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公開番号
2025100367
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2024199290
出願日
2024-11-14
発明の名称
溶融塩の電気還元による金属製造装置及び方法
出願人
華北理工大学
代理人
SK弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
C25C
3/08 20060101AFI20250626BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】環境への汚染が小さく、高効率低コストを実現する金属製造装置及び金属製造方法を提供する。
【解決手段】装置は、反応器1、導電体2、電源3、ガス充填排出機構4、及び封止機構5を含み、前記反応器は、底板11が導電され、周壁が絶縁され且つ一端が開口したバレルであり、前記反応器のバレル腔は、下から上へ順に反応待ち物質6と溶融塩物質7を敷設するように配置され、前記導電体は、融化後の前記溶融塩物質を挿入するために用い、前記反応器と前記導電体は、前記封止機構の内部に設けられ、前記電源は、前記封止機構の外部に設けられ、前記電源の正極は、前記導電体に電気的に接続され、前記電源の負極は、前記底板に電気的に接続され、前記ガス充填排出機構は、排気ガスを排除しながら、前記反応器内に保護ガスを充填し続けるように配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶融塩の電気還元による金属製造装置であって、
反応器、導電体、電源、ガス充填排出機構、及び封止機構を含み、
前記反応器は、底板が導電され、周壁が絶縁され且つ一端が開口したバレルであり、前記反応器のバレル腔は、下から上へ順に反応待ち物質と溶融塩物質を敷設するように配置され、
前記導電体は、融化後の前記溶融塩物質を挿入するために用い、
前記反応器と前記導電体は、前記封止機構の内部に設けられ、前記電源は、前記封止機構の外部に設けられ、
前記電源の正極は、前記導電体に電気的に接続され、前記電源の負極は、前記底板に電気的に接続され、
前記ガス充填排出機構は、排気ガスを排除しながら、前記反応器内に保護ガスを充填し続けるように配置される、
ことを特徴とする溶融塩の電気還元による金属製造装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記反応器は、導電底板と第1絶縁筒体を含み、前記第1絶縁筒体は、前記導電底板上に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶融塩の電気還元による金属製造装置。
【請求項3】
前記導電底板の外径は、前記第1絶縁筒体の外径以上である、
ことを特徴とする請求項2に記載の溶融塩の電気還元による金属製造装置。
【請求項4】
前記反応器は、導電バレルと第2絶縁筒体を含み、
前記第2絶縁筒体は、前記導電バレル内に挿設され、且つ底面が、前記導電バレルの内底面に当接する、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶融塩の電気還元による金属製造装置。
【請求項5】
第1導電棒をさらに含み、
前記第1導電棒の一端は、導電体に電気的に接続され、他端は、前記封止機構を通過して前記電源の正極に電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶融塩の電気還元による金属製造装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の溶融塩の電気還元による金属製造装置を用いる溶融塩の電気還元による金属製造方法であって、
前記反応器のバレル腔は、下から上へ順に前記反応待ち物質と前記溶融塩物質を敷設することと、
前記反応器を前記溶融塩物質が融化するまで加熱した後、前記導電体を前記溶融塩物質内に挿設することと、
前記ガス充填排出機構によって、排気ガスを排除しながら、前記反応器内に保護ガスを充填し続け、前記電源をオンにして溶融塩の電気還元を行うことと、
前記バレル腔内の反応が終了し、前記電源をオフにし、前記バレル腔上部の前記溶融塩物質を注出し、下部の残留物を取り出すことと、
前記残留物により金属を得ることとを含む、
ことを特徴とする溶融塩の電気還元による金属製造方法。
【請求項7】
前記残留物により金属を得ることは、
前記残留物を超純水内に複数回浸泡して粉末状金属を得ることを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の溶融塩の電気還元による金属製造方法。
【請求項8】
前記残留物により金属を得ることは、
前記残留物を加熱して、金属融点に達した後に、液状又は塊状金属を得ることを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の溶融塩の電気還元による金属製造方法。
【請求項9】
前記溶融塩物質は、塩化物又はフッ化物のうちの1種以上である、
ことを特徴とする請求項6に記載の溶融塩の電気還元による金属製造方法。
【請求項10】
前記反応待ち物質は、金属酸化物と導電剤を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の溶融塩の電気還元による金属製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願は、溶融塩の電気還元技術分野に関し、特に、溶融塩の電気還元による金属製造装置及び方法に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
伝統的な金属製錬技術は、国民の生産生活など様々な分野で重要な地位を占めている。鉄鋼生産大国として、中国の銑鉄の年間生産量は5億トンを超えている。現在、我が国の製鉄技術は高炉製鉄を主としている。まず、高炉の製鉄過程の流れは複雑で、焼結、コークス化、高炉の製鉄などの過程を含み、大量のエネルギーと資源を消費する必要があり、コストが高く、環境保護に不利である。次に、高炉製鉄は還元剤及び原料として大量のコークスを消費する必要があり、またコークス精製過程は大量の再生不可能な石炭資源を消費する必要があるだけでなく、同時に大量のCO
2
及び有毒ガスを発生する可能性がある。最後に、高炉製鉄は大量のスラグを発生させ、大量の空間資源を占有するだけでなく、土壌に深刻な汚染をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願実施例は、溶融塩の電気還元による金属製造装置及び方法を提供することにより、既存の金属製造のプロセスエネルギー消費とコストが高く、環境保護に不利な問題を解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の実施例の技術案を以下に示す。
第1局面において、本発明実施例は、反応器、導電体、電源、ガス充填排出機構、及び封止機構を含み、前記反応器は、底板が導電され、周壁が絶縁され且つ一端が開口したバレルであり、前記反応器のバレル腔は、下から上へ順に反応待ち物質と溶融塩物質を敷設するように配置され、前記導電体は、融化後の前記溶融塩物質を挿入するために用い、前記反応器と前記導電体は、前記封止機構の内部に設けられ、前記電源は、前記封止機構の外部に設けられ、前記電源の正極は、前記導電体に電気的に接続され、前記電源の負極は、前記底板に電気的に接続され、前記ガス充填排出機構は、排気ガスを排除しながら、前記反応器内に保護ガスを充填し続けるように配置される溶融塩の電気還元による金属製造装置を提供する。
第1局面によれば、可能な実現方式では、前記反応器は、導電底板と第1絶縁筒体を含み、前記第1絶縁筒体は、前記導電底板上に設けられる。前記導電底板の外径は、前記第1絶縁筒体の外径以上である。
第1局面によれば、可能な実現方式では、前記反応器は、導電バレルと第2絶縁筒体を含み、前記第2絶縁筒体は、前記導電バレル内に挿設され、且つ底面が、前記導電バレルの内底面に当接する。
第1局面によれば、可能な実現方式では、溶融塩の電気還元による金属製造装置は、第1導電棒をさらに含み、前記第1導電棒の一端は、導電体に電気的に接続され、他端は、前記封止機構を通過して前記電源の正極に電気的に接続される。
第2局面において、本発明実施例は、上記前記の溶融塩の電気還元による金属製造装置を用い、前記反応器のバレル腔は、下から上へ順に前記反応待ち物質と前記溶融塩物質を敷設することと、
前記反応器を前記溶融塩物質が融化するまで加熱した後、前記導電体を前記溶融塩物質内に挿設することと、
前記ガス充填排出機構によって、排気ガスを排除しながら、前記反応器内に保護ガスを充填し続け、前記電源をオンにして溶融塩の電気還元を行うことと、
前記バレル腔内の反応が終了し、前記電源をオフにし、前記バレル腔上部の前記溶融塩物質を注出し、下部の残留物を取り出すことと、
前記残留物により金属を得ることとを含む、溶融塩の電気還元による金属製造方法を提供する。
第2局面によれば、可能な実現方式では、前記残留物により金属を得ることは、前記残留物を超純水内に複数回浸泡して粉末状金属を得ることを含む、
第2局面によれば、可能な実現方式では、前記残留物により金属を得ることは、前記残留物を加熱して、金属融点に達した後に、液状又は塊状金属を得ることを含む。
第2局面によれば、可能な実現方式では、前記溶融塩物質は塩化物又はフッ化物のうちの1種以上である。
第2局面によれば、可能な実現方式では、前記反応待ち物質は、金属酸化物と導電剤を含む。
本発明実施例により提供する一つ又は複数の技術案は、少なくとも以下のような技術効果又は利点を有する。
本発明実施例は、溶融塩の電気還元による金属製造装置を提供し、この装置は、反応器、導電体、電源、ガス充填排出機構、及び封止機構を含み、前記反応器は、底板が導電され、周壁が絶縁され且つ一端が開口したバレルであり、前記反応器のバレル腔は、下から上へ順に反応待ち物質と溶融塩物質を敷設するように配置され、前記導電体は、融化後の前記溶融塩物質を挿入するために用い、前記反応器と前記導電体は、前記封止機構の内部に設けられ、前記電源は、前記封止機構の外部に設けられ、前記電源の正極は、前記導電体に電気的に接続され、前記電源の負極は、前記底板に電気的に接続され、前記ガス充填排出機構は、排気ガスを排除しながら、前記反応器内に保護ガスを充填し続けるように配置される。
【発明の効果】
【0005】
本発明実施例により提供する溶融塩の電気還元による金属製造装置では、反応器と導電体を封止機構の内部に設け、電源を封止機構の外部に設け、反応器のバレル腔内に下から上へ順に反応待ち物質と溶融塩物質を敷設し、ガス充填排出機構と封止機構を取り付け、電源の正極を導電体に電気的に接続させ、電源の負極を反応器の底板に電気的に接続させる。反応器を溶融塩物質が融化するまで加熱した後、導電体を溶融塩物質内に挿設する。ガス充填排出機構によって、排気ガスを排除しながら、反応器内に保護ガスを充填し続け、電源をオンにして溶融塩の電気還元を行う。反応器のバレル腔内の反応が終了し、電源をオフにし、バレル腔上部の溶融塩物質を注出し、下部の残留物を取り出す。最後に残留物により金属を得る。本発明実施例により提供する溶融塩の電気還元による金属製造装置では、反応器の底板が導電され、周壁が絶縁され、溶融塩の電気還元反応の陰極は反応器導電の底板であり、反応器のバレル腔内に下から上へ順に反応待ち物質と溶融塩物質を敷設し、反応待ち物質は、反応器導電の底板にのみ接触して導通するため、溶融塩の電気還元を行う時、電子が底部から上へ移動し、電流は一定の方向に輸送され、溶融塩の電気還元過程は下から上へ徐々に進行し、「抵抗式」反応構造を形成し、電流の利用効率を高めることができる。本願実施例により提供する溶融塩の電気還元による金属製造装置では、溶融塩の電気還元を行う時、プロセスプロセスは簡単で、大量のコークスを還元剤及び原料として消費する必要はなく、大量の再生不可能な石炭資源を消費する必要もなく、大量のCO
2
、有毒ガス及びスラグを発生することもなく、環境への汚染が小さく、高効率低コストを実現することができ、それは比較的低い操作温度で溶融塩の電気還元を行うことができ、コークスに依存せずに効率的に金属を製造することができる。装置の操作は比較的に低く、比較的に低い温度範囲内で反応待ち物質の溶融塩の電気還元過程を実現でき、加熱過程のエネルギー消費を低減するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に本発明の実施例の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
は、本願実施例により提供する溶融塩の電気還元による金属製造装置の構造概略図である。
は、本願実施例により提供する他の溶融塩の電気還元による金属製造装置の構造概略図である。
は、本願実施例1により製造した残留物を水洗した後に得られた鉄粉の写真である。
は、本願実施例1により製造した残留物を誘導溶融加熱した後に得られた鉄塊の写真である。
は、本願実施例1における溶融塩の電気還元後の金属のXRDアトラスである。
は、本願実施例2におけるTiO
2
溶融塩の電気還元後に得られた金属の写真である。
は、本願実施例2における溶融塩の電気還元により得られた金属のXRDアトラスである。
【符号の説明】
【0007】
1-反応器、11-導電底板、12-第1絶縁筒体、13-導電バレル、14-第2絶縁筒体、2-導電体、3-電源、4-ガス充填排出機構、41-ガスタンク、42-ガス充填管、43-排気管、5-封止機構、51-炉殻、52-保温層、53-炉床、54-炉蓋、6-反応待ち物質、61-金属酸化物、62-導電剤、7-溶融塩物質、8-第1導電棒、9-第2導電棒。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例における技術案を、本発明の実施例における図面を参照して明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は、本発明のすべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0009】
本発明の実施例の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本発明の実施例を説明し、説明を簡略化するためのものであって、示される装置または要素が特定の方位、特定の方位で構成され、操作されなければならないことを示し、暗示するのではなく、本発明の実施態様を説明し、説明を簡略化するためのものであり、本発明を限定するものと理解することはできない。「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示す、または暗示すると理解されない。さらに、「取り付け」、「繋がる」、「接続」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または一体的に接続してもよい、機械的接続でもよいし、電気的接続でもよい、直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部の接続でもよい。当業者であれば、本発明の実施例における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0010】
図1と図2を参照所して、本発明は、反応器1、導電体2、電源3、ガス充填排出機構4、及び封止機構5を含む溶融塩の電気還元による金属製造装置を提供する。製造する金属は、純金属又は者合金でもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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