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公開番号
2025103980
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2023221766
出願日
2023-12-27
発明の名称
金属マグネシウムの製造方法
出願人
東邦チタニウム株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C25C
7/04 20060101AFI20250702BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】回収室における溶融浴の浴面レベルを適切に管理して高い電流効率を実現することが可能な金属マグネシウムの製造方法を提供する。
【解決手段】電解室及び回収室を有する電解槽と、電解室に配置された陽極、複極、陰極を含む電極とを用い、溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解し金属マグネシウムを製造する金属マグネシウムの製造方法であって、複極の少なくとも一つは、電解反応発生面を有する厚幅部と厚幅部の上側に配置された薄幅部とを有し、溶融塩電解において、回収室における溶融浴の浴面の高さ位置を、深さ方向において電解槽の開口から15cm以上かつ42cm以下の範囲内に維持することを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電解室及び回収室を有する電解槽と、前記電解室に配置された陽極、複極、陰極を含む電極とを用い、溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解し金属マグネシウムを製造する金属マグネシウムの製造方法であって、
前記複極の少なくとも一つは、電解反応発生面を有する厚幅部と前記厚幅部の上側に配置された薄幅部とを有し、
前記溶融塩電解において、前記回収室における溶融浴の浴面の高さ位置を、深さ方向において前記電解槽の開口から15cm以上かつ42cm以下の範囲内に維持することを含む、金属マグネシウムの製造方法。
続きを表示(約 210 文字)
【請求項2】
回収室における浴面の高さ位置を電解槽の開口から15cm以上かつ42cm以下の範囲内に維持する間、前記複極の薄幅部の少なくとも一部が前記電解室の溶融塩浴の浴面上に露出している、請求項1に記載の金属マグネシウムの製造方法。
【請求項3】
前記複極は、その厚み方向における薄幅部の厚みが一定であって、前記厚幅部と前記薄幅部との間に段差を有する、請求項1又は2に記載の金属マグネシウムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属マグネシウムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
金属チタンの鋳塊等は、工業的にはクロール法を基盤とした方法によって製造されたスポンジチタンを使用して製造されている。このクロール法を含むスポンジチタン製造プロセスは、塩化工程、還元工程、破砕工程及び電解工程の四工程に大別しうる。これらの工程のうち、還元工程では、塩化工程で製造した四塩化チタンを金属マグネシウムで還元することにより、スポンジチタン塊が得られ、このスポンジチタン塊を破砕してスポンジチタンを得る。電解工程は、還元工程の副生成物である塩化マグネシウムを溶融塩電解して、金属マグネシウムを得る工程である。電解工程の溶融塩電解に関する技術としては、例えば特許文献1~2に記載されたもの等がある。
【0003】
特許文献1には、多極式電解槽を用いた塩化マグネシウム(MgCl
2
)の溶融塩電解において、電解室における電極上端と溶融塩浴の浴面との位置を制御し、浴面レベル制御用のタンクを使用して前記浴面位置を制御する発明が開示されている(特許文献1の段落0009、0024等参照)。即ち、特許文献1の発明は、溶融塩浴の温度やその浴面レベルを高精度に制御することで、電流効率の向上を図っている(特許文献1の段落0003等参照)。なお、特許文献1の発明は、電流効率の向上を図るために、カレントリークを抑制しているとも考えられる。
【0004】
また、特許文献2には、マルチポーラ型電解槽を用いた塩化マグネシウムの溶融塩電解において、該電解槽内部のうち電解室内の溶融塩浴の浴面レベルを管理する発明が開示されている(特許文献2の段落0007参照)。即ち、特許文献2の発明は、溶融塩電解において、溶融塩浴の盛り上がりに基づく金属マグネシウムの生成に寄与しないカレントリークを抑制することで、電流効率の向上を図っている(特許文献2の段落0008~0013等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-226685号公報
特開2002-317293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、溶融塩電解中、電流効率が低下することがある。その低下の要因の一つとしては、上記特許文献1~2のようなカレントリークの他、再反応と呼ばれるものが知られている。再反応とは、塩化マグネシウムの溶融塩電解で生成した金属マグネシウムと塩素ガスとが反応し、塩化マグネシウムが生成してしまうことを指す。かかる現象が生じる理由としては、溶融塩浴が高温であったり、金属マグネシウムと塩素ガスとが接触しやすかったりすると再反応が促進されると考えられている。
【0007】
先述したように、特許文献1~2は溶融塩浴の電解室の浴面レベルを一定に管理してカレントリークの発生を抑制し、もって電流効率の向上を図るというものである。即ち、特許文献1~2には、再反応の抑制に着目して電流効率を改善する発明の開示も示唆もされていない。したがって、電流効率を向上させる観点から、公知の技術である特許文献1~2に対し未だ改良の余地があるといえる。
また、電解室の浴面上には人体に影響のある塩素ガスが離脱するので、電解室の浴面位置を電解槽の蓋側から確認するのは困難であるか作業負荷が大きいと想定され、この点でも改善の余地があるといえる。
【0008】
そこで、本発明は一実施形態において、回収室における溶融浴の浴面レベルを適切に管理して高い電流効率を実現することが可能な金属マグネシウムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討した結果、複極の少なくとも一つを電解反応発生面を有する厚幅部と前記厚幅部の上側に配置された薄幅部とを有するものとし、溶融塩電解において回収室における溶融浴の浴面の高さ位置を深さ方向において電解槽の開口から15cm以上かつ42cm以下の範囲内に維持することを含むことで、回収室における溶融浴の浴面レベルを適切に管理して高い電流効率を実現できることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下に例示される。
[1]
電解室及び回収室を有する電解槽と、前記電解室に配置された陽極、複極、陰極を含む電極とを用い、溶融塩浴中の塩化マグネシウムを溶融塩電解し金属マグネシウムを製造する金属マグネシウムの製造方法であって、
前記複極の少なくとも一つは、電解反応発生面を有する厚幅部と前記厚幅部の上側に配置された薄幅部とを有し、
前記溶融塩電解において、前記回収室における溶融浴の浴面の高さ位置を、深さ方向において前記電解槽の開口から15cm以上かつ42cm以下の範囲内に維持することを含む、金属マグネシウムの製造方法。
[2]
回収室における浴面の高さ位置を電解槽の開口から15cm以上かつ42cm以下の範囲内に維持する間、前記複極の薄幅部の少なくとも一部が前記電解室の溶融塩浴の浴面上に露出している、[1]の金属マグネシウムの製造方法。
[3]
前記複極は、その厚み方向における薄幅部の厚みが一定であって、前記厚幅部と前記薄幅部との間に段差を有する、[1]又は[2]の金属マグネシウムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、回収室における溶融浴の浴面レベルを適切に管理して高い電流効率を実現することができる金属マグネシウムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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