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公開番号2025072206
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2023182804
出願日2023-10-24
発明の名称軟磁性鋼線およびその製造方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250430BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた冷間鍛造性を有し、かつ冷間鍛造後に磁気焼鈍を行うことで優れた磁気特性を有する軟磁性部品を製造可能な、軟磁性鋼線提供する。
【解決手段】所定の化学成分組成を有し、フェライト相を面積率で95.0%以上含み、フェライト相の結晶粒度番号が7.0以下であり、円相当径が0.1μm以上3μm以下のセメンタイトを含む結晶粒界率が、6.8%以上である、軟磁性鋼線。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
C :0質量%超、0.025質量%以下、
Si:0質量%以上、2.00質量%以下、
Mn:0.10質量%以上、0.50質量%以下、
P :0質量%超、0.050質量%以下、
S :0質量%超、0.050質量%以下、
Cu:0質量%以上、0.30質量%以下、
Ni:0質量%以上、0.30質量%以下、
Cr:0質量%以上、0.30質量%以下、
Mo:0質量%以上、0.30質量%以下、
Al:0質量%以上、0.030質量%以下、
Ti:0質量%以上、0.030質量%以下、
Nb:0質量%以上、0.030質量%以下、
V :0質量%以上、0.030質量%以下、
B :0質量%以上、0.0030質量%以下、
N :0質量%超、0.0100質量%以下を含み、
残部がFe及び不可避的不純物からなり、
フェライト相を面積率で95.0%以上含み、
フェライト相の結晶粒度番号が7.0以下であり、
円相当径が0.1μm以上3μm以下のセメンタイトを含む結晶粒界率が、6.8%以上である、軟磁性鋼線。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
真円度R(mm)及び線径D(mm)が、下記の式(1)を満たす、請求項1に記載の軟磁性鋼線。
R≦0.100-(20-D)/500 (1)
【請求項3】
さらに式(2)を満たす、請求項2に記載の軟磁性鋼線。
R≦(0.100-(20-D)/500)-0.035 (2)
【請求項4】
Cr-Kα線をX線源として用いて測定したX線回折パターンにおいて、フェライト相の(211)面の回折ピークの半価幅が1.75°以下である、請求項1に記載の軟磁性鋼線。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の軟磁性鋼線を製造する方法であって、
請求項1に記載の化学成分組成を有する鋳造材を、950℃~1250℃に加熱し、900℃から1100℃で熱間圧延または熱間鍛伸を行った後、平均冷却速度0.1℃/秒~10℃/秒で500℃まで冷却して、線材または棒鋼を得る工程と、
得られた線材または棒鋼を、伸線減面率5~40%で伸線加工する工程と、
前記伸線加工する工程の後に、150℃以上、500℃以下の熱処理温度で、15分以上、10時間以下保持する熱処理工程と、を含む、軟磁性鋼線の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、軟磁性鋼線およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
軟磁性鋼材は、弱い外部磁界で容易に磁化し、保磁力が小さいという特性を有している。これらの特性を生かして、軟磁性鋼材は、磁気回路を構成する材料として使用されている。軟磁性鋼材は、主に、板材、線材、棒鋼などの形態で提供され、用途に合わせて加工および磁気焼鈍される。
【0003】
例えば、特許文献1には、磁気焼鈍後に安定かつ優れた磁気特性を確保できると共に、冷間鍛造にて寸法精度良く加工できる軟磁性鋼材が開示されている。また、特許文献2には、磁気焼鈍後にバラツキの少ない優れた磁気特性を確保できると共に、製造工程で優れた被削性および冷間鍛造性を発揮し、複雑形状でかつ大型の鋼部品を高歩留まりで製造することのできる軟磁性鋼材が開示されている。
【0004】
軟磁性鋼材の別の用途として、例えば、鉄損の低いACSR(Aluminium Conductor Steel Reinforced)用の軟磁性鋼線が知られている(例えば特許文献3)。ACSR鋼線は、送電線用ケーブルのAl導線を補強するために使用される鋼撚線の素線である。特許文献3に開示されたACSR用の軟磁性鋼線は、C量が約0.1質量%以下の極低炭素鋼の軟磁性鋼線(純鉄系軟磁性鋼線)でありながら、高い強度(例えば、1000MPaを超える引張強度)を達成できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-238970号公報
特開2007-046125号公報
特開平10-110245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
軟磁性鋼材には、自動車等の電装部品(特に電磁部品)の原材料としての用途が存在する。一例では、軟磁性線材または棒鋼を延伸して得られた軟磁性鋼線を、鍛造、切削等で加工して、所望形状の部品(軟磁性部品)に成型する。近年、自動車の小型化・軽量化に伴い部品形状が複雑化する傾向にあり、複雑な形状の部品加工には、冷間鍛造が適している。
【0007】
純鉄系の軟磁性鋼線は、他の鋼(C量の高い炭素鋼等)と比べて非常に軟質であるため冷間鍛造に適しているが、複雑形状の部品製造に供するために、より優れた冷間鍛造性を有する軟磁性鋼線が望まれている。
【0008】
特許文献1~2には、冷間鍛造性を改善した軟磁性鋼材が開示されているものの、より優れた冷間鍛造性、特に、高い加工率(例えば、圧縮率90%)での冷間鍛造において、変形抵抗が小さく、割れが発生しない軟磁性鋼線に対する要求が未だ存在する。
【0009】
特許文献3に開示された軟磁性鋼線は、冷間鍛造で加工することを想定していないため、冷間鍛造性について考慮されていない。なお、特許文献3の軟磁性鋼線は高い強度を有するため、高加工率における変形抵抗が高いと予想され、冷間鍛造性が低いと考えられる。
【0010】
そこで、本発明の一実施形態では、純鉄系の軟磁性鋼線であって、優れた冷間鍛造性(特に、高加工率での冷間鍛造でも、変形抵抗が低く、かつ割れが生じない)を有し、かつ冷間鍛造後に磁気焼鈍を行うことで優れた磁気特性を有する軟磁性部品を製造可能な、軟磁性鋼線を提供することを目的とする。本発明の別の実施形態では、そのような軟磁性鋼線の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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