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公開番号
2025088547
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2023203321
出願日
2023-11-30
発明の名称
銀めっき皮膜及び該銀めっき皮膜を備えた電気接点
出願人
松田産業株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
C25D
7/00 20060101AFI20250604BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】高温環境下においても、高い導電性を有し、安定した耐摩耗性を備えた、銀めっき皮膜及び該銀めっき皮膜を備えた電気接点を提供することを課題とする。
【解決手段】ビスマスを0.01wt%以上、0.1wt%以下含有し、結晶子サイズが240Å以上340Å以下であり、かつ、接触抵抗が1mΩ以下である銀めっき皮膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ビスマスを0.01wt%以上、0.1wt%以下含有し、結晶子サイズが240Å以上340Å以下であり、かつ、接触抵抗が1mΩ以下である銀めっき皮膜。
続きを表示(約 350 文字)
【請求項2】
ビッカース硬度がHv100以上である請求項1に記載の銀めっき皮膜。
【請求項3】
180℃、100時間、熱処理後の接触抵抗が1mΩ以下である請求項1又は2に記載の銀めっき皮膜。
【請求項4】
180℃、100時間、熱処理後の結晶子サイズが300Å以下である請求項1又は2に記載の銀めっき皮膜。
【請求項5】
180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度がHv100以上である請求項1又は2に記載の銀めっき皮膜。
【請求項6】
180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度の低下量がHv10以内である請求項5に記載の銀めっき皮膜。
【請求項7】
請求項1又は2に記載される銀めっき皮膜を備えた電気接点。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、銀めっき皮膜に関する。特にはコネクタ、スイッチ、リレーなどの電気接点や端子部材として、好適な銀めっき皮膜に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
銀(Ag)めっき皮膜は、導電性が高いことから、電子部品に広く利用されている。電子部品における、コネクタ、スイッチ、及びリレーをはじめとする電気接点や端子部材では、挿抜や摺動によって摩耗することから、導電性に加えて耐摩耗性が要求されている。耐摩耗性を付与するためには、主に、硬度の向上や摩擦の低減といった手段が用いられる。
例えば、特許文献1には、コネクタ用銀めっき端子について、銅又は銅合金からなる母材の表面に、結晶粒の大きな銀めっき層により被覆することで銅の拡散に起因する接触抵抗の上昇を防ぎ、さらに最表面に結晶粒の小さい銀めっき層で被覆することで硬度を改善する技術が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、銀めっき皮膜にセレンを含有させることで、硬度を高く維持したまま、接触抵抗の増加を防止する技術が提案されている。特許文献3には、0.1~2.0質量%のアンチモンを含有させ、硬度を上げた銀めっき皮膜を用いる方法が記載されている。さらに、特許文献4には、最表層にアンチモン濃度が0.5質量%以上のビッカース硬度Hv140以上の銀合金層が形成された銅又は銅合金部材が開示されている。
さらに、特許文献5では、銀-ビスマス合金層を含む物品であって、1~10質量%のビスマスを含有させることで摩擦係数を1以下とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-169408号公報
特開2016-145413号公報
特開2005-133169号公報
特開2009-79250号公報
特開2021-66953号公報
特許第7213390号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子部品における、コネクタ、スイッチ、リレーをはじめとする電気接点や端子部材では、挿抜や摺動によって摩耗することから、導電性に加えて耐摩耗性が要求されている。また、近年では、電気自動車の普及に伴い、大電流が流れる電子部品も増えており、大電流下では電子部品が発熱するため、繰り返し挿抜や摺動を伴う電気接点や端子部材では、高温環境下でも、高い導電性(低い接触抵抗)と耐摩耗性を維持することが求められている。
【0006】
しかし、特許文献1、2の構成では、接触抵抗を低く保ったまま、最表面の銀または銀合金めっき層の初期硬度を向上できるものの、高温環境下では銀の再結晶が進行し、結晶粒径の粗大化を伴い、大きく硬度が低下するといった問題がある。
また、特許文献3、4では、銀めっき皮膜にアンチモンの含有率が多くなると、銀の純度が低下するため接触抵抗が低下する。さらに、高温環境下では、拡散によりめっき表面にアンチモンが濃化し、これが酸化することにより、接触抵抗が上昇するといった問題が
ある。さらにアンチモンは人体への毒性が高いといった問題もある。
また、特許文献5の構成では、初期硬度の向上や高温下における硬度の維持は期待できるものの、比抵抗の大きいビスマスを多く含むため、初期接触抵抗を小さくすることが困難であるとともに、高温下では、さらにビスマスの酸化に起因する接触抵抗の上昇が大きいといった問題がある。
【0007】
かかる諸問題に鑑み、本開示の課題は、高温環境下においても、高い導電性を有し、安定した耐摩耗性を備えた、銀めっき皮膜及び当該銀めっき皮膜を備えた電気接点を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の要旨は、以下に示す通りである。
[1]ビスマスを0.01wt%以上、0.1wt%以下含有し、結晶子サイズが240Å以上340Å以下であり、かつ、接触抵抗が1mΩ以下である銀めっき皮膜。
[2]ビッカース硬度がHv100以上である[1]に記載の銀めっき皮膜。
[3]180℃、100時間、熱処理後の接触抵抗が1mΩ以下である[1]又は[2]に記載の銀めっき皮膜。
[4]180℃、100時間、熱処理後の結晶子サイズが300Å以下である[1]又は[2]に記載の銀めっき皮膜。
[5]180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度がHv100以上である[1]又は[2]に記載の銀めっき皮膜。
[6]180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度の低下量がHv10以内である[4]に記載の銀めっき皮膜。
[7][1]又は[2]に記載される銀めっき皮膜を備えた電気接点。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、高温環境下においても、高い導電性を有し、安定した耐摩耗性を備えた、銀めっき皮膜及び当該銀めっき皮膜を備えた電気接点を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る銀めっき皮膜は、ビスマスを0.01wt%以上、0.1wt%以下含有する。ビスマス(Bi)を0.01wt%以上含有することで、高温環境下における銀めっき皮膜において、再結晶による結晶粒の粗大化を抑制して、硬度低下を抑えることができ、安定した耐摩耗性を得ることができる。一方、ビスマス(Bi)を0.1wt%以下含有することで、純銀めっき皮膜と同程度の高い導電率を確保することができる。また、高温環境下において、ビスマスの酸化を抑制でき(ビスマスの酸化量が微量)、接触抵抗の上昇がほとんど生じず、高い導電性を維持することができる。ビスマス含有率は、好ましくは、0.02wt%以上であり、より好ましくは0.03wt%以上であり、また、好ましくは、0.08wt%以下であり、より好ましくは0.07wt%以下である。
(【0011】以降は省略されています)
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