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公開番号2025087270
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201807
出願日2023-11-29
発明の名称シール付転がり軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16C 33/78 20060101AFI20250603BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】高速回転時に軸受内部の潤滑油が不足しにくく、しかも、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を小さく抑えることが可能なシール付転がり軸受を提供する。
【解決手段】一対のシール部材7,8のうち一方は、外輪2の内周に固定された外輪固定シール部材7であり、他方は、内輪3の外周に固定された内輪固定シール部材8であり、外輪固定シール部材7の内周と内輪3の外周との間に、軸受外部から供給される潤滑油を軸受空間4に導入する給油隙間23が形成され、内輪固定シール部材8の外周と外輪2の内周との間に、軸受空間4から潤滑油を排出する排油隙間29が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外輪(2)と、
前記外輪(2)の径方向内側に配置される内輪(3)と、
前記外輪(2)と前記内輪(3)の間に形成される環状の軸受空間(4)に組み込まれた複数の転動体(5)と、
前記軸受空間(4)の軸方向の一方の端部開口と軸方向の他方の端部開口とをそれぞれ覆う一対のシール部材(7,8)とを有するシール付転がり軸受において、
前記一対のシール部材(7,8)のうち一方は、前記外輪(2)の内周に固定された外輪固定シール部材(7)であり、他方は、前記内輪(3)の外周に固定された内輪固定シール部材(8)であり、
前記外輪固定シール部材(7)の内周と前記内輪(3)の外周との間に、軸受外部から供給される潤滑油を前記軸受空間(4)に導入する給油隙間(23)が形成され、
前記内輪固定シール部材(8)の外周と前記外輪(2)の内周との間に、前記軸受空間(4)から潤滑油を排出する排油隙間(29)が形成されていることを特徴とするシール付転がり軸受。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記外輪固定シール部材(7)は、前記内輪(3)の外周に油膜を介して摺接する複数の凸部(24)が周方向に間隔をおいて設けられたゴム製のシールリップ(21)を有し、
前記給油隙間(23)は、周方向に隣り合う前記凸部(24)の間に形成される隙間である請求項1に記載のシール付転がり軸受。
【請求項3】
前記内輪(3)の外周には、前記シールリップ(21)が摺接する部位から軸方向に延びて前記内輪(3)の軸方向端面(22)に接続する円筒状のシール摺接面(15)が形成されている請求項2に記載のシール付転がり軸受。
【請求項4】
前記内輪(3)の外周には、前記内輪固定シール部材(8)の径方向内端が嵌合して固定される円筒状のシール固定面(16)が形成され、
前記シール固定面(16)と前記シール摺接面(15)とを同一外径の対称形状とすることで、前記内輪(3)の形状を軸直角平面に対して対称とした請求項3に記載のシール付転がり軸受。
【請求項5】
前記内輪固定シール部材(8)として、前記外輪(2)の内周とは非接触の金属製のシールド板を用いた請求項1から4のいずれかに記載のシール付転がり軸受。
【請求項6】
前記内輪固定シール部材(8)は、前記内輪(3)の外周に嵌合する嵌合筒部(26)と、前記嵌合筒部(26)から径方向外方に立ち上がる環状板部(27)と、前記環状板部(27)の径方向外端で軸方向内側に曲げて形成された縁曲げ部(28)とを有する請求項1から4のいずれかに記載のシール付転がり軸受。
【請求項7】
前記外輪(2)の内周には、前記内輪固定シール部材(8)に対応する位置を周方向に延びる円周溝(12)が形成され、
前記内輪固定シール部材(8)の前記縁曲げ部(28)の少なくとも一部が、前記円周溝(12)に収容されている請求項6に記載のシール付転がり軸受。
【請求項8】
前記外輪(2)の内周には、前記外輪固定シール部材(7)の径方向外端が嵌合して固定されるシール固定溝(11)が形成され、
前記シール固定溝(11)の断面形状と前記円周溝(12)の断面形状とを対称とすることで、前記外輪(2)の形状を軸直角平面に対して対称とした請求項7に記載のシール付転がり軸受。
【請求項9】
前記軸受空間(4)にグリースが封入されている請求項1から4のいずれかに記載のシール付転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、シール付転がり軸受に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
自動車や産業機械などの回転軸を支持する軸受として、シール付転がり軸受が多く用いられる(例えば、特許文献1,2)。特許文献1,2のシール付転がり軸受は、外輪と、外輪の径方向内側に配置される内輪と、外輪と内輪の間に形成される環状の軸受空間に組み込まれた複数の転動体と、軸受空間の軸方向の一方の端部開口と軸方向の他方の端部開口とをそれぞれ覆う一対のシール部材とを有する。
【0003】
特許文献1のシール付転がり軸受においては、一対のシール部材が、いずれも外輪の内周に固定された外輪固定シール部材であり、その外輪固定シール部材の内周と内輪の外周との間にラビリンス隙間が形成された構成を採用している。このシール付転がり軸受は、軸受外部から供給される潤滑油を、外輪固定シール部材の内周と内輪の外周との間のラビリンス隙間から軸受空間に導入することで、軸受内部を潤滑する。
【0004】
一方、特許文献2のシール付転がり軸受においては、一対のシール部材が、いずれも内輪の外周に固定された内輪固定シール部材であり、その内輪固定シール部材の外周と外輪の内周との間に径方向隙間が形成された構成を採用している。このシール付転がり軸受は、一対のシール部材が、内輪と一体に回転する内輪固定シール部材なので、軸受内部の潤滑油が遠心力によって径方向外側に移動し、内輪固定シール部材の外周と外輪の内周との間の径方向隙間から軸受外部に排出される。そのため、軸受内部に潤滑油が滞留しにくく、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を小さく抑えることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-060957号公報
DE102020112044A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、EV(バッテリー式電気自動車)やHEV(ハイブリッド電気自動車)等の電気自動車の分野では、電動モータの小型軽量化を図るために、電動モータの高速回転化が進められている。
【0007】
このような高速回転の用途に、特許文献1のシール付転がり軸受を使用した場合、外輪固定シール部材の内周と内輪の外周との間のラビリンス隙間から導入された潤滑油が軸受内部に滞留しやすく、軸受内部に滞留した潤滑油の撹拌抵抗によって、軸受の回転抵抗が大きくなるという問題がある。
【0008】
そこで、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を小さくするため、特許文献2のシール付転がり軸受を使用することが考えられるが、高速回転の用途に、特許文献2のシール付転がり軸受を使用した場合、軸受内部の潤滑油が、遠心力によって内輪固定シール部材の外周と外輪の内周との間の径方向隙間から軸受外部に排出されることで、軸受内部の潤滑油が不足し、異常発熱、ピーリング損傷、焼き付き等が生じるおそれがある。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、高速回転時に軸受内部の潤滑油が不足しにくく、しかも、軸受内部における潤滑油の撹拌抵抗を小さく抑えることが可能なシール付転がり軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明では、以下の構成のシール付転がり軸受を提供する。
[構成1]
外輪と、
前記外輪の径方向内側に配置される内輪と、
前記外輪と前記内輪の間に形成される環状の軸受空間に組み込まれた複数の転動体と、
前記軸受空間の軸方向の一方の端部開口と軸方向の他方の端部開口とをそれぞれ覆う一対のシール部材とを有するシール付転がり軸受において、
前記一対のシール部材のうち一方は、前記外輪の内周に固定された外輪固定シール部材であり、他方は前記内輪の外周に固定された内輪固定シール部材であり、
前記内輪固定シール部材の外周と前記外輪の内周との間に、前記軸受空間から潤滑油を排出する排油隙間が形成され、
前記外輪固定シール部材の内周と前記内輪の外周との間に、軸受外部から供給される潤滑油を前記軸受空間に導入する給油隙間が形成されていることを特徴とするシール付転がり軸受。
(【0011】以降は省略されています)

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