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公開番号2025083194
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196954
出願日2023-11-20
発明の名称浸炭部材、および、浸炭部材の製造方法
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250523BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】浸炭部材の疲労強度の低下を抑制しながら耐ピッチング性を高める技術を提供する。
【解決手段】浸炭部材は、質量%で、C:0.15%以上0.40%以下、Si:1.00%以上2.00%以下、Mn:0.30%以上1.50%以下、Cu:0.20%以下、Ni:0.20%以下、Cr:0.90%以下、Mo:0.40%以上1.00%以下からなり、残部にFe及び不可避的不純物を含む化学組成を有し、Si、Mn、Cr、Moの質量含有率をそれぞれ[Si]、[Mn]、[Cr]、[Mo]とし、表層の炭素の質量含有率を[表層C量]とするとき、73×[Si]-12×[Mn]+10×[Cr]+58×[Mo]+165×[表層C量]+478≧720の関係を満たし、300℃での焼戻し硬さが700HVより大きく、表面から0.2mmの深さまでの範囲にある炭化物のサイズが、2.0μm未満である。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.15%以上0.40%以下、
Si:1.00%以上2.00%以下、
Mn:0.30%以上1.50%以下、
Cu:0.20%以下、
Ni:0.20%以下、
Cr:0.90%以下、および、
Mo:0.40%以上1.00%以下、
からなり、残部にFe及び不可避的不純物を含む化学組成を有し、
Siの質量含有率を[Si]、Mnの質量含有率を[Mn]、Crの質量含有率を[Cr]、Moの質量含有率を[Mo]、表層における炭素の質量含有率を[表層C量]とするとき、
73×[Si]-12×[Mn]+10×[Cr]+58×[Mo]+165×[表層C量]+478≧720
の関係を満たし、
300℃での焼戻し硬さが700HVより大きく、
表面から0.2mmの深さまでの範囲にある炭化物のサイズが、2.0μm未満である、浸炭部材。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
質量%で、
V:0.10%以下、および、
Nb:0.10%以下、
の少なくとも一方を、さらに含む化学組成を有する、請求項1記載の浸炭部材。
【請求項3】
残留オーステナイト量が、12.00体積%以下である、請求項1記載の浸炭部材。
【請求項4】
[表層C量]が0.70%以上0.90%以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の浸炭部材。
【請求項5】
浸炭部材の基材である肌焼鋼に対して浸炭を行う工程と、
前記浸炭後の前記肌焼鋼に対してサブゼロ処理を実行する工程と、
前記サブゼロ処理後の前記肌焼鋼に対して焼戻しを行う工程と、
を備え、
質量%で、
C:0.15%以上0.40%以下、
Si:1.00%以上2.00%以下、
Mn:0.30%以上1.50%以下、
Cu:0.20%以下、
Ni:0.20%以下、
Cr:0.90%以下、および、
Mo:0.40%以上1.00%以下、
からなり、残部にFe及び不可避的不純物を含む化学組成を有し、
Siの質量含有率を[Si]、Mnの質量含有率を[Mn]、Crの質量含有率を[Cr]、Moの質量含有率を[Mo]、表層における炭素の質量含有率を[表層C量]とするとき、
73×[Si]-12×[Mn]+10×[Cr]+58×[Mo]+165×[表層C量]+478≧720
の関係を満たす浸炭部材を得る、浸炭部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、浸炭部材、および、浸炭部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
浸炭部材は、低炭素鋼の表層に炭素(C)を導入した後に焼入れによって硬化させる浸炭処理が施された鋼材である。浸炭部材は、多くの場合、例えば、ギヤやプーリー等の自動車部品をはじめとして、高い強度が求められる駆動系の機械部品に用いられる。従来から、浸炭部材については、その強度を高めるための様々な技術が提案されてきた。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、浸炭焼入れ層の表層C濃度や、ケイ素(Si)、および、クロム(Cr)の含有量を調整することにより、300℃での3時間の焼戻しの後の硬さを650HV以上とする技術が開示されている。また、下記の特許文献2には、Cや、Si、Cr、モリブデン(Mo)の含有量を調整するとともに、焼入れ後の残留オーステナイト量を規定することにより、浸炭部材の所望の強度を達成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2020/054522号
特開2009-108347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したような機械部品に用いられる浸炭部材には、面圧によってピッチングが発生して破損する場合があるという課題があった。浸炭部材の耐ピッチング性を高めるためには、例えば、特許文献1に開示されているように、表層に含有されるC量を増加させて、300℃での焼戻し後の硬さを高めることが有効であることが知られている。
【0006】
しかしながら、浸炭部材の表層のC量を増加させると、焼入れ後の残留オーステナイト量が増加して、焼入れによる硬さの向上効果が低くなってしまう可能性がある。また、浸炭部材の表層のC量を増加させると、表層に粗大な炭化物が生成される可能性が高くなり、浸炭部材の曲げ疲労強度の低下が引き起こされる可能性がある。
【0007】
本発明は、従来とは異なる方法により、浸炭部材の疲労強度の低下を抑制しながら耐ピッチング性を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0009】
[第1形態]第1形態は、浸炭部材として提供される。第1形態の浸炭部材は、質量%で、C:0.15%以上0.40%以下、Si:1.00%以上2.00%以下、Mn:0.30%以上1.50%以下、Cu:0.20%以下、Ni:0.20%以下、Cr:0.90%以下、および、Mo:0.40%以上1.00%以下からなり、残部にFe及び不可避的不純物を含む化学組成を有し、Siの質量含有率を[Si]、Mnの質量含有率を[Mn]、Crの質量含有率を[Cr]、Moの質量含有率を[Mo]、表層における炭素の質量含有率を[表層C量]とするとき、73×[Si]-12×[Mn]+10×[Cr]+58×[Mo]+165×[表層C量]+478≧720の関係が満たされ、表面から0.2mmの深さまでの範囲にある炭化物のサイズは、2.0μm未満であり、300℃での焼戻し硬さが720HV以上である。
【0010】
[第2形態]質量%で、V:0.10%以下、および、Nb:0.10%以下の少なくとも一方を、さらに含む化学組成を有する、上記第1形態に記載の浸炭部材。
(【0011】以降は省略されています)

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