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公開番号
2025086392
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2023200315
出願日
2023-11-28
発明の名称
電着物の回収方法、電着物回収用治具、および電着物回収装置
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
弁理士法人貴和特許事務所
主分類
C25C
7/08 20060101AFI20250602BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】電着物の回収作業の予期しない中断が発生しにくい、電着物の回収方法を提供する。
【解決手段】複数の凹形の部分と複数の凸形の部分とを、電極板1の幅方向に関して交互に配置してなる第1凹凸部10と、前記複数の凹形の部分とは別の複数の凹形の部分と前記複数の凸形の部分とは別の複数の凸形の部分とを、電極板1の幅方向に関して交互にかつ第1凹凸部10に対して半ピッチずらして配置してなる第2凹凸部11とで挟まれた隙間に、前記隙間に収まる厚さの電極板1を配置し、表面に電着物2が付着した電極板1を、下方から上方に向けて前記隙間を通過させることにより、電極板1の表面から電着物2を削り落として回収する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電極板の表面から電着物を回収する方法であって、
複数の凹形の部分と複数の凸形の部分とを、前記電極板の幅方向に沿って交互に配置してなる第1凹凸部と、前記複数の凹形の部分とは別の複数の凹形の部分と前記複数の凸形の部分とは別の複数の凸形の部分とを、前記電極板の前記幅方向に関して交互にかつ前記第1凹凸部に対して半ピッチずらして配置してなる第2凹凸部とで挟まれた隙間に、前記隙間に収まる厚さの前記電極板を配置し、
前記表面に前記電着物が付着した前記電極板を、前記第1凹凸部または前記第2凹凸部の下方から上方に向けて前記隙間を通過させることにより、前記電極板の前記表面から前記電着物を削り落として回収する、電着物の回収方法。
続きを表示(約 550 文字)
【請求項2】
複数の凹形の部分と複数の凸形の部分とを長手方向に交互に配置してなる第1凹凸部を有し、かつ、前記複数の凹形の部分とは別の複数の凹形の部分と前記複数の凸形の部分とは別の複数の凸形の部分とを前記長手方向に交互にかつ前記第1凹凸部に対して半ピッチずらして配置してなる第2凹凸部を有し、
前記第1凹凸部は前記短手方向の一方の端部に配置され、かつ、前記第2凹凸部は前記短手方向の他方の端部に配置されている、電着物回収用治具。
【請求項3】
複数の電着物回収用治具と、
前記複数の電着物回収用治具の長手方向を水平にし、前記長手方向に直交する、水平である第1方向に離隔した状態で、前記複数の電着物回収用治具の前記長手方向の両方の端部それぞれで、前記長手方向を回転軸として回転可能な状態と不能な状態とを切り換え可能に前記複数の電着物回収用治具を支持する支持部と、
前記複数の電着物回収用治具のうち、前記第1方向に隣り合う2つの電着物回収用治具同士の間を下方から上方に向けて、表面に電着物が付着した電極板を移動させる変位機構と、
を備え、
前記複数の電着物回収用治具のそれぞれが、請求項2に記載の電着物回収用治具により構成されている、電着物回収装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電極板に付着したスライム状の電着物を回収する方法、並びに、電着物の回収に使用する治具および装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
銅の製錬法として、銅精鉱を熔融してアノードを作製し(熔錬工程)、得られたアノードから電解精製により電気銅を作製する(電解精製工程)方法が一般的に知られている。この方法は、大規模生産が可能であり、コストが低いことから、一般的な硫化鉱の処理に適しており、銅製錬の主流となっている。
【0003】
それぞれの工程について、より具体的に説明する。まず、熔錬工程において、銅精鉱を自溶炉で熔解してマットとし、得られたマットを転炉で酸化して粗銅とし、得られた粗銅を精製炉で精製して純度99%程度の精製粗銅を得て、この精製粗銅を鋳型に流し込んで、銅電解精製用のアノード(陽極板)を鋳造する。
【0004】
続く電解精製工程において、複数のアノードと、別に用意した複数のカソード(陰極板)とを、銅電解液が保持されている電解槽内に一定の間隔で交互に配置し、これらのアノードとカソードに通電する。これにより、アノードから電解液中に銅イオンが溶出し、この銅イオンがカソードに電着して、カソード上に銅品位が99.99%以上の電気銅が得られる。
【0005】
電解精製工程において、アノードから銅が、銅イオンとして電解液中に溶出すると同時に、アノードに含有されている、ヒ素、ビスマス、アンチモン、ニッケルなどの不純物も電解液に溶出する。電解液から銅イオンのみがカソードに電着し、高純度な電気銅が得られるが、不純物は電解液に残るため、その結果として、電解液の不純物濃度が上昇する。
【0006】
電解精製の進行に伴って電解液の不純物濃度が高くなると、不純物が銅とともに析出して、電気銅の銅品位を低下させる、電解液の配管にスケールを生じさせて操業を阻害する、および、高濃度では電極表面に不動態が生じやすいため、電力コストが増加するなどの問題が生じる。
【0007】
このため、電解液の一部を浄液工程に送って、不純物を除去したうえで、電解槽へ再度供給することが行われている。浄液工程では、電解液を真空蒸発して濃縮し、急冷することで過飽和となった銅を粗硫酸銅として析出させて除去する、濃縮および冷却工程、次いで、粗硫酸銅を回収した後のろ液である粗母液から、残留した銅、ヒ素、ビスマス、アンチモンを除去する、脱銅電解工程(脱砒電解工程)、さらに、脱銅後の含ニッケル溶液である脱銅終液から、ニッケルを粗硫酸ニッケルとして分離回収する、脱ニッケル工程などが行われる。
【0008】
脱銅電解工程では、被処理液(粗母液)中に浸漬させた鉛製の不溶性のアノードと銅製のカソードとの間に通電して、被処理液中に残留している銅、ヒ素、ビスマス、アンチモンなどをカソードの表面に析出させる。カソードの表面に付着した電着物(カソードスライム)がある程度の厚さになったら、通電を停止して処理槽からカソードを引き上げ、カソードの表面から電着物を除去する。
【0009】
カソードの表面から電着物を除去する作業は、カソードをクレーンなどにより吊り上げた状態で、カソードの側面を、作業員がハンマーなどの打撃工具を使用してたたくことにより、電着物を脱落させることで行うことができる。
【0010】
カソードの表面から電着物を除去する作業の際、作業者は、安全性の確保および衛生管理のため、保護メガネ、防塵マスクなどの保護具を着用する必要があり、作業者の負担が大きい。また、電着物が付着したカソードの側面をたたくと、電着物の一部が飛散、浮遊して視界が悪化してしまう可能性がある。視界が悪化した場合には、作業を一時中断する必要があり、電着物の時間当たりの回収効率が低下する要因となっている。また、カソードの一方の側面をたたき終えた後、反対側の側面をたたく際には、カソードの反対側に回り込むように移動する必要があり、作業性が悪い。
(【0011】以降は省略されています)
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