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公開番号2025101619
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023218588
出願日2023-12-25
発明の名称めっき装置及びめっき方法
出願人株式会社日立パワーソリューションズ
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C25D 21/10 20060101AFI20250630BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】めっき液の液はねを抑制しつつ、被めっき物に適切にめっきを施すようにしためっき装置及びめっき方法を提供する。
【解決手段】被めっき物P1に電解めっきを行うめっき装置10であって、めっき装置10の揺動ユニット7は、往復動機構71と、揺動機構72と、を有し、往復動機構71は、被めっき物P1のめっき面に平行な方向を示す水平方向において被めっき物P1より大きな範囲で設定した攪拌範囲で攪拌パネル5が所定の往復動速度で往復動するよう揺動機構72を往復動させ、揺動機構72は、めっき槽1内において、ホルダ2に保持された被めっき物P1にめっき液を均一に供給するように、水平方向において被めっき物P1の大きさより小さな範囲で設定した揺動範囲で攪拌パネル5を往復動速度より速い揺動速度で揺動させながら往復動機構71の動きに同期して攪拌範囲を往復動し、めっき液を攪拌する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被めっき物に電解めっきを行うめっき装置であって、
前記めっき装置は、揺動ユニットと、めっき槽と、攪拌パネルと、を含んで構成され、
前記揺動ユニットは、往復動機構と、揺動機構と、を有し、
前記往復動機構は、前記被めっき物のめっき面に平行な方向を示す水平方向において前記被めっき物より大きな範囲で設定した攪拌範囲で前記攪拌パネルが所定の往復動速度で往復動するよう前記揺動機構を往復動させ、
前記揺動機構は、前記めっき槽内において、ホルダに保持された前記被めっき物にめっき液を均一に供給するように、前記水平方向において前記被めっき物の大きさより小さな範囲で設定した揺動範囲で前記攪拌パネルを前記往復動速度より速い揺動速度で揺動させながら前記往復動機構の動きに同期して前記攪拌範囲を往復動し、めっき液を攪拌すること、
を特徴とするめっき装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記攪拌パネルは、矩形の板状部材であり、前記攪拌パネルに所定の面積を有する矩形状で合同な形状を有する複数の穿孔部を設けることによって形成される少なくとも2本以上の攪拌棒を有し、
前記攪拌棒は、水平断面の形状が三角形または台形である柱状構造物であり、前記柱状構造物は、所定の傾斜角で構成する二つの傾斜面を備え、前記攪拌パネルが揺動するときに、二つの前記傾斜面が前記被めっき物に対向するように配設されること、
を特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
【請求項3】
前記被めっき物のめっきパターンに応じて、当該被めっき物に前記めっき液を均一に供給するように、前記めっき装置を本運用する前段階のテスト運用において、前記往復動速度の値と、前記揺動速度の値と、前記攪拌棒の前記傾斜角の値と、が設定されること、
を特徴とする請求項2に記載のめっき装置。
【請求項4】
前記往復動機構は、台座上に所定の間隔で離間して配設された2本のガイドと、空気圧によって駆動するエアシリンダと、を備え、
前記エアシリンダは、第一の吸排気口と、第二の吸排気口と、を備え、
前記第一の吸排気口と前記第二の吸排気口とは、それぞれ通気管を介して吸排気切替機構に接続され、
前記吸排気切替機構は、空気供給装置に接続され、
前記吸排気切替機構の動作によって、前記空気供給装置からの圧縮空気が、前記第一の吸排気口及び前記第二の吸排気口のうちの一方を介して吸気され、他方を介して排気される処理が交互に繰り返されることで、前記エアシリンダ内のロッドを往復動運動させること、
を特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
【請求項5】
前記往復動機構は、
前記ガイドに沿って移動可能な接続機構を有するベース部と、
前記ベース部の下面に設置され、前記ベース部と前記ロッドを連結する連結部と、
前記ベース部における前記めっき槽側の端部に直立した状態で当該ベース部に固着接続された部材取付部と、を備え、
前記ベース部が2本の前記ガイドに沿って安定して移動するように、所定の離間距離を有する1対の前記接続機構が前記ベース部の下面に2組配設され、それぞれの1対の前記接続機構がそれぞれの前記ガイドに沿って移動可能となるように接続され、
前記ロッドが移動すると、前記連結部を介して駆動力が前記ベース部に伝達され、2組の1対の前記接続機構が2本の前記ガイド上をスライドすることで、前記ロッドの往復動運動に同期して前記揺動機構が往復動すること、
を特徴とする請求項4に記載のめっき装置。
【請求項6】
前記揺動機構は、
前記部材取付部の所定の位置でモータ把持部を介して設置され、回転駆動力を発生するモータと、
前記モータの駆動軸にダイレクト接続され、前記モータの前記回転駆動力を受ける回転軸と、
前記回転軸に固着接続された回転板から構成される回転体と、を備え、
前記モータは、前記攪拌パネルを所定の前記揺動速度で揺動させるように、所定の回転速度で当該回転体を円運動させること、
を特徴とする請求項5に記載のめっき装置。
【請求項7】
前記揺動機構は、
前記回転板の中心から所定量分外れた位置において前記回転板の穿孔に挿入されたカムフォロアを備えるとともに、
長孔を有する水平面上の平面プレート部と、前記平面プレート部における前記めっき槽側の端部に鉛直に固着接続された直立プレート部と、を含むリンクプレートと、
前記部材取付部の上部に配設され、前記直立プレート部と接続するスライド部と、
前記直立プレート部と前記攪拌パネルとを接続する攪拌パネル取付部品と、を備え、
前記回転板は、前記回転軸を介して前記モータから前記回転駆動力を付与されて所定の回転速度で円運動し、前記カムフォロアは、前記回転板の中心軸との離間距離を保持したまま前記回転板に同期して円運動することによって偏心輪の移動軌跡を形成し、前記カムフォロアを挿入した長孔が前記カムフォロアの動きに応じて移動することで、前記回転板の円運動を直線運動である揺動運動に変換して前記リンクプレートに伝達し、前記リンクプレートが前記スライド部を介して前記攪拌パネルを前記揺動速度で揺動させること、
を特徴とする請求項6に記載のめっき装置。
【請求項8】
前記被めっき物のパターンに応じて前記攪拌棒の傾斜角が変更される場合は、所定の攪拌パネル取付部品にねじ止めされた前記攪拌パネルが取り外され、新たに準備された別の攪拌パネルが前記攪拌パネル取付部品にねじ止めして取り付けられること、
を特徴とする請求項2に記載のめっき装置。
【請求項9】
前記スライド部の移動を案内するリニアガイドの前記水平方向における長さは、少なくとも前記揺動範囲の長さと前記攪拌パネルの長さとの差分以上の長さで設定されていること、
を特徴とする請求項7に記載のめっき装置。
【請求項10】
被めっき物に電解めっきを行うめっき方法であって、
揺動ユニットの往復動機構が、前記被めっき物のめっき面に平行な方向を示す水平方向において前記被めっき物より大きな範囲で設定した攪拌範囲で攪拌パネルが所定の往復動速度で往復動するよう揺動機構を往復動させ、
前記揺動ユニットの前記揺動機構が、めっき槽内において、ホルダに保持された前記被めっき物にめっき液を均一に供給するように、前記水平方向において前記被めっき物の大きさより小さな範囲で設定した揺動範囲で前記攪拌パネルを前記往復動速度より速い揺動速度で揺動させながら前記往復動機構の動きに同期して前記攪拌範囲を往復動し、めっき液を攪拌すること、
を特徴とするめっき方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、めっき装置及びめっき方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
半導体ウェハやプリント基板の電解めっきに関して、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。すなわち、特許文献1には、「基板を前記めっき液中に浸漬させ、前記めっき液中のアノードと前記基板との間に電流を流して前記基板をめっきする」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-183332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、パドルが往復運動したときにパドルの両側端が基板の外側に位置するように設定される。これによって、めっき液の攪拌に伴う流動が被めっき物の全域に伝搬するようにしている。しかしながら、被めっき物の表面の回路パターン(めっきパターン)の複雑化・微細化が進むにつれて、被めっき物に均一にめっきを施すことが困難になる可能性がある。
【0005】
なお、特許文献1に記載の技術において、パドルを往復させる際の速度を速くすると、めっき液の流動が促進されるため、めっきの均一化を図ることが可能になるが、その一方で、めっき液の液はねが生じやすくなる。めっき液には硫酸イオン等が含まれることが多いため、液はねを抑制することが望ましい。つまり、めっき液の液はねを抑制しつつ、被めっき物に適切にめっきを施すことが望ましいが、そのような技術については特許文献1には記載されていない。
【0006】
そこで、本開示は、めっき液の液はねを抑制しつつ、被めっき物に適切にめっきを施すようにしためっき装置及びめっき方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するために、本開示は、被めっき物に電解めっきを行うめっき装置であって、前記めっき装置は、揺動ユニットと、めっき槽と、攪拌パネルと、を含んで構成され、前記揺動ユニットは、往復動機構と、揺動機構と、を有し、前記往復動機構は、前記被めっき物のめっき面に平行な方向を示す水平方向において前記被めっき物より大きな範囲で設定した攪拌範囲で前記攪拌パネルが所定の往復動速度で往復動するよう前記揺動機構を往復動させ、前記揺動機構は、前記めっき槽内において、ホルダに保持された前記被めっき物にめっき液を均一に供給するように、前記水平方向において前記被めっき物の大きさより小さな範囲で設定した揺動範囲で前記攪拌パネルを前記往復動速度より速い揺動速度で揺動させながら前記往復動機構の動きに同期して前記攪拌範囲を往復動し、めっき液を攪拌することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、めっき液の液はねを抑制しつつ、被めっき物に適切にめっきを施すようにしためっき装置及びめっき方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係るめっき装置の構成図である。
実施形態に係るめっき装置の攪拌パネルの攪拌範囲及び揺動範囲に関する説明図である。
実施形態に係るめっき装置の攪拌パネルの斜視図である。
実施形態に係るめっき装置の図3AにおけるIII-III線矢視断面を含む説明図である。
比較例に係るめっき装置の攪拌棒に関する説明図である。
実施形態に係るめっき装置の攪拌棒に関する説明図である。
実施形態に係るめっき装置の往復動機構の概略的な側面図である。
実施形態に係るめっき装置の往復動機構のベース部を下から見た場合の下面図である。
実施形態に係るめっき装置のエアシリンダを含む機構の説明図である。
実施形態に係るめっき装置の揺動機構の構成を示す説明図である。
実施形態に係るめっき装置の攪拌パネルの揺動に関する説明図である。
実施形態に係るめっき装置の攪拌パネルの揺動に関する説明図である。
実施形態に係るめっき装置の攪拌パネルの揺動に関する説明図である。
実施形態に係るめっき装置のスライド部の長さに関する説明図である。
第1の変形例に係るめっき装置の攪拌パネルの揺動速度と揺動範囲の変更に関する説明図である。
第2の変形例に係るめっき装置の攪拌棒の横断面を含む説明図である。
第3の変形例に係るめっき装置の攪拌棒の横断面を含む説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪実施形態≫
<めっき装置の構成>
図1は、実施形態に係るめっき装置10の構成図である。
なお、図1では、めっき槽1や収容体U1において、図1の紙面手前側の側壁を取り除いた状態を示している。また、図1では、めっき槽1に貯留されるめっき液をドットで示している。図1に示すように、ホルダ2やアノード電極3や遮蔽板4や攪拌パネル5の各板面に対して垂直な方向(奥行方向)にy軸をとる。また、水平面でy軸に対して垂直な方向(幅方向)にx軸をとる。また、x軸・y軸の両方に対して垂直な方向(高さ方向)にz軸をとる。
(【0011】以降は省略されています)

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