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公開番号2025072078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2023182590
出願日2023-10-24
発明の名称水電解システム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類C25B 15/023 20210101AFI20250430BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】水電解システムの運転時に、負荷を急激に変動させたり水電解スタックを停止させたりすることなく、劣化した水電解スタックを判定することはできなかった。
【解決手段】複数の水電解スタック21と、水電解スタック21に直流電力を供給して駆動させる直流電源22と、水電解スタック21に流れる電流を計測する電流監視装置24と、水電解スタック21に印加される電圧を計測する電圧監視装置23と、電流監視装置24の電流計測値と電圧監視装置23の電圧計測値から劣化状態に応じて変化する水電解スタック21の電気抵抗を推定し、該電気抵抗の推定結果に基づいて水電解スタック21の劣化状態を判定し、判定結果を出力する演算部13と、演算部から判定結果を受け取って水電解スタック21の劣化状態を表示装置に出力する表示制御部11と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の水電解スタックと、
前記水電解スタックに直流電力を供給して前記水電解スタックを駆動させる直流電源と、
前記水電解スタックに流れる電流を計測して監視する電流監視装置と、
前記水電解スタックに印加される電圧を計測して監視する電圧監視装置と、
前記電流監視装置の電流計測値と前記電圧監視装置の電圧計測値を受け取り、時系列の前記電流計測値と前記電圧計測値から劣化状態に応じて変化する前記水電解スタックの電気抵抗を推定し、前記電気抵抗の推定結果に基づいて前記水電解スタックの劣化状態を判定し、判定結果を出力する演算部と、
前記演算部から判定結果を受け取って前記水電解スタックの劣化状態を表示装置に出力する表示制御部と、を備える
水電解システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記直流電源は直流電力を定常状態から変化させ、
前記演算部は、前記直流電源の直流電力が定常状態から変化した後の、所定の時間間隔で計測された前記電流計測値と前記電圧計測値とを取得し、前記所定の時間間隔における前記電流計測値の差分と前記電圧計測値の差分を利用して、任意の時刻における前記水電解スタックの前記電気抵抗を推定する
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項3】
前記直流電源は直流電力を定常状態から変化させ、
前記演算部は、前記直流電源の直流電力が定常状態から変化してから任意の時刻までの前記電流計測値及び前記電圧計測値とを取得し、前記直流電力が前記定常状態から変化した時点から前記任意の時刻までの前記電流計測値と前記電圧計測値を利用して、前記任意の時刻における前記水電解スタックの前記電気抵抗を推定する
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項4】
前記演算部は、前記電気抵抗の推定結果を予め設定した電気抵抗の基準値と比較して前記水電解スタックの劣化状態を判定する
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項5】
前記演算部は、複数の前記水電解スタックの電気抵抗の平均値である平均電気抵抗と、前記水電解スタックの前記電気抵抗との差分を算出し、前記差分と予め設定した前記電気抵抗の偏差の基準値とを比較して前記水電解スタックの劣化状態を判定する
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項6】
前記演算部は、前記水電解スタックの前回推定された電気抵抗から今回推定された電気抵抗への変化を表す情報を算出し、前記電気抵抗の変化を表す情報と予め設定した電気抵抗の変化の基準値とを比較して前記水電解スタックの劣化状態を判定する
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項7】
前記演算部は、前記任意の時刻における前記水電解スタックの前記電気抵抗に加え、劣化状態に応じて変化する前記任意の時刻における前記水電解スタックの反応キャパシタンスを推定し、前記反応キャパシタンスの推定結果に基づいて前記水電解スタックの劣化状態を判定し、判定結果を前記表示制御部へ出力する
請求項2又は3に記載の水電解システム。
【請求項8】
前記演算部は、前記反応キャパシタンスの推定結果を予め設定した反応キャパシタンスの基準値と比較して前記水電解スタックの劣化状態を判定する
請求項7に記載の水電解システム。
【請求項9】
前記演算部は、複数の前記水電解スタックの反応キャパシタンスの平均値である平均反応キャパシタンスと、前記水電解スタックの前記反応キャパシタンスとの差分を算出し、前記差分と前記反応キャパシタンスの偏差の基準値とを比較して前記水電解スタックの劣化状態を判定する
請求項7に記載の水電解システム。
【請求項10】
前記演算部は、前記水電解スタックの前回推定された反応キャパシタンスから今回推定された反応キャパシタンスへの変化を表す情報を算出し、前記反応キャパシタンスの変化を表す情報と予め設定した反応キャパシタンスの変化の基準値とを比較して前記水電解スタックの劣化状態を判定する
請求項7に記載の水電解システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水電解システムが備える水電解スタックの劣化を診断する技術に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量増加に伴い、地球温暖化等の環境問題や石油資源の枯渇等のエネルギー問題等が注目を集めている。このような観点から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。しかし、水素エネルギーで既存の化石燃料を代替するためには、大量の水素が必要となる。
【0003】
水素の製造方法の1つとして、水電解装置がある。地球温暖化の抑制に向けて、大規模な水電解装置の実証プロジェクトが進んでいる。中でも、欧州では洋上風力の発電電力を活用した数十MWの水素製造装置の実証プロジェクトが進行しており、今後も水電解装置の大型化は継続するものと考えられる。水電解装置によるMW級の水素製造において、水電解スタック(水電解槽)は、数百V、数千Aという低電圧及び大電流特性を有しているのが特徴である。
【0004】
水電解スタックは機器コストが高いため、水電解システム全体のコスト削減に向けては、運用時間を延ばす必要がある。運用時間を延ばすためには、劣化した水電解スタックを早期に検知し、運用制御により劣化を抑制する必要がある。しかし、水電解スタックにおける電気化学反応に分かっていないことが多い。このため、劣化診断機能を備えた水電解システムを開発することが重要となる。
【0005】
水電解装置をMW級の大規模にした場合、水電解装置の状態を推定する手段が課題になる。劣化診断手法として、少なくとも(1)全ての水電解装置を停止しない、(2)システム負荷を急激に変動させないといったことが求められる。
【0006】
特許文献1に、電池負荷を変動させ、水電解スタックの電流値及び電圧値の経時変化から電池の劣化を診断する方法が記載されている。特許文献1に記載の方法によれば、電流を急激に変化させ、電流及び電圧データをフーリエ変換することで、インピーダンスを取得できる。そして、インピーダンスの計測データから電池の状態を推定している。
【0007】
また特許文献2に、水電解装置を停止するときの電流及び電圧変化から水電解スタックの電気抵抗を取得し、それを指針として電池の劣化を診断する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2019-117180号公報
特表2023-509550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、大規模の水素製造装置の場合、負荷を急激に変動できないため、特許文献1に記載された手法の適用は難しいと考えられる。さらに、水電解装置は負荷変化と共に、温度が変わる。例えば、計算上4セル、水流量0.6cc/min/cm

、及び電解面積44cm

の水電解装置に2A/cm

の電流を流したとき、水温は40秒で、12℃上がるため、長時間及び定温でのインピーダンス取得は不可能である。以上のことから、特許文献1に記載された手法の適用は難しいと考えられる。
【0010】
また、水電解装置を停止すると酸素発生電極に塗布された触媒が酸化還元され、電極の劣化が進むことが知られている。さらに、多直並列構成の水電解システムの場合、電極上の高酸化状態にある酸化物が放電することにより、水電解スタックに大きな逆電流が流れる可能性があり、劣化はさらに進んでしまう。そのため、特許文献2に記載された手法の適用も難しいと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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