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公開番号2025001917
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101695
出願日2023-06-21
発明の名称銅製錬の操業方法
出願人JX金属株式会社
代理人個人
主分類C22B 15/00 20060101AFI20241226BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 メタリックCu相の生成を抑制することができる、銅製錬の操業方法を提供する。
【解決手段】 銅製錬の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱と、メタリックCuを含む製錬原料とから生成されるマットに前記メタリックCuのメタル相が生成される条件下で、前記製錬原料を溶錬炉に投入し、前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相を分散させた状態のマットを得ることを特徴とする。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
溶錬炉において、銅精鉱と、メタリックCuを含む製錬原料とから生成されるマットに前記メタリックCuのメタル相が生成される条件下で、
前記製錬原料を溶錬炉に投入し、前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相を分散させた状態のマットを得ることを特徴とする銅製錬の操業方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記製錬原料に含まれるメタリックCuの最大粒径を、球相当径として1mm以下にすることを特徴とする請求項1に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項3】
前記マットにおける溶解度を超える量の前記メタリックCuが前記製錬原料に含まれる場合に、前記製錬原料を前記溶錬炉に投入する前に前記メタリックCuに対して微粉砕処理を行い、前記メタル相が前記マット中で溶融して球体になったときの最大粒径を1mm以下にすることを特徴とする請求項1に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項4】
前記マットのサンプリングによって、前記メタリックCuのメタル相が前記マットに確認された場合に、前記メタリックCuに対して微粉砕処理を行ってから前記製錬原料を前記溶錬炉に投入し、前記メタル相が前記マット中で溶融して球体になったときの最大粒径を1mm以下にすることを特徴とする請求項1に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項5】
前記製錬原料を溶錬炉に投入し、前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相の最大粒径を1mm以下に制御する請求項1に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項6】
前記マットの重量を100とした場合に、前記メタリックCuの供給重量は前記マットへの前記メタリックCuの溶解度を超過する分を5以下にすることを特徴とする請求項1に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項7】
前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相を懸濁させた状態の前記マットを得た後に、前記メタル相を懸濁した状態の前記マットを、次の錬銅炉に装入して処理する、請求項1に記載の銅製錬の操業方法。
【請求項8】
前記マットの組成と前記マットに懸濁した前記メタル相の銅量とを分析して、前記錬銅炉の操業条件を決める、請求項7に記載の銅製錬の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、銅製錬の操業方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
銅製錬自溶炉の反応シャフトでは、精鉱バーナから銅精鉱、溶剤などの製錬原料とともに、反応ガスが投入される。銅精鉱が反応ガスによって酸化反応を起こすことで、反応シャフトの底部でマットおよびスラグが生成する(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-363659号公報
特開平11-140554号公報
特公平01-036539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、製錬原料としてリサイクル原料の比率が増加している。しかしながら、リサイクル原料には、メタリックCuが含まれていることがある。リサイクル原料の処理量が増加すると、自溶炉などの溶錬炉へ供給されるメタリックCuの割合が増加してくる。溶錬炉へのメタリックCu供給量が増加し、メタリックCuのマットへの溶解度を超過した場合、炉内にスラグ、マット、およびメタルの3相が共存する。溶錬炉の炉底にメタルが滞留すると、不純物元素のメタル相への濃縮、低融点メタルの炉底レンガ目地への浸透、またレンガ自体への含浸が促進され、炉底部からの湯漏れ等のリスクが増加する。また、メタル量が一定量を超過してマットタップホールレベルに到達した場合、マットホールから突如メタルが排出され、メタル製のマット樋の溶損リスク、また転炉への高不純物メタルが供給されて操業に支障が生じるおそれもある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、溶融炉の炉底にメタリックCu相が生成することを軽減することができる、銅製錬の操業方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る銅製錬の操業方法は、溶錬炉において、銅精鉱と、メタリックCuを含む製錬原料とから生成されるマットに前記メタリックCuのメタル相が生成される条件下で、前記製錬原料を溶錬炉に投入し、前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相を分散させた状態のマットを得ることを特徴とする。前記製錬原料に含まれるメタリックCuの最大粒径を、球相当径として1mm以下にしてもよい。前記マットにおける溶解度を超える量の前記メタリックCuが前記製錬原料に含まれる場合に、前記製錬原料を前記溶錬炉に投入する前に前記メタリックCuに対して微粉砕処理を行い、前記メタル相が前記マット中で溶融して球体になったときの最大粒径を1mm以下にしてもよい。前記マットのサンプリングによって、前記メタリックCuのメタル相が前記マットに確認された場合に、前記メタリックCuに対して微粉砕処理を行ってから前記製錬原料を前記溶錬炉に投入し、前記メタル相が前記マット中で溶融して球体になったときの最大粒径を1mm以下にしてもよい。前記製錬原料を溶錬炉に投入し、前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相の最大粒径を1mm以下に制御してもよい。前記マットの重量を100とした場合に、前記メタリックCuの供給重量は前記マットへの前記メタリックCuの溶解度を超過する分を5以下にしてもよい。前記メタリックCuが溶融することで生成されるメタル相を懸濁させた状態の前記マットを得た後に、前記メタル相を懸濁した状態の前記マットを、次の錬銅炉に装入して処理してもよい。前記マットの組成と前記マットに懸濁した前記メタル相の銅量とを分析して、前記錬銅炉の操業条件を決めてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、溶融炉の炉底にメタリックCu相が生成することを軽減することができる、銅製錬の操業方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る銅製錬用の自溶炉の構成を概略的に示す図である。
精鉱バーナ4の詳細を例示する図である。
マットに対するCuの溶解度を表す状態図である。
実験装置を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る銅製錬用の自溶炉100の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、自溶炉100は、精鉱と反応用ガスとが混合する反応シャフト1、セットラ2、アップテイク3を備える。反応シャフト1の天井部には、精鉱バーナ4が備わっている。精鉱バーナ4は、銅精鉱、溶剤、リサイクル原料等(以下、これらの固体原料を製錬原料と称する)とともに、反応用主送風ガス、反応用補助ガス、及び分散用ガス(反応にも寄与する)を反応シャフト1内に供給する。例えば、反応用主送風ガス及び反応用補助ガスは、酸素富化空気であり、分散用ガスは、空気または酸素富化空気である。
【0010】
図2は、精鉱バーナ4の詳細を例示する図であって、製錬原料、反応用主送風ガス、反応用補助ガス、および分散用ガスを反応シャフト1側へ投入する投入部10を示した説明図である。
(【0011】以降は省略されています)

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