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公開番号
2025082765
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-29
出願番号
2023196316
出願日
2023-11-17
発明の名称
硬質膜形成体、機械部品、および軸受
出願人
NTN株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C25D
7/00 20060101AFI20250522BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】耐水素脆性および耐摩耗性を図るとともに、十分な強度が確保された硬質膜形成体、それを用いた機械部品、および軸受を提供する。
【解決手段】硬質膜形成体1は、水素原子の侵入拡散を抑制する硬質膜3を基材2の表面に有し、基材2は、マルテンサイト系ステンレス鋼またはマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼からなり、表面のビッカース硬度が500Hv~1000Hvであり、硬質膜3のビッカース硬度は、基材2のビッカース硬度の0.9倍以上で、かつ、3000Hv以下であり、硬質膜3がNi被膜である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水素原子の侵入拡散を抑制する硬質膜を基材の表面に有する硬質膜形成体であって、
前記基材は、マルテンサイト系ステンレス鋼またはマルテンサイト系析出硬化型ステンレス鋼からなり、表面のビッカース硬度が500Hv~1000Hvであり、
前記硬質膜のビッカース硬度は、前記基材のビッカース硬度の0.9倍以上で、かつ、3000Hv以下であることを特徴とする硬質膜形成体。
続きを表示(約 920 文字)
【請求項2】
前記基材はマルテンサイト系ステンレス鋼であり、窒素を含有するとともに、炭素を0.05質量%以上0.60質量%未満含有することを特徴とする請求項1記載の硬質膜形成体。
【請求項3】
前記基材は、炭素を0.20質量%~0.50質量%、マンガンを0.10質量%~0.50質量%、ニッケルを0.30質量%以下、クロムを14.00質量%~17.00質量%、モリブデンを1.00質量%~2.50質量%、窒素を0.10質量%~0.40質量%含有することを特徴とする請求項2記載の硬質膜形成体。
【請求項4】
水素原子の侵入拡散を抑制する前記硬質膜がNi被膜であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の硬質膜形成体。
【請求項5】
前記Ni被膜が、Niを90質量%以上含有するNi-P-B被膜を含むことを特徴とする請求項4記載の硬質膜形成体。
【請求項6】
前記硬質膜の表面に、ダイヤモンドライクカーボン層が形成され、該ダイヤモンドライクカーボン層の基材側に中間層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の硬質膜形成体。
【請求項7】
前記硬質膜形成体からなる試験片(前記基材の厚さ1mm)を用いた電気化学的水素透過法において、前記試験片がカソード槽およびアノード槽のそれぞれで電解質溶液に接している面積を3.14cm
2
とし、アノード槽側の電流密度を1mA/cm
2
として電気分解を行った場合に、前記試験片のBreakthrough timeの延長時間が、厚さ1mmの前記基材からなる対象片のBreakthrough timeに対して0.4倍以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の硬質膜形成体。
【請求項8】
請求項1または請求項2記載の硬質膜形成体を用いたことを特徴とする機械部品。
【請求項9】
軸受部材であることを特徴とする請求項8記載の機械部品。
【請求項10】
請求項9記載の軸受部材を用いたことを特徴とする軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄基合金基材の表面に硬質膜を有する硬質膜形成体、それを用いた機械部品、および軸受に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、自動車、産業機械などに用いられる機械部品に対して、軽量化や高強度化が要求されている。このような機械部品は、しばしば水素侵入環境下で使用される。例えば、転がり軸受や歯車などの転動部品は、水が潤滑剤に混入する条件下やすべりを伴う条件下で使用されると、水や潤滑剤が分解して水素が発生する。この水素が鋼材中に侵入することで、水素脆性を起因とする早期損傷に繋がるおそれがある。
【0003】
従来、水素脆性対策として、以下のような技術が提案されている。例えば、特許文献1には、表面に、結晶構造を有する厚さが1μm以上のFeS層を有する鉄鋼材料が記載されている。この特許文献1によれば、結晶構造を有するFeS層は、水素の外部からの侵入を阻害するとともに、鋼中に一旦侵入した水素を外部に排出する機能を有するとされている。
【0004】
特許文献2、3には、電解研磨処理されたステンレス鋼表面に、不動態化した皮膜を被覆した耐水素脆性を有するステンレス鋼が記載されている。
【0005】
特許文献4には、シリンダ、ピストンなどのエンジンの各構成部材において、水素ガスに接する部材にステンレス鋼でなる被覆層を設けてなる水素エンジンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-109165号公報
特許第6853536号
特許第6869495号
実全昭51-137004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、化石燃料に代わるエネルギー源として、水素が注目されている。水素は、エネルギー源として利用した際に水しか生成せず、二酸化炭素(CO
2
)を放出しないことからクリーンエネルギーとして期待されている。今後、社会全体において水素利用が進展していくことが予想され、それに伴って、水素利用機器(例えば、水素ステーション向けのボール弁や圧縮機など)が普及していくと考えられる。このような水素利用機器に用いられる軸受などの機械部品は、水素に曝される環境で使用される場合があり、そうした場合、外から供給される水素の存在によって、上述した水素脆性を起因とする早期剥離が助長されるおそれがあり、水素脆性対策がより重要になると考えられる。
【0008】
上記特許文献1では、FeS層が提案されているが、このFeS層が水素ガスと反応してH
2
Sが発生し混入すると、触媒毒になり水素利用上、問題となるおそれがある。
【0009】
また、不動態皮膜は一般に非常に薄膜(数nm程度)で、用途によっては物理的に破壊されたり、また、特許文献2、3のようなステンレスの不動態皮膜は、一般にハロゲン系イオン存在下で破壊され、孔食を生じたり、すき間腐食を生じる場合がある。
【0010】
また、水素脆性対策として、優れた耐食性を有するオーステナイト系ステンレス鋼が用いられることがある。しかし、高い降伏強度が求められる用途では、十分な強度を確保できない場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
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