限界を克服し、未解決の課題を解決するため、種々の試験研究を行い、本発明を完成させた。特に、Cu合金において、Sn、Zn、Al、Niの添加量を制御すると、50原子%以上のSnと15原子%以上のCuおよびNiとを含有するSn-Cu-Ni相と、65原子%以上のCuと5原子%以上のSnを含有するCu-Sn相とが生成することを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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