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公開番号
2025095883
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2023212263
出願日
2023-12-15
発明の名称
転動部材および転がり軸受
出願人
NTN株式会社
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250619BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】水素利用機器において長寿命な転動部品および、それを備える転がり軸受を提供する。
【解決手段】水素利用機器用の転動部材は、表面を有し、鋼製である。転動部材は、表面に表層部を備える。鋼は、炭素と、シリコンと、マンガンと、クロムと、モリブデンと、バナジウムとを含み、残部が鉄及び不可避不純物からなる。表層部には、鉄の窒素の固溶体が含まれている。表面からの深さが100μm以下となる表層部の第2領域では、残留オーステナイト量の体積率が20%未満である。第1領域では、析出物として、第1析出物と、第2析出物との少なくともいずれかが分散している。第1領域において、第1析出物と第2析出物とが、第1領域のうち面積率が2.0%以上の領域を占有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
表面を有する鋼製の転動部材であって、
前記転動部材は、
前記表面に表層部を備え、
前記鋼は、0.80質量%以上1.10質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.50質量%以下のシリコンと、0.30質量%以上0.70質量%以下のマンガンと、1.30質量%以上1.60質量%以下のクロムと、0.10質量%以上0.50質量%以下のモリブデンと、0.12質量%以上0.50質量%以下のバナジウムとを含み、残部が鉄及び不可避不純物からなり、
前記表層部には、鉄の窒素の固溶体が含まれており、
前記表面からの深さが5μm以下となる前記表層部の第1領域における組織はセメンタイト以外の組織であり、
前記表面からの深さが100μm以下となる前記表層部の第2領域では、残留オーステナイト量の体積率が20%未満であり、
前記第1領域では、析出物として、クロムおよびバナジウムの少なくともいずれかを主成分とする第1析出物と、マンガンおよびシリコンの少なくともいずれかを主成分とする第2析出物との少なくともいずれかが分散しており、
前記第1領域において、前記第1析出物と前記第2析出物とが、前記第1領域のうち面積率が2.0%以上の領域を占有している、転動部材。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記第1領域では、マルテンサイトブロック粒の最大粒径が5.0μm以下である、請求項1に記載の転動部材。
【請求項3】
前記第1領域では、前記第1析出物と前記第2析出物との少なくともいずれかの最大粒径が2.0μm以下である、請求項1または2に記載の転動部材。
【請求項4】
前記第1領域に含まれる窒素の濃度は0.3質量%以上である、請求項1または2に記載の転動部材。
【請求項5】
前記第1領域の圧縮残留応力は80MPa以上である、請求項1または2に記載の転動部材。
【請求項6】
前記転動部材は水素利用機器に使用される、請求項1または2に記載の転動部材。
【請求項7】
転がり軸受であって、
軌道部材と、
前記軌道部材に接触して配置される転動体とを備え、
前記転がり軸受は、水素利用機器用であり、
前記軌道部材及び前記転動体の少なくともいずれかは、請求項1または2に記載の前記転動部材である、転がり軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転動部材および転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の省エネルギー化により、動力源としての水素ガスの利用が進められ、燃料電池車および水素ガスエンジンなどの開発が推進されている。これらの水素利用機器では、燃料として使用する水素ガスや化学反応により生成した水が配管などの隙間から漏れ出ることがある。その漏れ出た水素や水が、機器に含まれる転動部品に付着し、水素侵入により転動部材の水素脆化を引き起こさせ、機器の寿命を縮める場合がある。したがって、転動部品の水素脆性に起因する損傷を抑制する観点から、転動部材の高強度化が必要である。
【0003】
従来、転動部品を高強度化するための技術として、たとえば以下の各特許文献に記載の技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-7614号公報
特許第6735589号公報
特許第6356881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の各文献には、水素脆性に起因する剥離を抑制する技術が開示される。しかし上記の各文献の開示技術では、水素利用機器に用いられた場合での長寿命化は困難である。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである。その目的は、水素利用機器において長寿命な転動部品および、それを備える転がり軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従った転動部材は、表面を有する鋼製の転動部材である。転動部材は、水素利用機器用である。転動部材は、表面に表層部を備える。鋼は、0.80質量%以上1.10質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.50質量%以下のシリコンと、0.30質量%以上0.70質量%以下のマンガンと、1.30質量%以上1.60質量%以下のクロムと、0.10質量%以上0.50質量%以下のモリブデンと、0.12質量%以上0.50質量%以下のバナジウムとを含み、残部が鉄及び不可避不純物からなる。表層部には、鉄の窒素の固溶体が含まれている。表面からの深さが5μm以下となる表層部の第1領域における組織はセメンタイト以外の組織で構成されている。表面からの深さが100μm以下となる表層部の第2領域では、残留オーステナイト量の体積率が20%未満である。第1領域では、析出物として、クロムおよびバナジウムの少なくともいずれかを主成分とする第1析出物と、マンガンおよびシリコンの少なくともいずれかを主成分とする第2析出物との少なくともいずれかが分散している。第1領域において、第1析出物と第2析出物とを合わせた面積の合計は、第1領域の面積のうちの2.0%以上となっている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、水素利用機器において長寿命な転動部品および、それを備える転がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
転がり軸受100の断面図である。
転動部材を構成する鋼の軌道面からの距離と、炭素および窒素の濃度との関係を示すグラフである。
転がり軸受100の製造工程図である。
ボール弁200の拡大断面図である。
水素循環ポンプ300の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。
(【0011】以降は省略されています)
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