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公開番号
2025031089
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023137070
出願日
2023-08-25
発明の名称
転動部材
出願人
NTN株式会社
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250228BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】圧痕起点型剥離、水素脆性型剥離、疲労破壊、クリープ摩耗のすべての損傷を抑制可能な転動部材を提供する。
【解決手段】転動部材(10,20,30)は、表層部(50)の第1領域では圧縮残留応力が80MPa以上である。第2領域では、比較面積率が30%におけるマルテンサイトブロック粒の平均粒径が3.0μm以下であり、第1析出物と第2析出物との少なくともいずれかが分散している。第2領域における組織はすべてセメンタイト以外である。第3領域では、残留オーステナイト量が第3領域の40%未満である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
表面を有する鋼製の転動部材であって、
前記表面に表層部を備え、
前記鋼は、0.80質量%以上1.10質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.50質量%以下のシリコンと、0.30質量%以上0.70質量%以下のマンガンと、1.30質量%以上1.60質量%以下のクロムと、0.50質量%以下のモリブデンと、0.50質量%以下のバナジウムとを含み、残部が鉄及び不可避不純物からなり、
前記表層部には、鉄の窒素の固溶体が含まれており、
前記表面からの深さが5μm以下となる前記表層部の第1領域では、圧縮残留応力が80MPa以上になっており、
前記表面からの深さが100μm以下となる前記表層部の第2領域では、比較面積率が30%におけるマルテンサイトブロック粒の平均粒径が3.0μm以下であり、
前記第2領域では、析出物として、クロムおよびバナジウムのいずれかを主成分とする第1析出物と、マンガンおよびシリコンのいずれかを主成分とする第2析出物との少なくともいずれかが分散しており、
前記第2領域における組織はすべてセメンタイト以外の組織であり、
前記表面からの深さが200μm以下となる前記表層部の第3領域では、残留オーステナイト量が前記第3領域の40%未満である、転動部材。
続きを表示(約 320 文字)
【請求項2】
前記第2領域では、マルテンサイトブロック粒の最大粒径が5.0μm以下である、請求項1に記載の転動部材。
【請求項3】
前記第2領域では、前記析出物の最大粒径が2.0μm以下であり、前記析出物の平均面積率が2.0%以上である、請求項1に記載の転動部材。
【請求項4】
肉厚の最大値が10mm以上であり、挿入可能な軸部材の延在方向に直交する円形の直径が20mm以上である内輪としての、請求項1または2に記載の転動部材。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の前記転動部材を備える、転動部品。
【請求項6】
請求項4に記載の前記転動部材を備える、転動部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転動部材に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、自動車には、電動化のニーズがある。電動化にはバッテリーが必要である。このため自動車を電動化すると、車内の有効スペースが狭まり、車体の重量が増加する。車内の有効スペースを広くし、車体を軽くするために、自動車に使用するコンプレッサ、モータなどの機械の小型化及び軽量化が求められる。
【0003】
また軸受、歯車、シャフトなどの転動部品にも小型化および軽量化が求められる。そのためには転動部品に与えられる荷重、回転数などの負荷を大きくする必要がある。しかし負荷の増大は転動部品の寿命低下を招くため、従来よりも高性能な転動部品とする必要がある。たとえば、転動部品は、高荷重、高温、急加減速、高振動のような厳しい使用条件に耐え得る性能が必要である。このような厳しい使用条件下では、転動部品には、圧痕起点型剥離、水素脆性型剥離、クリープ摩耗のような損傷が起こりやすくなる。さらに、歯車およびシャフトは、上記の各損傷に加えて、疲労破壊を生じることがある。歯車およびシャフトの疲労破壊による破片が潤滑油に混入すると、二次的に転動部品の圧痕起点型剥離を誘発し、損傷がいっそう拡大することがある。このため、転動部品は、これらの各損傷に対する耐性が高いことが求められる。
【0004】
従来の転動部品の高強度化の技術としては、特開2009-7614号公報(特許文献1)、特許第6735589号公報(特許文献2)及び特許第6356881号公報(特許文献3)に記載の技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-7614号公報
特許第6735589号公報
特許第6356881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、特許文献2、特許文献3のいずれの技術も、表面処理によりその表層強度を高める技術である。しかし特許文献1、特許文献2、特許文献3のいずれの技術も、圧痕起点型剥離、水素脆性型剥離、疲労破壊、クリープ摩耗のすべての損傷に対応できるものではない。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、圧痕起点型剥離、水素脆性型剥離、疲労破壊、クリープ摩耗のすべての損傷を抑制可能な転動部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の転動部材は、表面を有する鋼製の転動部材である。転動部材は、表面に表層部を備える。鋼は、0.80質量%以上1.10質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.50質量%以下のシリコンと、0.30質量%以上0.70質量%以下のマンガンと、1.30質量%以上1.60質量%以下のクロムと、0.50質量%以下のモリブデンと、0.50質量%以下のバナジウムとを含み、残部が鉄及び不可避不純物からなる。表層部には、鉄の窒素の固溶体が含まれている。表面からの深さが5μm以下となる表層部の第1領域では、圧縮残留応力が80MPa以上になっている。表面からの深さが100μm以下となる表層部の第2領域では、比較面積率が30%におけるマルテンサイトブロック粒の平均粒径が3.0μm以下である。第2領域では、析出物として、クロムおよびバナジウムのいずれかを主成分とする第1析出物と、マンガンおよびシリコンのいずれかを主成分とする第2析出物との少なくともいずれかが分散している。第2領域における組織はすべてセメンタイト以外の組織である。表面からの深さが200μm以下となる表層部の第3領域では、残留オーステナイト量が第3領域の40%未満である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の転動部材によれば、圧痕起点型剥離、水素脆性型剥離、疲労破壊、クリープ摩耗のすべての損傷を抑制可能な転動部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
転がり軸受100の断面図である。
転動部材を構成する鋼の軌道面からの距離と、炭素および窒素の濃度との関係を示すグラフである。
転がり軸受100の製造工程図である。
試験片70の側面図である。
ボールねじ200の断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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