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公開番号2025098904
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023215324
出願日2023-12-20
発明の名称軸シール
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16J 15/3236 20160101AFI20250625BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】断面が略U字状の軸シールにおいて、略U字状の内側面に高い面圧(最高10MPa程度)がかかるような場合であっても、ゲート痕が起点となり成形体に亀裂が生じない軸シールを提供する。
【解決手段】軸シール1は、回転軸の外周面に密着して高圧の密封流体を封止する環状の軸シールであって、軸方向の断面視が略U字状の射出成形体であり、軸方向一方側に延伸して回転軸と摺動するシールリップ部2と、シールリップ部2よりも外径側に設けられた固定部3と、シールリップ部2と固定部3をつなぐ基端部4とを備え、軸シール1は、略U字状の内側面Aに射出成形のゲート痕gを有さず、略U字状の外側面Bにゲート痕gを有する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸の外周面に密着して密封流体を封止する環状の軸シールであって、
前記軸シールは、軸方向の断面視が略U字状の射出成形体であり、軸方向一方側に延伸して上記回転軸と摺動するシールリップ部と、前記シールリップ部よりも外径側に設けられた固定部と、前記シールリップ部と前記固定部をつなぐ基端部とを備え、
前記軸シールは、前記略U字状の内側面に射出成形のゲート痕を有さず、前記略U字状の外側面に上記ゲート痕を有することを特徴とする軸シール。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記ゲート痕は、前記略U字状の前記外側面のうち前記基端部の外側面に形成されることを特徴とする請求項1記載の軸シール。
【請求項3】
前記軸シールは前記略U字状の内側面に突き出しピン痕を有し、該突き出しピン痕は、前記略U字状の前記内側面のうち前記基端部の内側面に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の軸シール。
【請求項4】
前記軸シールにおいて、前記ゲート痕と前記突き出しピン痕の円周方向の位置は、重なり合わないことを特徴とする請求項3記載の軸シール。
【請求項5】
前記軸シールにおいて、前記ゲート痕と前記突き出しピン痕の径方向の位置は、重なり合わないことを特徴とする請求項3記載の軸シール。
【請求項6】
前記軸シールにおいて、前記ゲート痕の径方向の位置が、前記突き出しピン痕の径方向の位置よりも外径側に位置することを特徴とする請求項5記載の軸シール。
【請求項7】
前記固定部はリップ形状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の軸シール。
【請求項8】
前記軸シールはポリエステル系エラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマー組成物の成形体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の軸シール。
【請求項9】
前記軸シールが、固定スクロールと、該固定スクロールに対して旋回運動する可動スクロールとを組み合わせた圧縮機構を備えるスクロール式圧縮機に用いられ、前記回転軸が、前記圧縮機構を駆動する回転軸であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の軸シール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の軸シールに関し、特に、車載エアコンのスクロール式圧縮機における回転軸の軸シールに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
圧縮機には冷媒や冷凍機油の漏れを防止するシール部材が用いられている。例えば、固定スクロールと、該固定スクロールに対して旋回運動する可動スクロールとを組み合わせた圧縮機構部を備えるスクロール式圧縮機では、圧縮機構部を駆動する回転軸に軸シールが装着されている。
【0003】
特許文献1には、車載エアコンのスクロール式圧縮機の回転軸に使用される軸シールが開示されている。該軸シールは、軸方向の断面視が略U字状であり、軸方向一方側に延伸して上記回転軸と摺動するシールリップ部と、該シールリップ部よりも外径側に設けられた外リップ部とを備え、上記軸シールは、ポリエステル系エラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマー組成物の成形体であり、ASTM D790による曲げ弾性率が200MPa~2400MPaであることを特徴としている。この軸シールは射出成形により製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-092279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
射出成形において、成形体を形成するキャビティに溶融樹脂を注入するゲートや、射出成形金型から成形体を取り出す突き出しピンの成形体上の設定位置は、機能上および外観上の問題にならない位置であることや、突き出し時に無理抜きにならず容易に突き出せる位置に設定することが通常技術として知られている。
【0006】
特許文献1記載の軸方向の断面視が略U字状の環状の軸シールにおいては、シールリップ部の先端方向の径が縮径状態であり、シールリップ部よりも外径側に設けられた外リップ部の先端方向の径が拡径状態となっている。このため、射出成形において、無理抜きを避けるためシールリップ部と外リップ部をつなぐ基端部の外側面に突き出しピンを設定し、基端部の内側面にゲートを設定することが通常技術に合った設定位置である。また、基端部の内側面にゲートを設定することでゲート痕が外観上隠れることや、基端部の内側面にゲートを設定することで機能上の問題は生じないとされていた。
【0007】
しかし、軸シールのさらなる低リーク性や低トルク性の市場要求が高くなり、柔軟性と低摩擦性と耐摩耗性を兼ね備えた材料による軸シールの開発が行われている。柔軟性は軸シールの強度低下を招き、ゲート痕やウェルド部がさらに強度低下することが考えられる。
【0008】
断面が略U字状の軸シールの使用時には、密封流体によって軸シールの略U字状の外側面よりも略U字状の内側面の方が面圧が高くなり、例えばスクロール式圧縮機の主軸に使用する場合、内側面には最高で10MPaの面圧がかかることがある。
【0009】
ところで、射出成形体において、射出成形時のゲートの位置にはゲート痕が形成される。このゲート痕は、軸シールを形成する樹脂またはエラストマーの破断面になるため、引っ張り方向の強度が低下する部分でもある。そのため、略U字状の内側面に圧力を受けることでゲート痕が起点となり成形体に亀裂が生じるおそれがある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、断面が略U字状の軸シールにおいて、略U字状の内側面に高い面圧(最高10MPa程度)がかかるような場合であっても、ゲート痕が起点となり成形体に亀裂が生じない軸シールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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