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公開番号2025082503
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023195869
出願日2023-11-17
発明の名称電解銀ゲルマニウム合金めっき液
出願人日本高純度化学株式会社
代理人弁理士法人たかはし国際特許事務所
主分類C25D 3/64 20060101AFI20250522BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】皮膜中に十分な量のゲルマニウムを共析させることができ、液安定性が良好であり、発泡が起こりにくい電解銀ゲルマニウム合金めっき液を提供する。
【解決手段】銀源とゲルマニウム源を含有する電解銀ゲルマニウム合金めっき液であって、分子量500以下の含窒素配位性化合物を含有することを特徴とする電解銀ゲルマニウム合金めっき液により上記課題を解決した。該含窒素配位性化合物の具体例として、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)グリシン、ジエタノールアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸、トリエチレンテトラミン、グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルグルカミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、トリシン及びN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、これらの化合物の塩が挙げられる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
銀源とゲルマニウム源を含有する電解銀ゲルマニウム合金めっき液であって、分子量500以下の含窒素配位性化合物を含有することを特徴とする電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記含窒素配位性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物並びにこれらの化合物の塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
TIFF
2025082503000006.tif
31
150
[R

、R

、R

及びR

は、それぞれ、水素原子であるか、又は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基若しくは置換炭化水素基である。R

は、直接結合であるか、又は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基若しくは置換炭化水素基である。また、R

、R

、R

及びR

のうち、任意の2つが結合して環を形成していてもよく、その場合、該環は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基又は置換炭化水素基である。]
TIFF
2025082503000007.tif
31
150
[R

及びR

は、それぞれ、水素原子であるか、又は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基若しくは置換炭化水素基である。R

は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基又は置換炭化水素基である。また、R

、R

及びR

のうち、任意の2つが結合して環を形成していてもよく、その場合、該環は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基又は置換炭化水素基である。]
【請求項3】
前記含窒素配位性化合物が、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)グリシン、ジエタノールアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸、トリエチレンテトラミン、グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルグルカミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、トリシン及びN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン並びにこれらの化合物の塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項2に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
【請求項4】
前記含窒素配位性化合物が、前記一般式(1)においてR

がエチレン基である化合物及び前記一般式(2)においてR

がエチレン基である化合物並びにこれらの化合物の塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項2に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
【請求項5】
前記銀源がシアン化銀塩である請求項1に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
【請求項6】
前記ゲルマニウム源が二酸化ゲルマニウム、ゲルマン酸及びその塩、テトラアルコキシゲルマニウム、ハロゲン化ゲルマニウム、硫化ゲルマニウム並びにゲルマニウムの単体からなる群より選ばれる1種以上のゲルマニウム源である請求項1に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
【請求項7】
電解めっきにより電解銀ゲルマニウム合金めっき皮膜を形成した際に、該電解銀ゲルマニウム合金めっき皮膜に、0.1質量%以上のゲルマニウムが共析する請求項1に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液。
【請求項8】
銀源とゲルマニウム源を含有する電解銀ゲルマニウム合金めっき液用のゲルマニウム共析促進剤であって、分子量500以下の含窒素配位性化合物を主成分とすることを特徴とするゲルマニウム共析促進剤。
【請求項9】
前記含窒素配位性化合物が、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物並びにこれらの化合物の塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項8に記載のゲルマニウム共析促進剤。
TIFF
2025082503000008.tif
31
150
[R

、R

、R

及びR

は、それぞれ、水素原子であるか、又は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基若しくは置換炭化水素基である。R

は、直接結合であるか、又は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基若しくは置換炭化水素基である。また、R

、R

、R

及びR

のうち、任意の2つが結合して環を形成していてもよく、その場合、該環は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基又は置換炭化水素基である。]
TIFF
2025082503000009.tif
31
150
[R

及びR

は、それぞれ、水素原子であるか、又は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基若しくは置換炭化水素基である。R

は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基又は置換炭化水素基である。また、R

、R

及びR

のうち、任意の2つが結合して環を形成していてもよく、その場合、該環は、1個以上18個以下の炭素原子を有する、炭化水素基又は置換炭化水素基である。]
【請求項10】
前記含窒素配位性化合物が、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)グリシン、ジエタノールアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸、トリエチレンテトラミン、グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルグルカミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、トリシン及びN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン並びにこれらの化合物の塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項9に記載のゲルマニウム共析促進剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電解銀ゲルマニウム合金めっき液に関する。
また、本発明は、かかる電解銀ゲルマニウム合金めっき液用のゲルマニウム共析促進剤、かかる電解銀ゲルマニウム合金めっき液を調製するための組成物、及び、かかる電解銀ゲルマニウム合金めっき液の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やプラグインハイブリッド車等の普及が進んでおり、車載用のコネクタ用途を中心に、大面積、高硬度、低電気抵抗値といった特性を持つめっき皮膜の需要がある。そして、かかるめっき皮膜を長期間安定に作製可能なめっき液の開発が望まれている。
【0003】
銀めっき皮膜は、他の金属皮膜と比較しても最も電気抵抗値が低く、大面積で使用される場合、電子部品用に使用されることの多い金めっき皮膜と比較しても、低コストであるというメリットがある。
【0004】
銀めっき皮膜には、比較的硬度が低いという欠点がある。しかし、銀めっき皮膜に別の金属を添加した銀合金めっき皮膜とすることにより、硬度が向上し、この欠点をカバーすることができる。
【0005】
コネクタ用途に使用される銀合金めっき皮膜の例として、銀アンチモン合金めっき皮膜が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。銀にアンチモンを共析させることで、結晶粒を小さくすることができ、硬度の高い銀めっき皮膜(銀アンチモン合金めっき皮膜)が形成される。
【0006】
ただし、銀アンチモン合金めっき皮膜には、他の銀めっき皮膜と同様に、熱により、再結晶に起因する結晶粒の成長が起こり、硬度が低下する場合がある。その結果、大電流印加時のような高温環境下で、コネクタ用途として使用する際の耐摩耗性が低下してしまう。
さらに、熱により、アンチモン原子が銀めっき層表面に偏析し、酸化されることで表面の接触抵抗が悪化してしまうというデメリットがある。
【0007】
また、アンチモンには、人体に対する毒性があることから、規制が厳しくなってきており、代替技術の確立が急がれている。
【0008】
アンチモンの代替元素として、ゲルマニウムが研究されている。銀にゲルマニウムを共析させることで得られる銀めっき皮膜(銀ゲルマニウム合金めっき皮膜)は高い硬度を持つ。そして、得られた銀ゲルマニウム合金めっき皮膜は加熱を行った場合でも硬度の低下、接触抵抗の悪化が起こりにくい。
【0009】
しかし、銀ゲルマニウム合金めっき皮膜を得るための銀ゲルマニウム合金めっき液が、工業的に成功することは容易ではない。この理由は、銀めっき皮膜にゲルマニウムを共析させることは容易ではない上に、めっき液中に溶解させたゲルマニウム源が沈殿しやすいからである。
銀めっき皮膜にゲルマニウムを共析させることのできる電解銀ゲルマニウム合金めっき液がいくつか提案されている。
【0010】
特許文献3には、ポリエチレンイミンやポリアクリル酸といった配位性高分子添加剤を含有する電解銀ゲルマニウム合金めっき液が開示されている。
しかし、配位性高分子添加剤を用いた場合の液安定性について、特許文献3においては、何ら検討されていない。本発明者らの追試(後述の実施例)によると、特許文献3に記載の電解銀ゲルマニウム合金めっき液では、配位性高分子由来の電解重合体と予想される化合物が電極に付着する。また、特許文献3のめっき液では、めっき液中のゲルマニウムが不安定で、めっき液を放置しておくと、溶解していたゲルマニウムが沈殿してしまうといった課題が判明した。
また、高分子をめっき液に含有させると発泡してしまい、工業的なフープめっきラインにおいては、めっき液がめっき槽からあふれてしまうといった課題や、後段へのめっき液の持ち出し量が増加する、といった課題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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