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公開番号2025089912
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204885
出願日2023-12-04
発明の名称銅合金板
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 9/00 20060101AFI20250609BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】強度および導電性に優れるとともに、導電性に異方性を有し、特定の方向に電流を流す用途の電気・電子機器用部品の素材として特に適した銅合金板を提供する。
【解決手段】Crを0.05質量%以上1.0質量%以下の範囲、Zrを0.01質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有し、TD面を観察した際に、圧延方向の最大結晶長さGrと板厚方向の最大結晶長さGnの比Gr/Gnが5以上であり、圧延方向の導電率IGWと板幅方向の導電率IBWがともに70%IACS以上であるとともに、圧延方向の導電率IGWと板幅方向の導電率IBWの差IGW-IBWが0.1%IACSを超えており、圧延方向での引張強度が500MPa以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Crを0.05質量%以上1.0質量%以下の範囲、Zrを0.01質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有し、
TD面を観察した際に、圧延方向の最大結晶長さGrと板厚方向の最大結晶長さGnの比Gr/Gnが5以上であり、
圧延方向の導電率I
GW
と板幅方向の導電率I
BW
がともに70%IACS以上であるとともに、圧延方向の導電率I
GW
と板幅方向の導電率I
BW
の差I
GW
-I
BW
が0.1%IACS超えであり、
圧延方向での引張強度が500MPa以上であることを特徴とする銅合金板。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
TD面を観察した際に、圧延方向の最大結晶長さGrが8μm以上、板厚方向の最大結晶長さGnが4μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の銅合金板。
【請求項3】
ビッカース硬さが180HV以上であるとともに、1時間保持の熱処理した際に初期のビッカース硬さの80%となる耐熱温度が500℃以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金板。
【請求項4】
Ti,Ag,Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Mg,Si,P,SnおよびBのうちの一種または二種以上の添加元素を含有し、前記添加元素の合計含有量が0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金板。
【請求項5】
Crを含む円相当径50nm以下の析出物、および、Zrを含む円相当径1μm以下の析出物が主に存在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅合金板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、端子、コネクタ、リレー、スイッチ、ソケット、バスバー、リードフレーム、放熱板等の電気・電子機器用部品などの素材として好適な銅合金板に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、端子、コネクタ、リレー、スイッチ、ソケット、バスバー、リードフレーム、放熱板等の電子・電気機器用部品の素材として、導電性に優れ銅合金板が用いられている。
上述の各種用途の素材となる銅合金板としては、従来のCu-Cr系合金やCu-Zr系合金が汎用されている。Cu-Cr系合金やCu-Zr系合金は、銅母相中にCrを含む金属間化合物やZrを含む金属間化合物を析出させることで強度を向上させた析出強化型合金であって、強度、導電性および熱伝導性に優れていることから、様々な用途で広く使用されている。
【0003】
近年、Cu-Cr系合金やCu-Zr系合金の用途拡大や、電気・電子機器の軽量化、薄肉化、小型化などに伴い、Cu-Cr系合金やCu-Zr系合金に対しても、より一層の高強度化、高導電率化、良好な熱伝導性が求められている。
例えば、特許文献1においては、異なる結晶粒径の粒子群の面積比を制御することで、強度などの特性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-298931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電気・電子機器用部品の中でバスバー等の特定方向に電流を流す用途においては、特に長手方向への導電性が要求される。
しかしながら、従来のCu-Cr系合金やCu-Zr系合金においては、導電性の異方性について十分に検討されたものは提案されていなかった。なお、特許文献1においては、機械的性質の異方性の拡大を抑えて強度などの特性の向上を目的としているが、導電率の異方性に関しては着目されていない。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、強度および導電性に優れるとともに、導電性に異方性を有し、特定の方向に電流を流す用途の電気・電子機器用部品の素材として特に適した銅合金板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の態様1の銅合金板は、Crを0.05質量%以上1.0質量%以下の範囲、Zrを0.01質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有し、TD面を観察した際に、圧延方向の最大結晶長さGrと板厚方向の最大結晶長さGnの比Gr/Gnが5以上であり、圧延方向の導電率I
GW
と板幅方向の導電率I
BW
がともに70%IACS以上であるとともに、圧延方向の導電率I
GW
と板幅方向の導電率I
BW
の差I
GW
-I
BW
が0.1%IACSを超えており、圧延方向での引張強度が500MPa以上であることを特徴とする。
【0008】
本発明の態様1の銅合金板によれば、Crを0.05質量%以上1.0質量%以下の範囲、Zrを0.01質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有し、圧延方向の導電率I
GW
と板幅方向の導電率I
BW
がともに70%IACS以上であり、圧延方向での引張強度が500MPa以上であることから、強度および導電率に優れている。よって、通電時の発熱量の低減、部品の小型化および薄肉化を図ることができる。
そして、TD面を観察した際に、圧延方向の最大結晶長さGrと板厚方向の最大結晶長さGnの比Gr/Gnが5以上であり、圧延方向の導電率I
GW
と板幅方向の導電率I
BW
の差I
GW
-I
BW
が0.1%IACSを超えているので、導電性に異方性を有しており、圧延方向の導電率が特に高くなることから、特定の方向に電流を流す用途の電気・電子機器用部品の素材として特に適している。
【0009】
本発明の態様2の銅合金板は、本発明の態様1の銅合金板において、TD面を観察した際に、圧延方向の最大結晶長さGrが8μm以上、板厚方向の最大結晶長さGnが4μm以下であることを特徴としている。
本発明の態様2の銅合金板によれば、圧延方向の最大結晶長さGrが8μm以上、板厚方向の最大結晶長さGnが4μm以下とされていることから、圧延方向に延びた結晶組織となっており、圧延方向の導電率をさらに高くなるように、導電性の異方性をより向上させることができる。
【0010】
本発明の態様3の銅合金板は、本発明の態様1または態様2の銅合金板において、ビッカース硬さが180HV以上であるとともに、1時間保持の熱処理した際に初期のビッカース硬さの80%となる耐熱温度が500℃以上であることを特徴としている。
本発明の態様3の銅合金板によれば、ビッカース硬さが180Hv以上とされ、1時間保持の熱処理した際に初期のビッカース硬さの80%となる耐熱温度が500℃以上とされているので、強度および耐熱性に特に優れている。
(【0011】以降は省略されています)

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