TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025092864
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-23
出願番号
2023208249
出願日
2023-12-11
発明の名称
金属部材および製品
出願人
株式会社C&A
,
国立大学法人東北大学
代理人
個人
主分類
C22C
5/04 20060101AFI20250616BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】安価でかつ耐熱性、耐食性および機械的特性に優れた金属部材を提供する。
【解決手段】この金属部材は、Ru
x
Re
y
(Mo,W)
z
(0<x≦60、0<y≦-1.45x+76.33、40≦z<70、x+y+z≦100)を少なくとも含むものである。この金属部材は、Ru、Re、Mo及びWを少なくとも含むいわゆる合金である。この金属部材は、RuとReとの組成比を、原子数比で1以上とすることができる。この組成比とすることで、金属部材の負荷に対する耐性などをより向上させることができるので好ましい。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Ru
x
Re
y
(Mo,W)
z
(0<x≦60、0<y≦-1.45x+76.33、40≦z<70、x+y+z≦100)を少なくとも含む金属部材。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
請求項1記載の金属部材において、
RuとReとの組成比は、原子数比で1以上とされている金属部材。
【請求項3】
請求項1記載の金属部材において、
Ru、Re、Mo、およびWの合計含有量は、前記金属部材の全体に対して60at%以上とされ、
さらに、
六方最密充填構造の初晶部を有する金属部材。
【請求項4】
請求項1記載の金属部材において、
MoおよびWの含有量は、前記金属部材の全体に対して0.1at%~50at%の範囲とされている金属部材。
【請求項5】
請求項1記載の金属部材において、
Ir、Rh、Pt、Pd、およびOsからなる群から選ばれる少なくとも1つの添加元素をさらに含む金属部材。
【請求項6】
請求項5記載の金属部材において、
前記添加元素の含有量は、前記金属部材の全体に対して0.001at%~15at%とされている金属部材。
【請求項7】
線材である請求項1記載の金属部材。
【請求項8】
金属部材を含む製品であって、前記金属部材が請求項1記載の金属部材である製品。
【請求項9】
加熱装置、成膜装置または結晶成長装置の部品である請求項8記載の製品。
【請求項10】
反応装置、反応容器またはそれらの部品である請求項8記載の製品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材および製品に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
抵抗加熱式加熱炉においては、炉内に配置された抵抗発熱体に対して直流または交流の電流を印加することによって抵抗発熱体を発熱させて炉内を加熱する。抵抗発熱体には、一般に、カーボンやSiCなどの炭素系材料、ジルコニアやランタンクロライドなどのセラミックス材料、タングステンやタンタルなどの金属系材料などが用いられている。抵抗発熱体に用いることができる材料は、主として加熱に要する雰囲気および目標到達温度によって選択される。
【0003】
例えば、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの作製における成膜に用いられる蒸着セルは、抵抗加熱炉の一種であり、一般に炉内を高真空(~10
5
Pa程度)として使用される。この種の蒸着セルを用いた真空蒸着では、抵抗発熱体によって囲まれた領域に、蒸着原料を充填した坩堝状の容器を配置し、抵抗発熱体に通電することで炉内を加熱し、容器内の蒸着原料を溶解する。溶解した蒸着原料の表面から脱離した原子または分子は、蒸着セルによって指向性を付与され、蒸着セルの上方に配置された基板に対して付着することで成膜が進行する。
【0004】
上述したような成膜においては、蒸着セル内部に蒸着原料以外の物質の脱離が少ないことが求められるため、蒸着セルに用いることができる抵抗発熱体は、高温・高真空中で揮発性の低い物質に限定される。
【0005】
従来、抵抗発熱体としては、専ら高融点かつ低蒸気圧である、タングステン、モリブデン、タンタルなどの高融点金属が用いられてきた。特に、タンタルは、タングステンやモリブデンと異なり、高い延性を有するために室温でも所望の抵抗発熱体形状への加工が容易であるため広く用いられる。またタンタルは、タングステン、モリブデンに比較すればより高い電気抵抗率を有するために、同一体積の抵抗発熱体を加熱するためにより低い電流によって加熱が実現できるため、電流源や電線類を小型化・小径化可能であるという利点を有する。なお、抵抗発熱体に用いられるタンタル、タングステン、モリブデンは、いずれも純金属の状態、またはわずかな添加物を含む合金の状態で用いられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
R. Murakami et al., "High-toughness/resistivity ruthenium-based refractory alloy wires", International Journal of Refractory Metals and Hard Materials, vol. 114, 106235, 2023.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、既存の金属抵抗発熱体は、鍛造、伸線などの機械加工を経て成形されることから多結晶体であり、通電加熱によって再結晶が発生し、電気抵抗率および機械強度の経時変化が発生する。これにより、所定の温度へ昇温させるための電流・電圧の印加条件が変化すること、また、機械強度が低下して抵抗発熱体が変形し、予期しない周辺部材との接触や断線に至る問題があった。また、使用の過程において、しばしば、節状構造が形成されることで電気的・機械的特性が劣化して断線に至る点が問題であった。
【0008】
また、前述したように、タンタルは、タングステン、モリブデンに比較すればより高い電気抵抗率を有するものであるが、要求特性に対しては電気抵抗率が低い。さらに、タンタルの電気抵抗率の温度依存性は、タングステンやモリブデンに比して大きいという問題がある。一般に、金属の電気抵抗率は、温度上昇に伴って増大するが、タンタルは、タングステンやモリブデンに比較して、わずかな温度変化が電気抵抗率の変化につながり、電圧や電流の制御による温度の制御性が低い。
【0009】
最近、これら問題に対し、タンタルの代替材料として、ルウテニウム(Ru)などの貴金属を用いて金属部材の電気特性の改善などが検討されている(非特許文献1)。しかしながら、これら金属部材も高価であるなどの問題があり、また、機械的特性などにおいて必ずしも満足のいくものではなく、このため、安価でかつ耐熱性、耐食性および機械的特性に優れた金属部材が待ち望まれている。
【0010】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、安価でかつ耐熱性、耐食性および機械的特性に優れた金属部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
他の特許を見る