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公開番号2025081965
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195104
出願日2023-11-16
発明の名称亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト及びその製造方法
出願人スズキ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C25D 5/26 20060101AFI20250521BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】 一般的な条件のベイキング処理であっても十分に水素脱離を促進し、水素脆化を抑止することができる亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法は、ボルト基材を成形する工程S1と、ボルト基材の表面を覆う亜鉛めっき層を形成する工程S3と、亜鉛めっき層に、ボルト基材が亜鉛めっき層の外側と連通する連通部を形成する工程S4と、亜鉛めっき層に連通部が形成されたボルト基材を加熱するベイキング処理を行う工程S5とを含む。本発明の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトは、ボルト基材と、ボルト基材の表面を覆う亜鉛めっき層とを備え、亜鉛めっき層に、ボルト基材が亜鉛めっき層の外側と連通する連通部を有する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
ボルト基材を成形する工程と、
前記ボルト基材の表面を覆う亜鉛めっき層を形成する工程と、
前記亜鉛めっき層に、前記ボルト基材が前記亜鉛めっき層の外側と連通する連通部を形成する工程と、
前記亜鉛めっき層に前記連通部が形成されたボルト基材を加熱するベイキング処理を行う工程と
を含む、亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ボルト基材が、頭部と軸部とを備えており、前記軸部が、前記頭部側から順に、基部とネジ部とを備えており、
前記連通部を形成する工程において、前記基部の亜鉛メッキ層の部分に前記連通部を形成する、請求項1に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法。
【請求項3】
前記連通部を形成する工程において、前記頭部と前記軸部との境界から10mm以内の範囲の前記基部の亜鉛メッキ層に、前記連通部を形成する、請求項2に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法。
【請求項4】
前記連通部を形成する工程において、前記連通部を、前記基部の亜鉛メッキ層の全周に亘って延びるように形成する、請求項2又は3に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法。
【請求項5】
前記ボルト基材が、頭部と軸部とを備えており、
前記連通部を形成する工程において、前記頭部の端面の亜鉛メッキ層に前記連通部を形成するとともに、この連通部から前記ボルト基材の軸方向に沿って前記頭部と前記軸部との境界まで少なくとも延びる穴を前記ボルト基材に形成する、請求項1に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法。
【請求項6】
ボルト基材と、前記ボルト基材の表面を覆う亜鉛めっき層とを備える高強度ボルトであって、
前記亜鉛めっき層に、前記ボルト基材が前記亜鉛めっき層の外側と連通する連通部を有する、亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト。
【請求項7】
前記ボルト基材が、頭部と軸部とを備えており、前記軸部が、前記頭部側から順に、基部とネジ部とを備えており、
前記基部の亜鉛メッキ層の部分に前記連通部を有する、請求項6に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト。
【請求項8】
前記頭部と前記軸部との境界から10mm以内の範囲の前記基部の亜鉛メッキ層に前記連通部を有する、請求項7に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト。
【請求項9】
前記連通部が、前記基部の亜鉛メッキ層の全周に亘って延びている、請求項6又は7に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト。
【請求項10】
前記ボルト基材が、頭部と軸部とを備えており、
前記頭部の端面の亜鉛メッキ層に前記連通部を有するとともに、この連通部から前記ボルト基材の軸方向に沿って前記頭部と前記軸部との境界まで少なくとも延びる穴を前記ボルト基材が有する、請求項6に記載の亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、腐食環境で使用されるボルトには、亜鉛めっき等の防錆処理が施される。亜鉛めっきの成膜工程でボルト内部に水素が侵入することから、特に引張強度が1000MPaを超える高強度鋼のボルトでは水素脆化を生じるという問題がある。そこで、遅れ破壊の原因の一つである水素脆化を抑止するため、拡散性水素を脱離させることを目的として、防錆処理の後工程でベイキング処理を行うのが一般的である。
【0003】
このベイキング処理は、鉄鋼部品においては200℃まで昇温し、数時間保持するといった条件で実施される。ベイキング処理は、加熱によってボルト内部の水素拡散を促進するというものであるが、亜鉛めっきの皮膜は緻密であり、部品表面からの水素脱離は阻害されるため、ベイキング処理をしてもボルト内部に水素が残存する可能性がある。
【0004】
特許文献1には、鋼中の水素を低減させる方法として、熱間仕上圧延後徐冷段階にある鋼材を再結晶温度近傍、たとえば500℃まで1℃/sec以上の加熱速度で急速に再加熱することを特徴とする熱間圧延鋼材の脱水素方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-140642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ベイキング処理で水素脱離をより促進するためには、例えば、熱処理温度を上昇させたり、熱処理時間を長くすることが考えられる。しかしながら、特許文献1のように処理温度を例えば500℃まで上げると、ボルトの機械的性質や亜鉛めっきの性質に影響を与えるという問題がある。また、処理時間が長くすると、生産のサイクルに悪影響を与えるという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、一般的な条件のベイキング処理であっても十分に水素脱離を促進し、水素脆化を抑止することができる亜鉛めっき層を備えた高強度ボルト及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、その一態様として、亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトの製造方法であって、ボルト基材を成形する工程と、前記ボルト基材の表面を覆う亜鉛めっき層を形成する工程と、前記亜鉛めっき層に、前記ボルト基材が前記亜鉛めっき層の外側と連通する連通部を形成する工程と、前記亜鉛めっき層に前記連通部が形成されたボルト基材を加熱するベイキング処理を行う工程とを含む。
【0009】
また、本発明は、別の態様として、亜鉛めっき層を備えた高強度ボルトであって、ボルト基材と、前記ボルト基材の表面を覆う亜鉛めっき層とを備え、前記亜鉛めっき層に、前記ボルト基材が前記亜鉛めっき層の外側と連通する連通部を有する。
【発明の効果】
【0010】
このように本発明によれば、亜鉛めっき層に連通部を形成することで、ボルト基材が露出した水素の脱離経路ができ、よって、一般的な条件のベイキング処理であっても十分に水素脱離を促進し、水素脆化を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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