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公開番号
2025080833
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-27
出願番号
2023194157
出願日
2023-11-15
発明の名称
転がり軸受用機械装置
出願人
NTN株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16N
31/00 20060101AFI20250520BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】高速回転する転がり軸受に対し、特別な加工を要求することなく、安定して良好な潤滑を維持することができる転がり軸受用機械装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受4の一側の給油側空間6に潤滑油を供給する給油路11aを有する軸箱11に、給油側空間6へ空気を引き込む通気路11cを設け、回転軸5を一方向に回転させると、排油手段としてのねじポンプ機構18のポンピング作用(あるいは通路15cに接続した吸引ポンプ(図示省略))によって、転がり軸受4の他側の排油側空間7の静圧が給油側空間6の静圧よりも小さくなり、給油側空間6の潤滑油が軸箱11の通気路11cから流入した空気と混合されてスムーズに排油側空間7へ流れる(軸受空間を貫通する)構成の転がり軸受用機械装置10とした。これにより、転がり軸受4の軸受空間に対する潤滑油の流入・排出が促され、安定して良好な潤滑状態が得られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外輪(1)と内輪(2)との間の環状の軸受空間に複数の転動体(3)を配した転がり軸受(4)を回転軸(5)に組み付けた状態で保持し、外部の潤滑油供給装置から送られてくる潤滑油を前記軸受空間の一側の給油側空間(6)に供給する給油路(11a)を有する軸箱(11)と、
前記軸受空間の他側の排油側空間(7)の静圧を前記給油側空間(6)の静圧よりも小さくし、前記排油側空間(7)から潤滑油を引き出す排油手段(18、20)とを備えた転がり軸受用機械装置(10)において、
前記軸箱(11)に、外部から前記給油側空間(6)へ空気を引き込む通気路(11c)が設けられていることを特徴とする転がり軸受用機械装置(10)。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記給油側空間(6)に供給された潤滑油の前記通気路(11c)からの流出を防止する逆止弁(16)が設けられている請求項1に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項3】
前記排油手段は、前記軸箱(11)を含む固定側部材と前記回転軸(5)を含む回転側部材との間に、前記排油側空間(7)と連通するラビリンス(18a)を設け、前記ラビリンス(18a)を形成する前記固定側部材の内周面と前記回転側部材の外周面のいずれか一方に、前記回転軸(5)の一方向の回転にともなって前記排油側空間(7)の潤滑油を外部に引き出す作用を生じる巻き方向のねじ形状を設けたねじポンプ機構(18)である請求項1または2に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項4】
前記ねじポンプ機構(18)のねじ形状の軸方向長さが、前記ラビリンス(18a)の軸方向長さ以上とされている請求項3に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項5】
前記ねじポンプ機構(18)のラビリンス(18a)を形成する前記固定側部材の内周面と前記回転側部材の外周面のうち、ねじ形状が設けられていない側に複数の周溝(5a)が設けられている請求項3に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項6】
前記ねじポンプ機構(18)のねじ形状が、前記固定側部材の内周面に設けられている請求項3に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項7】
前記転がり軸受(4)から潤滑油が排出される側に、前記排油側空間(7)から外部への潤滑油の漏出を防止する油封手段を備え、
前記油封手段は、前記軸箱(11)を含む固定側部材と前記回転軸(5)を含む回転側部材との間に前記排油側空間(7)と連通するラビリンス(21a)を設け、前記ラビリンス(21a)を形成する前記固定側部材の内周面と前記回転側部材の外周面のいずれか一方に、前記回転軸(5)の一方向の回転にともなって前記ラビリンス(21a)内の潤滑油に前記排油側空間(7)へ向かう方向の流れが生じる巻き方向のねじ形状を設けたねじシール機構(21)である請求項1または2に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項8】
前記転がり軸受(4)へ潤滑油が供給される側に、前記給油側空間(6)から外部への潤滑油の漏出を防止する油封手段を備え、
前記油封手段は、前記軸箱(11)を含む固定側部材と前記回転軸(5)を含む回転側部材との間に、前記給油側空間(6)と連通するラビリンスを設け、前記ラビリンスを形成する前記固定側部材の内周面と前記回転側部材の外周面のいずれか一方に、前記回転軸の一方向の回転にともなって前記ラビリンス内の潤滑油に前記給油側空間(6)へ向かう方向の流れが生じる巻き方向のねじ形状を設けたねじシール機構(19)である請求項1または2に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
【請求項9】
前記給油側空間(6)および排油側空間(7)の静圧をそれぞれ数値化して表示する圧力変換器、あるいは給油側空間(6)の静圧と排油側空間(7)の静圧の大小関係を示す圧力スイッチまたは差圧スイッチが設けられている請求項1または2に記載の転がり軸受用機械装置(10)。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、高速回転する転がり軸受を回転軸に組み付けた状態で保持して潤滑する転がり軸受用機械装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
電動車の技術分野においては、電費低減や走行性能向上を図るための手段として、電動機の回転速度を高めるとともに電動機を小型・軽量化して電動機の出力密度を高めようとする動きがある。しかし、電動機を高速化しようとすると、電動機の回転が入力される回転軸を支持する転がり軸受は、回転速度の上昇に伴う回転抵抗の増大によって、より多くのエネルギーが熱に変換されるようになり、発熱しやすくなる。また、転がり軸受の回転速度が上昇すると、軸受内部に生じる回転方向の空気流によって潤滑油が転動体と内外輪との転がり接触部に入り込みにくくなり(カーテン効果)、転がり接触部から潤滑油への熱交換も不十分となるので、焼付き等により軸受機能の失陥をまねくおそれがある。
【0003】
上記問題を解決するため、例えば特許文献1で開示されているような方法が提案されている。特許文献1で用いられる転がり軸受用機械装置(以下、単に「機械装置」とも称する。)は、図7に示すように、外輪51と内輪52との間の環状の軸受空間に複数の転動体(玉)53を配した転がり軸受(アンギュラ玉軸受)54を、外輪51が嵌め込まれる外筒55と、内輪52の両端面のそれぞれに当接する内輪間座56、57と、外輪51の両端面のそれぞれに当接する外輪間座58、59とによって回転軸60に組み付けた状態で保持している。その一方(図7の左側)の外輪間座58には図示省略した給油ノズルが設けられており、その給油ノズルによって外部の潤滑油供給装置から送られてくる潤滑油を転がり軸受54の軸受空間の一側に供給するようになっている。
【0004】
なお、以下では、転がり軸受に対して潤滑油が供給される側を「給油側」、潤滑油が排出される側を「排油側」と称する。合わせて、潤滑油が供給される転がり軸受の一側の空間を「給油側空間」、潤滑油が排出される転がり軸受の他側の空間を「排油側空間」と称する。
【0005】
また、外輪51に設けた排油穴51aおよび排油溝51bにより、転がり軸受54の排油側の軸受空間と外筒55に設けた排油路55aを連通させ、その排油路55aを負圧発生装置に接続している。そして、負圧発生装置を作動させると、その吸引力によって転がり軸受54の外輪51の排油穴51aや排油溝51bに負圧が作用し、転がり軸受54の排油側の軸受空間の余分な潤滑油が排油穴51aおよび排油溝51bを介して排出され、潤滑油過多や攪拌抵抗による異常発熱を抑制できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-216244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で提案されているような機械装置を用いても、dmn値(転動体のピッチ円直径dm(mm)×回転数n(min
-1
)が100万以上となると、カーテン効果によって給油側空間から排油側空間への潤滑油の流れに対する抵抗(以下、「貫通抵抗」と称する。)が大きくなるため、潤滑油が給油側空間から排油側空間へ十分に流れて行かず、潤滑油の軸受空間に対する流入・排出が妨げられて、潤滑不足を解消できないおそれがある。
【0008】
また、特許文献1では、機械装置の排油路の位置に合わせて転がり軸受の外輪に排油穴および排油溝を設けているので、外輪の加工が必要な分、転がり軸受のコストが高くなり製作期間が長くなるという問題があるし、転がり軸受の強度低下も懸念される。
【0009】
そこで、この発明は、高速回転する転がり軸受に対し、特別な加工を要求することなく、安定して良好な潤滑を維持することができる転がり軸受用機械装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明は、外輪と内輪との間の環状の軸受空間に複数の転動体を配した転がり軸受を回転軸に組み付けた状態で保持し、外部の潤滑油供給装置から送られてくる潤滑油を前記軸受空間の一側の給油側空間に供給する給油路を有する軸箱と、前記軸受空間の他側の排油側空間の静圧を前記給油側空間の静圧よりも小さくし、前記排油側空間から潤滑油を引き出す排油手段とを備えた転がり軸受用機械装置において、前記軸箱に、外部から前記給油側空間へ空気を引き込む通気路が設けられている構成を採用した(構成1)。
(【0011】以降は省略されています)
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