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公開番号2025128854
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025816
出願日2024-02-22
発明の名称雰囲気熱処理炉
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C21D 1/76 20060101AFI20250827BHJP(鉄冶金)
要約【課題】N2ガスの使用量を抑制するとともに、炉内雰囲気制御における制御性の悪化を回避または軽減させることが可能な雰囲気熱処理炉を提供する。
【解決手段】雰囲気熱処理炉10は、炉内温度が目標温度に近付くように加熱手段に対する制御出力を調節する炉内温度制御手段45と、炉内雰囲気のCO濃度とCO2濃度から定まるカーボンポテンシャルの指標値(PF)が所定の値になるように、炉内に供給する雰囲気調整ガスの流量を調節する炉内雰囲気制御手段75と、を有している。炉内雰囲気制御手段75は、加熱工程においてCO含有ガス、または、CO含有ガスおよびN2ガスを雰囲気調整ガスとして炉内に供給し、均熱工程および冷却工程においてCO含有ガスおよびCO2ガス、または、CO含有ガスおよび空気を前記雰囲気調整ガスとして炉内に供給する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
炉体と、
炉内温度が目標温度に近付くように加熱手段に対する制御出力を調節する炉内温度制御手段と、
炉内雰囲気ガス中のCO濃度とCO
2
濃度から定まるカーボンポテンシャルの指標値であるPFが所定の値になるように、炉内に供給する雰囲気調整ガスの流量を調節する炉内雰囲気制御手段と、
を有し、
前記炉内雰囲気制御手段は、
炉内を所定の温度に加熱する加熱工程においてCO含有ガス、または、CO含有ガスおよびN
2
ガスを前記雰囲気調整ガスとして炉内に供給し、
炉内を所定の温度範囲で保持する均熱工程、および、炉内を所定の温度に冷却する冷却工程においてCO含有ガスおよびCO
2
ガス、または、CO含有ガスおよび空気を前記雰囲気調整ガスとして炉内に供給する、雰囲気熱処理炉。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
炉体中の同一区画で加熱、均熱および冷却が行われるバッチ式である、請求項1に記載の雰囲気熱処理炉。
【請求項3】
前記炉内雰囲気制御手段は、出炉前において、炉内雰囲気ガス中のCO濃度が所定値以下となるようにN
2
ガスをパージするとともに、前記PFが所定の値となるように炉内に供給するCO
2
ガスの流量を調節する、請求項1に記載の雰囲気熱処理炉。
【請求項4】
前記炉内雰囲気制御手段は、炉内雰囲気ガス中のCO
2
濃度が閾値を下回った場合に、前記CO
2
濃度が前記閾値以上となるように炉内に供給するCO
2
ガスまたは空気の流量を調節するCO
2
濃度回復機能部を更に備えている、請求項1に記載の雰囲気熱処理炉。
【請求項5】
CO
2
ガスまたは空気を前記雰囲気調整ガスとして選択的に切り替えて炉内に供給する雰囲気調整ガス切替手段を更に備えている、請求項1に記載の雰囲気熱処理炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は鋼材等の熱処理に好適に用いられる雰囲気熱処理炉に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
鋼材等の熱処理に用いられる雰囲気熱処理炉においては、COやCO
2
を含むガスを用いて炉内雰囲気が制御される。この際の雰囲気制御の指標としては、CO濃度(%)とCO
2
濃度(%)から定まるカーボンポテンシャルの指標値(PF=(CO%)
2
/CO
2
%)が用いられ、炉内雰囲気ガス中のCO濃度とCO
2
濃度の検出値から算出された前記PFの値が予め定められた目標値と一致するように、炉内に供給される雰囲気調整ガスの流量が調節される。
【0003】
一般的に雰囲気調整ガスとしては、CO含有ガスとしてのRXガスと、不活性ガスであるN
2
ガスが用いられる。RXガスを炉内に供給することで炉内雰囲気のPFを上昇させることができ、RXガスの流量を低下させることでPFの上昇速度を抑えることができる。またN
2
ガスを炉内に供給することで雰囲気ガスが希釈されPFを下げることができる。このようなRXガスとN
2
ガスを用いたPF制御は、例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-132997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなPF制御は、N
2
ガスの使用量増大によるランニングコストの増加を招く。
またN
2
ガスの炉内への供給は、炉内雰囲気ガス中のCO濃度とCO
2
濃度をともに低下方向に変動させ、制御性の低下を招く。特に炉内雰囲気ガス中のCO
2
濃度が過度に低くなってしまうと低PF領域での雰囲気制御が困難になってしまう。
【0006】
本発明は以上のような事情を背景とし、N
2
ガスの使用量を抑制するとともに、炉内雰囲気制御における制御性の悪化を回避または軽減させることが可能な雰囲気熱処理炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
而してこの発明の第1の局面の雰囲気熱処理炉は次のように規定される。即ち、
炉体と、
炉内温度が目標温度に近付くように加熱手段に対する制御出力を調節する炉内温度制御手段と、
炉内雰囲気ガス中のCO濃度とCO
2
濃度から定まるカーボンポテンシャルの指標値であるPFが所定の値になるように、炉内に供給する雰囲気調整ガスの流量を調節する炉内雰囲気制御手段と、
を有し、
前記炉内雰囲気制御手段は、
炉内を所定の温度に加熱する加熱工程においてCO含有ガス、または、CO含有ガスおよびN
2
ガスを前記雰囲気調整ガスとして炉内に供給し、
炉内を所定の温度範囲で保持する均熱工程、および、炉内を所定の温度に冷却する冷却工程においてCO含有ガスおよびCO
2
ガス、または、CO含有ガスおよび空気を前記雰囲気調整ガスとして炉内に供給する。
【0008】
このように規定された第1の局面の雰囲気熱処理炉によれば、均熱工程および冷却工程におけるPF制御において、N
2
ガスに代えてCO
2
ガスもしくは空気が炉内に供給されるため、N
2
ガスの使用量を抑えることができる。
また、N
2
ガスを炉内に供給した場合、炉内雰囲気ガス中のCO
2
濃度およびCO濃度の双方が変動するのに対し、CO
2
ガスもしくは空気を炉内に供給した場合に変動するのは実質CO
2
濃度のみであるため制御性を向上させることができる。CO
2
ガスもしくは空気が供給されることで炉内雰囲気ガス中のCO
2
濃度の低下が抑制され、CO
2
濃度の低下に起因する制御性の悪化を回避または軽減することができる。
【0009】
ここで雰囲気熱処理炉は、炉体中の同一区画で加熱、均熱および冷却が行われるバッチ式とすることができる(第2の局面)。
【0010】
またこの発明では、前記炉内雰囲気制御手段が、出炉前において、炉内雰囲気ガス中のCO濃度が所定値以下となるようにN
2
ガスをパージするとともに、前記PFが所定の値となるように炉内に供給するCO
2
ガスの流量を調節することができる(第3の局面)。このようにすれば、出炉前における炉内雰囲気のPFを低い値で制御することができ、意図しない浸炭のリスクを回避することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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