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公開番号2025072285
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2024134613
出願日2024-08-09
発明の名称骨再生材料、骨再生材料の製造方法、骨再生材料製造装置
出願人国立大学法人東北大学,日本ファインセラミックス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61L 27/12 20060101AFI20250430BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】リン酸八カルシウムに対するタンパク質の吸着量を制御することができる骨再生材料、骨再生材料の製造方法、および骨再生材料製造装置を提供する。
【解決手段】リン酸八カルシウムを含む基材と、前記リン酸八カルシウムに吸着された生体機能分子と、を含む複合体からなる、骨再生材料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リン酸八カルシウムを含む基材と、前記リン酸八カルシウムに吸着された生体機能分子と、を含む複合体からなる、骨再生材料。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記生体機能分子は、成長因子、血清由来タンパク質、抗菌性分子および抗菌性化合物から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の骨再生材料。
【請求項3】
前記基材は、乳酸-グリコール酸共重合体を含む、請求項1に記載の骨再生材料。
【請求項4】
リン酸緩衝生理食塩水に生体機能分子を溶解して、リン酸緩衝生理食塩水溶液を調製する工程と、
前記リン酸緩衝生理食塩水溶液とリン酸八カルシウムを含む基材を接触させて、前記リン酸八カルシウムに前記生体機能分子を吸着させる工程と、
前記生体機能分子を吸着させた前記リン酸八カルシウムを含む基材を凍結乾燥する工程と、を有する骨再生材料の製造方法。
【請求項5】
リン酸八カルシウムに対して飽和または過飽和な緩衝液に、生体機能分子を溶解して、生体機能分子含有緩衝液を調製する工程と、
前記生体機能分子含有緩衝液にリン酸八カルシウムを含む基材を浸漬して、前記リン酸八カルシウムに前記生体機能分子を吸着させる工程と、
前記生体機能分子を吸着させた前記リン酸八カルシウムを含む基材を凍結乾燥する工程と、を有する骨再生材料の製造方法。
【請求項6】
リン酸八カルシウムを含む基材を含有するスラリーを収容する反応槽と、
前記反応槽内の前記スラリーに酸または塩基を供給する酸/塩基供給部と、
前記反応槽内の前記スラリーにカルシウムイオンを供給するカルシウムイオン供給部と、
前記反応槽内の前記スラリーに無機リン酸イオンを供給する無機リン酸イオン供給部と、
前記反応槽内の前記スラリーに生体機能分子を供給する生体機能分子供給部と、
前記反応槽内にて前記基材に前記生体機能分子が吸着した後、前記スラリーの上澄液に残存した前記生体機能分子を回収し、濃縮して、前記反応槽に再び供給する生体機能分子濃縮部と、
前記反応槽内の前記スラリーのpHを測定するpH電極と、
前記反応槽内の前記スラリーのカルシウムイオンの濃度を測定するカルシウムイオン電極と、
前記pH電極によって測定された前記反応槽内の前記スラリーのpH、および、前記カルシウムイオン電極によって測定された前記反応槽内の前記スラリーのカルシウムイオンの濃度に基づいて、前記スラリーについて、リン酸八カルシウムに対する過飽和度を算出し、前記過飽和度に基づいて、前記反応槽内の前記スラリーの過飽和度が設定値となるように、前記酸/塩基供給部、前記カルシウムイオン供給部および前記無機リン酸イオン供給部に対して、前記反応槽内の前記スラリーに、酸または塩基、カルシウムイオンおよび無機リン酸イオンを供給する指示を出す制御部と、を備える、骨再生材料製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、骨再生材料、骨再生材料の製造方法、および骨再生材料製造装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、過飽和条件下で、リン酸八カルシウムの種結晶上に、新規のリン酸八カルシウムの析出を促進することにより、リン酸八カルシウムに対するタンパク質の吸着量を増大させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-16724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、リン酸八カルシウムに対するタンパク質の吸着量を制御することができず、用途に応じて、タンパク質の吸着量を調整することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リン酸八カルシウムに対するタンパク質の吸着量を制御した骨再生材料、骨再生材料の製造方法、および骨再生材料製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]リン酸八カルシウムを含む基材と、前記リン酸八カルシウムに吸着した生体機能分子と、を含む複合体からなる、骨再生材料。
[2]前記生体機能分子は、成長因子、血清由来タンパク質、抗菌性分子および抗菌性化合物から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の骨再生材料。
[3]前記基材は、乳酸-グリコール酸共重合体を含む、[1]または[2]に記載の骨再生材料。
[4]リン酸緩衝生理食塩水に生体機能分子を溶解して、リン酸緩衝生理食塩水溶液を調製する工程と、
前記リン酸緩衝生理食塩水溶液とリン酸八カルシウムを含む基材を接触させて、前記リン酸八カルシウムに前記生体機能分子を吸着させる工程と、
前記生体機能分子を吸着させた前記リン酸八カルシウムを含む基材を凍結乾燥する工程と、を有する骨再生材料の製造方法。
[5]リン酸八カルシウムに対して飽和または過飽和な緩衝液に、生体機能分子を溶解して、生体機能分子含有緩衝液を調製する工程と、
前記生体機能分子含有緩衝液にリン酸八カルシウムを含む基材を浸漬して、前記リン酸八カルシウムに前記生体機能分子を吸着させる工程と、
前記生体機能分子を吸着させた前記リン酸八カルシウムを含む基材を凍結乾燥する工程と、を有する骨再生材料の製造方法。
[6]リン酸八カルシウムを含む基材を含有するスラリーを収容する反応槽と、
前記反応槽内の前記スラリーに酸または塩基を供給する酸/塩基供給部と、
前記反応槽内の前記スラリーにカルシウムイオンを供給するカルシウムイオン供給部と、
前記反応槽内の前記スラリーに無機リン酸イオンを供給する無機リン酸イオン供給部と、
前記反応槽内の前記スラリーに生体機能分子を供給する生体機能分子供給部と、
前記反応槽内にて前記基材に前記生体機能分子が吸着した後、前記スラリーの上澄液に残存した前記生体機能分子を回収し、濃縮して、前記反応槽に再び供給する生体機能分子濃縮部と、
前記反応槽内の前記スラリーのpHを測定するpH電極と、
前記反応槽内の前記スラリーのカルシウムイオンの濃度を測定するカルシウムイオン電極と、
前記pH電極によって測定された前記反応槽内の前記スラリーのpH、および、前記カルシウムイオン電極によって測定された前記反応槽内の前記スラリーのカルシウムイオンの濃度に基づいて、前記スラリーについて、リン酸八カルシウムに対する過飽和度を算出し、前記過飽和度に基づいて、前記反応槽内の前記スラリーの過飽和度が設定値となるように、前記酸/塩基供給部、前記カルシウムイオン供給部および前記無機リン酸イオン供給部に対して、前記反応槽内の前記スラリーに、酸または塩基、カルシウムイオンおよび無機リン酸イオンを供給する指示を出す制御部と、を備える、骨再生材料製造装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、リン酸八カルシウムに対するタンパク質の吸着量を制御した骨再生材料、骨再生材料の製造方法、および骨再生材料製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態に係る骨再生材料製造装置を示す模式図である。
OCPに対して過飽和な緩衝液中での、OCPを含む基材に対する生体機能分子の吸着の促進メカニズムを説明する図である。
OCPに対して過飽和な緩衝液中での、OCPを含む基材に対する生体機能分子の吸着の促進メカニズムを説明する図である。
実施例1において、欠損面積に対する新生骨面積の割合を示す図である。
実施例1において、欠損面積に対する残存OCP顆粒面積の割合を示す図である。
実施例2において、培養開始から14日目または21日目の細胞のDNA濃度を示す図である。
実施例2において、培養開始から14日目または21日目のALP活性を示す図である。
実施例4において、OCPに対して飽和な緩衝液またはOCPに対して過飽和な緩衝液におけるシトクロムcの初期濃度と、OCPに対するシトクロムcの吸着量との関係を示す図である。
実施例4において、シトクロムcを吸着したOCPの結晶構造をX線回折により分析した結果を示す図である。
実施例5において、シトクロムcを吸着する前のOCP顆粒の透過型電子顕微鏡像である。
実施例5において、シトクロムc含有緩衝液Eを用いてシトクロムcを吸着させたOCP顆粒の透過型電子顕微鏡像である。
実施例5において、シトクロムc含有緩衝液Fを用いシトクロムcを吸着させたOCP顆粒の透過型電子顕微鏡像である。
実施例6において、fetuin含有0.5Ca0.5Pi緩衝液およびfetuin含有3.0Ca1.0Pi緩衝液中のOCPへのfetuinの吸着等温線を示す図である。
実施例6において、OCP浸漬前後の0.5Ca0.5Pi緩衝液中および3.0Ca1.0Pi緩衝液中のfetuinのCDスペクトルの測定結果を示す図である。
実施例6において、0.5Ca0.5Pi緩衝液中および3.0Ca1.0Pi緩衝液中のfetuinの二次構造要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の骨再生材料、骨再生材料の製造方法、および骨再生材料製造装置の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0010】
[骨再生材料]
本発明の一実施形態に係る骨再生材料は、リン酸八カルシウムを含む基材と、リン酸八カルシウムに吸着した生体機能分子と、を含む複合体からなる。
(【0011】以降は省略されています)

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