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公開番号2025121309
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016684
出願日2024-02-06
発明の名称金属皮膜の成膜装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C25D 21/14 20060101AFI20250812BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】成膜により減少しためっき液に合わせて、供給槽に補給液を補給することにより、品質の安定した金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置1は、収容体15にめっき液Lを供給する供給槽58と、供給槽58と収容体15との間で、めっき液Lを循環させる循環機構50と、成膜時に収容体15のめっき液Lに由来して、電解質膜13から滲み出す滲み出し液LRの液総量を測定する測定装置60と、供給槽58に、液総量に相当する液量の補給液LSを補給する補給装置80と、をさらに備える。補給装置80は、補給液LSの補給により、成膜後に供給槽58に収容されためっき液Lの金属イオンの濃度が、成膜前に供給槽58に収容されためっき液Lの金属イオンの濃度に近づくように、金属イオンの濃度を調整した補給液LSを供給槽58に補給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陽極と、めっき液を収容する収容体と、前記陽極と対向した位置に形成された前記収容体の開口部を覆うことにより、前記めっき液を前記収容体に封止する電解質膜と、を備え、電解めっきにより、前記電解質膜に接触した基材に金属皮膜を成膜する成膜装置であって、
前記収容体に前記めっき液を供給する供給槽と、
前記供給槽と前記収容体との間で、前記めっき液を循環させる循環機構と、
成膜時に前記収容体の前記めっき液に由来して、前記電解質膜から滲み出す滲み出し液の液総量を測定する測定装置と、
前記供給槽に、前記液総量に相当する液量の補給液を補給する補給装置と、をさらに備え、
前記補給装置は、前記補給液の補給により、成膜後に前記供給槽に収容されためっき液の金属イオンの濃度が、成膜前に前記供給槽に収容された前記めっき液の金属イオンの濃度に近づくように、成膜前の前記めっき液の金属イオンの濃度よりも高い濃度に調整した前記補給液を前記供給槽に補給することを特徴とする金属皮膜の成膜装置。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記成膜装置は、複数の前記基材を、順次成膜するものであり、
前記測定装置は、前記金属皮膜の成膜時に、前記陽極と前記基材に通電された電流積算量を測定し、
前記補給装置は、前記電流積算量および前記液総量に基づいて、前記補給液の前記金属イオンの濃度を調整し、調整した前記補給液を前記供給槽に補給することを特徴とする請求項1に記載の金属皮膜の成膜装置。
【請求項3】
前記測定装置は、前記金属皮膜の成膜時に、前記陽極と前記基材に通電された電流積算量を測定し、
前記補給装置は、前記電流積算量が、予め設定された量に到達したタイミングで、前記補給液を、前記供給槽に供給することを特徴とする請求項1に記載の金属皮膜の成膜装置。
【請求項4】
前記補給装置は、前記基材の成膜ごとに、前記補給液を補給することを特徴とする請求項1に記載の金属皮膜の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属皮膜の成膜装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
この種の技術として、たとえば、特許文献1には、基材の表面に、電解めっきにより金属皮膜を成膜する成膜装置が提案されている。成膜装置は、陽極と、めっき液を収容する収容体と、陽極と対向した位置に形成された収容体の開口部を覆うことにより、めっき液を収容体に封止する電解質膜と、を備えている。成膜装置は、収容体にめっき液を供給する供給槽と、供給槽と収容体との間で、めっき液を循環させる循環機構と、をさらに備えることがある。この成膜装置によれば、陽極と基材との間に電圧を、電解質膜に接触した基材に金属皮膜を成膜することができる。金属皮膜の成膜時には、収容体に収容されためっき液の金属イオンは、金属皮膜の成膜に伴って、消費される。循環機構は、収容体と供給槽との間でめっき液を循環させるため、収容体に収容されためっき液の金属イオンを、補うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-122377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る成膜装置では、成膜時に電解質膜からめっき液に由来した滲み出し液が、基材に滲み出すことがある。これにより滲み出し液の液総量分、供給槽のめっき液の液量が減少する。このような結果、供給槽に収容されためっき液の金属イオンの濃度を保持したまま、供給槽のめっき液の液量が減少しないことがあり、供給槽の金属イオンの濃度を管理することは難しい。さらに、成膜した金属イオンに相当する金属塩を、供給槽に投入しても、この金属塩が、供給槽に溶け残ってしまうおそれもある。このような結果、成膜した金属皮膜の品質が安定しないことがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成膜により減少しためっき液に合わせて、供給槽に補給液を補給することにより、品質の安定した金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題に鑑みて、本発明に係る金属皮膜の成膜装置は、陽極と、めっき液を収容する収容体と、前記陽極と対向した位置に形成された前記収容体の開口部を覆うことにより、前記めっき液を前記収容体に封止する電解質膜と、を備え、電解めっきにより、前記電解質膜に接触した基材に金属皮膜を成膜する成膜装置である。成膜装置は、前記収容体に前記めっき液を供給する供給槽と、前記供給槽と前記収容体との間で、前記めっき液を循環させる循環機構と、成膜時に前記収容体の前記めっき液に由来して、前記電解質膜から滲み出す滲み出し液の液総量を測定する測定装置と、前記供給槽に、前記液総量に相当する液量の補給液を補給する補給装置と、をさらに備える。前記補給装置は、前記補給液の補給により、成膜後に前記供給槽に収容されためっき液の金属イオンの濃度が、成膜前に前記供給槽に収容された前記めっき液の金属イオンの濃度に近づくように、成膜前の前記めっき液の金属イオンの濃度よりも高い濃度に調整した前記補給液を前記供給槽に補給する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成膜により減少しためっき液に合わせて、供給槽に補給液を補給することにより、品質の安定した金属皮膜を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
(a)は、本実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の模式図であり、(b)は、(a)に示す成膜装置で成膜する状態を示す模式図である。
図1に示す成膜装置による成膜のフロー図である。
図1に示す成膜装置による成膜の別のフロー図である。
図1に示す成膜装置による成膜のさらなる別のフロー図である。
成膜回数ごとに測定した、供給槽のめっき液の金属イオンの濃度の変化を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図1~図5を参照しながら、本実施形態に係る金属皮膜の成膜装置1について説明する。図1に示すように、本実施形態では、成膜装置1は、陽極11と、電解質膜13と、陽極11と基材Bとの間に電圧を印加する電源14と、を備える。
【0010】
成膜装置1は、陽極11およびめっき液Lを収容する収容体15と、基材Bを載置する載置台40と、をさらに備える。成膜装置1は、収容体15を昇降させる直動アクチュエータ70をさらに備えている。直動アクチュエータ70は、電解質膜13と基材Bが接離自在となるように、ロッド72を直動させることで収容体15を昇降させる。直動アクチュエータ70は、本体71に対して直動するロッド72を有しており、ロッド72の先端には、収容体15が固着されている。
(【0011】以降は省略されています)

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