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公開番号2025095387
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211354
出願日2023-12-14
発明の名称Cu多孔質部材
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C25B 11/031 20210101AFI20250619BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】十分な強度を有するとともに気体や液体に対する圧力損失が低く、CO2還元反応を促進してエタノール等のC2以上の有機化合物を効率的に生成させることが可能なCu多孔質部材を提供する。
【解決手段】CuまたはCu合金からなり、多孔質構造をなす部材本体11と、この部材本体11の表面の少なくとも一部に形成されたナノCu構造体層16と、を備えており、部材本体11は、気孔率が38%以上95%以下の範囲内とされ、厚みが0.1mm以上1.0mm以下の範囲内とされており、ナノCu構造体層16は、20μm~1nmの平均長さを持つ前記Cu粒子が表面に積層することで層として構成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
CuまたはCu合金からなり、多孔質構造をなす部材本体と、この部材本体の表面の少なくとも一部に形成されたナノCu構造体層と、を備えており、
前記部材本体は、気孔率が38%以上95%以下の範囲内とされ、厚みが0.1mm以上1.0mm以下の範囲内とされており、
前記ナノCu構造体層は、20μm~1nmの平均長さを持つCu粒子が表面に積層することで層として構成されていることを特徴とするCu多孔質部材。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記ナノCu構造体層は、前記部材本体の一面側に形成されており、前記部材本体の前記一面における前記ナノCu構造体層の被覆率が20%以上とされていることを特徴とする請求項1に記載のCu多孔質部材。
【請求項3】
前記ナノCu構造体層を構成する20μm~1nmの平均長さを持つ前記Cu粒子は、デンドライト形状または球形状とされていることを特徴とする請求項1また請求項2に記載のCu多孔質部材。
【請求項4】
共電解法の電極として用いてエタノールを生成する際のファラデー効率が1.0%以上であることを特徴とする請求項1また請求項2に記載のCu多孔質部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、CuまたはCu合金からなるCu多孔質部材に関するものであり、特に共電解法による二酸化炭素還元用の電極として適したCu多孔質部材に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化が加速する現在において、特に大気中のCO

ガスなどのGHG削減が世界共通の課題である。
近年は、大気中の二酸化炭素を原料として、有用な化成品に利用する CCU(Carbon dioxide Capture,Utilization)技術の開発が加速している。二酸化炭素は炭素の酸化数は+4で最高酸化数状態であり、標準生成ギブスエネルギーが約400kJ/molと非常に安定な化合物である。二酸化炭素を有用な化成品に変換するためには、大量のエネルギーにより炭素を還元する必要がある。二酸化炭素をエネルギー効率よく還元できる技術の開発が求められている。
【0003】
近年になり、高分子性のイオン交換膜から構成された電解セルを用いた共電解法が着目されている(例えば、特許文献1、2参照)。共電解法とは電気化学セル中において、アノードで酸化反応による電解、カソードで還元反応による電解を同時に行う技術である。例えば、アノードに水、カソードにKHCO

水溶液やCO

ガスを原料として用いることにより、H

Oの電解から生じたプロトンを用いて、CO

を還元することができる。触媒としてAgを用いた場合には、高ファラデー効率でCO

からCOガスを得ることができる。
【0004】
触媒としてCuを用いた場合には、高ファラデー効率でCO

からC2以上の有機化合物(例えば、エタノール等)を得ることができる。
近年、Cuの酸化数やナノスケールの幾何構造の違いにより、C2以上の化合物のファラデー効率が向上することが明らかになった。ナノ構造を制御することで、高性能なCO

還元触媒が提案されている。
ここで、共電解法の電極として、ナノサイズのCu粒子を担持したカーボンペーパーが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-049861号公報
特開2022-040803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ナノサイズのCu粒子を担持したカーボンペーパーにおいては、機械強度が弱いために、電解セル中でつぶれてしまうおそれがあった。
また、共電解法の電極として使用する場合には、原料となるCO

ガスの導入や、反応後に生成したエタノールなどの液体を、セル外へ排出する必要があるが、カーボンペーパーは、気体や液体に対する圧力損失が比較的高いために、生産効率が低下する課題があった。
【0007】
本発明は、以上のような事情を背景としてなされたものであって、十分な強度を有するとともに気体や液体に対する圧力損失が低く、CO

還元反応を促進してエタノール等のC2以上の有機化合物を効率的に生成させることが可能なCu多孔質部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の態様1のCu多孔質部材は、CuまたはCu合金からなり、多孔質構造をなす部材本体と、この部材本体の表面の少なくとも一部に形成されたナノCu構造体層と、を備えており、前記部材本体は、気孔率が38%以上95%以下の範囲内とされ、厚みが0.1mm以上1.0mm以下の範囲内とされており、前記ナノCu構造体層は、20μm~1nmの平均長さを持つCu粒子が表面に積層することで層として構成されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の態様1のCu多孔質部材によれば、CuまたはCu合金からなり、多孔質構造をなす部材本体を有しており、気孔率が38%以上95%以下の範囲内、厚みが0.1mm以上1.0mm以下の範囲内とされているので、気体および液体の圧力損失が低くなり、気体および液体を安定して流通することができる。また、強度を確保することができ、電極として安定して使用することができる。
そして、部材本体の表面の少なくとも一部に、20μm~1nmの平均長さを持つCu粒子が表面に積層することで層として構成されたナノCu構造体層が形成されていることから、20μm~1nmの平均長さを持つCu粒子を触媒として、効率的にCO

を還元してエタノール等のC2以上の有機化合物を生成することが可能となる。
【0010】
本発明の態様2のCu多孔質部材は、本発明の態様1のCu多孔質部材において、前記ナノCu構造体層は、前記部材本体の一面側に形成されており、前記部材本体の前記一面における前記ナノCu構造体層の被覆率が20%以上であることを特徴としている。
本発明の態様2のCu多孔質部材によれば、20μm~1nmの平均長さを持つCu粒子の触媒作用を確実に奏功せしめることができ、CO

還元をさらに効率良く行うことが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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