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公開番号
2025105108
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023223416
出願日
2023-12-28
発明の名称
周波数選択透過性誘電体フィルタ
出願人
国立大学法人東北大学
代理人
弁理士法人クオリオ
,
個人
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個人
,
個人
,
個人
主分類
H01Q
15/14 20060101AFI20250703BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】所望の特定周波数の電磁波に対して優れた選択透過性を実現する周波数選択透過性フィルタを提供する。
【解決手段】周波数選択透過性誘電体フィルタ10は、第一誘電体層11と、第一誘電体層11の両面に配された積層体12とを有し、積層体12が、第二誘電体層12aとサブ波長格子層12bとを重ね合わせてなる積層単位を、該積層単位のサブ波長格子層12bを第一誘電体層側11にしてN層(ただし、Nは自然数)に積層してなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第一誘電体層と、第一誘電体層の両面に配された積層体とを有し、
前記積層体が、第二誘電体層とサブ波長格子層とを重ね合わせてなる積層単位を、該積層単位のサブ波長格子層を第一誘電体層側にしてN層(ただし、Nは自然数)に積層してなる構造である、
周波数選択透過性誘電体フィルタ。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記第一誘電体層の厚さが0.1~14.0mmである、請求項1に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
【請求項3】
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層が、同一材料で構成される、請求項2に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
【請求項4】
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層の厚さ、又は前記サブ波長格子層のピッチが、前記周波数選択透過性誘電体フィルタの一端から他端に向けて連続的に変化している、請求項3に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
【請求項5】
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層の厚さ、又は前記サブ波長格子層のピッチが、前記周波数選択透過性誘電体フィルタの一端から他端に向けて段階的に変化している、請求項3に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタを複数配置してなる、周波数選択透過性誘電体フィルタアレイ。
【請求項7】
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層を3Dセラミックスプリンタで形成することにより、請求項1~5のいずれか1項に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタを製造することを含む、周波数選択透過性誘電体フィルタの製造方法。
【請求項8】
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層を同一材料で形成する、請求項7に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数選択透過性誘電体フィルタに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
5G通信技術(28GHz)や車載用ミリ波レーダー(18~110GHz)では、電磁波として特定周波数のミリ波が用いられており、このような特定周波数のミリ波を使用する上でノイズ等の除去は必要不可欠である。ノイズ等を除去して特定周波数のミリ波のみを透過するフィルタ、すなわち不要な電磁波を反射ないし吸収するためのフィルタとして、周波数選択性表面(Frequency Selective Surfaces:FSS)を用いたフィルタ等の技術が知られている。
例えば5G通信技術は、LTEやWi-Fiなどの既存の無線通信技術と併用して用いられることが一般的であり、これら既存の無線通信により発生するノイズが5G通信回路に結合して通信障害の原因ともなり得る。そのため、例えば5G通信技術用のFSSの一例では、金属材料で構成されるメタサーフェスを用いて特定周波数(例えばWi-Fi信号の2.4GHz及び5.3GHz帯域)の電磁波を遮断するように設計されている(非特許文献1)。また、例えば車載用ミリ波レーダーは、従来その目的に応じて異なる帯域の電磁波(例えば、前方監視用には77GHz、周辺監視用には24GHz)が併用されてきたことから、所望の電磁波のみを特異的に透過するフィルタが必要であった。そのため、例えば車載用ミリ波レーダー用のFSSの一例では、金属材料に波長以下の微細形状を周期的に形成することにより、一方の周波数(例えば24GHz)の電磁波を反射し、もう一方の周波数(例えば77GHz)の電磁波を選択的に透過できるように(又はその逆となるように)設計されている(非特許文献2)。
このようなFSSはアンテナ・電波工学・ミリ波用メタサーフェスの知見をベースに設計されており、上記の通り金属パターンで構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
M.R.Chaharmir et.al., “Design of Dual-Band Frequency Selective Surfaces to Block Wi-Fi Using Printable Electronics Technology”, 17th International Symposium on Antenna Technology and Applied Electromagnetics(ANTEM), 2016
B.Schoenlinner et.al., “Compact Multibeam Dual-Frequency (24 and 77 GHz) Imaging Antenna for Automotive Radars”, 33RD EUROPEAN MICROWAVE CONFERENCE, VOLS 1-3, CONFERENCE PROCEEDINGS, Page785-788, 2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような5G通信技術に用いられるFSSは、GHz帯の周波数(2.4GHz及び5.3GHz帯域)の電磁波を選択的に反射(遮断)する、いわゆる帯域阻止フィルタである。
また、上記のような車載用ミリ波レーダー向けのFSSは、周波数通過帯域(バンド幅)が広く、周波数選択性の制御には制約がある。
【0005】
本発明は、所望の特定周波数の電磁波に対して優れた選択透過性を実現することができる新たな周波数選択透過性フィルタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、誘電体材料を用いて、高屈折率を有する第一の誘電体層を欠陥層とし、その上下に第二の誘電体層とサブ波長格子層との積層構造を所望の段数(1段以上)に積層した構造を基本構造とし、第一の誘電体層や第二の誘電体層の厚さ、サブ波長格子層のピッチないし厚さ等を制御することにより、所望の特定周波数の電磁波を選択的に高効率に透過する周波数選択透過性フィルタが実現できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明の上記課題は、以下の手段によって解決された。
〔1〕
第一誘電体層と、第一誘電体層の両面に配された積層体とを有し、前記積層体が、第二誘電体層とサブ波長格子層とを重ね合わせてなる積層単位を、該積層単位のサブ波長格子層を第一誘電体層側にしてN層(ただし、Nは自然数)に積層してなる構造である、周波数選択透過性誘電体フィルタ。
〔2〕
前記第一誘電体層の厚さが0.1~14.0mmである、前記〔1〕に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
〔3〕
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層が、同一材料で構成される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
〔4〕
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層の厚さ、又は前記サブ波長格子層のピッチが、前記周波数選択透過性誘電体フィルタの一端から他端に向けて連続的に変化している、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
〔5〕
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層の厚さ、又は前記サブ波長格子層のピッチが、前記周波数選択透過性誘電体フィルタの一端から他端に向けて段階的に変化している、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の周波数選択透過性誘電体フィルタ。
〔6〕
前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の周波数選択透過性誘電体フィルタを複数配置してなる、周波数選択透過性誘電体フィルタアレイ。
〔7〕
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層を3Dセラミックスプリンタで形成することにより前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の周波数選択透過性誘電体フィルタを得ることを含む、周波数選択透過性誘電体フィルタの製造方法。
〔8〕
前記第一誘電体層、前記第二誘電体層、及び前記サブ波長格子層を同一材料で形成する、前記〔7〕に記載の周波数選択透過性誘電体フィルタの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタは、所望の特定周波数の電磁波を選択的に高効率に透過する周波数選択透過性フィルタとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1(A)は、本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタの好ましい一実施形態について、その一例を模式的に示す図である。図1(B)は、サブ波長格子層の構成の一例を模式的に示す図である。
図2は、図1(B)に示すサブ波長格子層の一例について、xy軸平面に平行な端面図を模式的に示す図である。
図3は、本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタの別の好ましい実施形態について、その一例を模式的に示す縦断面図である。
図4は、本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタの別の実施形態の一例を模式的に示す縦断面図である。
図5は、本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタのさらに別の実施形態の一例を模式的に示す上面図である。
図6は、図5に示す本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタの縦端面図を模式的に示す図である。
図7は、本発明の周波数選択透過性誘電体フィルタを複数配置してなるアレイの一例を模式的に示す上面図である。
図8は、実験例1の周波数選択透過性誘電体フィルタの電磁波に対する透過率のシミュレーション結果を示すグラフである。
図9は、実験例2の周波数選択透過性誘電体フィルタの電磁波に対する透過率のシミュレーション結果を示すグラフである。
図10は、実験例3の周波数選択透過性誘電体フィルタの電磁波に対する透過率のシミュレーション結果を示すグラフである。
図11は、実験例4の周波数選択透過性誘電体フィルタの電磁波に対する透過率のシミュレーション結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明は、本発明が規定すること以外は、下記の実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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