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公開番号
2025067189
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-24
出願番号
2023176954
出願日
2023-10-12
発明の名称
溶接継手
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250417BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】Ni、Moなどの高価な元素の使用を抑制し、合金コストと製造コストを削減しつつ、非熱影響部における硬さ及び靭性、並びに、溶接熱影響部における靭性を改善させた溶接継手を開示する。
【解決手段】本開示の溶接継手は、溶接部と、前記溶接部に接続された母材鋼板とを有する。前記母材鋼板の非熱影響部は、C、Si、Mn、P、S、Cr、Al、N及びBを所定量含有し、残部がFe及び不純物からなり、かつ、所定の式(1)で示されるH
FC
が250以下となる化学組成を有する。前記母材鋼板の非熱影響部の表面から厚さ方向に1mmの位置のL方向断面における硬さは、360HV10以上である。前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均有効結晶粒径は、50μm以下である。前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均鉄炭化物粒径は、10.00μm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
溶接継手であって、
溶接部と、
前記溶接部に接続された母材鋼板と、
を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部は、
質量%で、
C:0.10%以上、0.35%以下、
Si:0.54%以上、3.00%以下、
Mn:0.10%以上、2.00%以下、
P:0.020%以下、
S:0.010%以下、
Cr:2.00%超、7.50%以下、
Al:0.010%以上、0.100%以下、
N:0.0020%以上、0.0100%以下、及び
B:0.0003%以上、0.0030%以下を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、かつ
下記式(1)で示されるH
FC
が250以下となる化学組成を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部の表面から厚さ方向に1mmの位置のL方向断面における硬さが、360HV10以上であり、
前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均有効結晶粒径が、50μm以下であり、かつ
前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均鉄炭化物粒径が、10.00μm以下である、
溶接接手。
H
FC
=200+600×[C]
1/2
+50×[Mn]
1/2
-300×([Si]/[Cr])
1/2
・・・(1)
前記式(1)において、[C]、[Mn]、[Si]及び[Cr]は、各々、前記母材鋼板におけるC、Mn、Si及びCrの含有量(質量%)である。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
溶接継手であって、
溶接部と、
前記溶接部に接続された母材鋼板と、
を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部は、
質量%で、
C:0.10%以上、0.35%以下、
Si:0.54%以上、3.00%以下、
Mn:0.10%以上、2.00%以下、
P:0.020%以下、
S:0.010%以下、
Cr:2.00%超、7.50%以下、
Al:0.010%以上、0.100%以下、
N:0.0020%以上、0.0100%以下、及び
B:0.0003%以上、0.0030%以下を含有し、
下記a群、b群、c群及びd群からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、かつ
下記式(1)で示されるH
FC
が250以下となる化学組成を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部の表面から厚さ方向に1mmの位置のL方向断面における硬さが、360HV10以上であり、
前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均有効結晶粒径が、50μm以下であり、かつ
前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均鉄炭化物粒径が、10.00μm以下である、
溶接接手。
[a群]
V:0.001%以上、0.200%以下、
Mo:0.001%以上、0.200%以下、
W:0.001%以上、0.200%以下、
Ti:0.001%以上、0.100%以下、及び
Nb:0.001%以上、0.100%以下、
なる群から選択される1種又は2種以上
[b群]
Ni:0.001%以上、1.000%以下、及び
Cu:0.001%以上、1.000%以下、
なる群から選択される1種又は2種
[c群]
Ca:0.0001%以上、0.0100%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0100%以下、及び
REM:0.0001%以上、0.1000%以下、
なる群から選択される1種又は2種以上
[d群]
Sn:0.001%以上、0.100%以下、及び
Sb;0.001%以上、0.100%以下、
なる群から選択される1種又は2種
H
FC
=200+600×[C]
1/2
+50×[Mn]
1/2
-300×([Si]/[Cr])
1/2
・・・(1)
前記式(1)において、[C]、[Mn]、[Si]及び[Cr]は、各々、前記母材鋼板におけるC、Mn、Si及びCrの含有量(質量%)である。
【請求項3】
前記a群を含有する、
請求項2に記載の溶接接手。
【請求項4】
前記b群を含有する、
請求項2に記載の溶接接手。
【請求項5】
前記c群を含有する、
請求項2に記載の溶接接手。
【請求項6】
前記d群を含有する、
請求項2に記載の溶接接手。
【請求項7】
前記母材鋼板の非熱影響部の-40℃におけるシャルピー吸収エネルギーの平均値が、27J以上であり、かつ
前記母材鋼板の溶接熱影響部の0℃におけるシャルピー吸収エネルギーの平均値が、27J以上である、
請求項1~6のいずれか1項に記載の溶接接手。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接継手に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
耐摩耗性に優れた鋼板は耐摩耗鋼板と呼ばれ、耐摩耗鋼板は、表層近傍の硬さが要求されるため、焼入れ性を高める元素を含有する。Cr、Ni、Moは、焼入れ性を高める元素である。従来からCr、Ni、Moなどを含有する耐摩耗鋼板が提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。耐摩耗鋼板を溶接する場合、溶接熱影響部(HAZ:Heat Affected Zone)において軟化が生じ、また、鉄炭化物が分散することにより靭性が劣化する。これまでNi、Mоを添加することにより耐摩耗鋼母材の靭性を高める提案はなされているが、溶接熱影響部の靭性を改善させるための提案はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-204575号公報
特開平10-102185号公報
特開昭59-129724号公報
特開昭59-70721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の耐摩耗鋼板は、1.0質量%以上のMoを含有する。特許文献3及び特許文献4の耐摩耗鋼板は、2.0質量%以上のNiを含有する。Ni及びMoは高価な元素であり、合金コストの観点から削減が望まれる。本発明の解決課題は、このような実情に鑑み、Ni、Moなどの高価な元素の使用を抑制し、合金コストと製造コストを削減しつつ、非熱影響部における硬さ及び靭性、並びに、溶接熱影響部における靭性を改善させた溶接継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の要旨は、以下の通りである 。
【0006】
(1)
溶接継手であって、
溶接部と、
前記溶接部に接続された母材鋼板と、
を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部は、
質量%で、
C:0.10%以上、0.35%以下、
Si:0.54%以上、3.00%以下、
Mn:0.10%以上、2.00%以下、
P:0.020%以下、
S:0.010%以下、
Cr:2.00%超、7.50%以下、
Al:0.010%以上、0.100%以下、
N:0.0020%以上、0.0100%以下、及び
B:0.0003%以上、0.0030%以下を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、かつ
下記式(1)で示されるH
FC
が250以下となる化学組成を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部の表面から厚さ方向に1mmの位置のL方向断面における硬さが、360HV10以上であり、
前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均有効結晶粒径が、50μm以下であり、かつ
前記母材鋼板の溶接熱影響部の平均鉄炭化物粒径が、10.00μm以下である、
溶接接手。
H
FC
=200+600×[C]
1/2
+50×[Mn]
1/2
-300×([Si]/[Cr])
1/2
・・・(1)
前記式(1)において、[C]、[Mn]、[Si]及び[Cr]は、各々、前記母材鋼板におけるC、Mn、Si及びCrの含有量(質量%)である。
(2)
溶接継手であって、
溶接部と、
前記溶接部に接続された母材鋼板と、
を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部は、
質量%で、
C:0.10%以上、0.35%以下、
Si:0.54%以上、3.00%以下、
Mn:0.10%以上、2.00%以下、
P:0.020%以下、
S:0.010%以下、
Cr:2.00%超、7.50%以下、
Al:0.010%以上、0.100%以下、
N:0.0020%以上、0.0100%以下、及び
B:0.0003%以上、0.0030%以下を含有し、
下記a群、b群、c群及びd群からなる群から選択される1種又は2種以上を含有し、
残部がFe及び不純物からなり、かつ
下記式(1)で示されるH
FC
が250以下となる化学組成を有し、
前記母材鋼板の非熱影響部の表面から厚さ方向に1mmの位置のL方向断面における硬さが、360HV10以上であり、
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、Ni、Moなどの高価な元素の使用を抑制し、合金コストと製造コストを削減しつつ、溶接熱影響部の靭性が確保された溶接接手が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、母材鋼板と、それを溶接した後の溶接接手との各々について説明する。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよい。「工程」との用語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区分できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。化学成分の含有量における「%」は、特に断らない限り、「質量%」を示す。
【0009】
まず、本発明を完成するに至った本発明者らの検討結果、得られた新たな知見について詳述する。
【0010】
CrはNi及びMoに比べて安価な元素である。鋼板に必要な特性を、Ni及びMoの含有量の抑制及びCr含有量の増加により達成できれば、鋼板の合金コスト削減が可能である。本発明者らの検討の結果、Ni、Moを意図的に含有させない、あるいはNi、Moの含有量をそれぞれ0.5%以下に抑制した場合の省合金型鋼板に必要とされるCr含有量は、2.00%超であるという知見が得られた。
(【0011】以降は省略されています)
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