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公開番号2025164476
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2024068481
出願日2024-04-19
発明の名称ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ及びガスシールドアーク溶接方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 35/30 20060101AFI20251023BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】Ni含有量が1質量%以下であり、溶接のまま及びPWHT後のいずれにおいても溶接金属の位置にかかわらず、強度及び低温靱性が良好である溶接金属を得ることができるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供する。
【解決手段】ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対して、C:0.025質量%以上0.080質量%以下、Si:0.15質量%以上0.50質量%以下、Mn:1.5質量%以上3.0質量%以下、Ni:0.50質量%以上1.00質量%未満、Mo:0.05質量%以上0.40質量%以下、B:0.004質量%以上0.010質量%以下、及び、Fe:85質量%以上、を含有し、Cu:0.25質量%以下、である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鋼製外皮にフラックスが充填されたガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量に対して、
C:0.025質量%以上0.080質量%以下、
Si:0.15質量%以上0.50質量%以下、
Mn:1.5質量%以上3.0質量%以下、
Ni:0.50質量%以上1.00質量%未満、
Mo:0.05質量%以上0.40質量%以下、
B:0.004質量%以上0.010質量%以下、及び、
Fe:85質量%以上、を含有し、
Cu:0.25質量%以下、
であることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
ワイヤ中のNi含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[Ni]と表し、
ワイヤ中のMo含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[Mo]と表し、
ワイヤ中のB含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[B]と表し、
ワイヤ中のSi含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[Si]と表し、
ワイヤ中のMn含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[Mn]と表し、
ワイヤ中のSi含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[Cu]と表し、
ワイヤ中のSi含有量をワイヤ全質量に対する質量%で[C]と表す場合に、
([Ni]+10×[Mo]+10×[B])/(5×[Si]+[Mn]+10×[Cu]+2×[C]):0.49以上1.10以下であることを特徴とする、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【請求項3】
さらに、ワイヤ全質量に対して、
Mg:0.2質量%以上1.0質量%以下、
を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【請求項4】
ワイヤ全質量に対して、
Cr:0.09質量%以下、及び
Al:0.15質量%以下、であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【請求項5】
さらに、Ti、F、Na及びKから選択された少なくとも1種を、ワイヤ全質量に対して、
Ti:2.5質量%以上7.0質量%以下、
F:0.05質量%以上0.30質量%以下、
NaとKとの合計:0.05質量%以上0.30質量%以下、の範囲で含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いてガスシールドアーク溶接することを特徴とするガスシールドアーク溶接方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いて、ガスシールドアーク溶接により製造されることを特徴とする溶接金属。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、引張強さが490~670MPa級の鋼材の溶接に使用されるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ及びガスシールドアーク溶接方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
石油、ガス等の掘削及び生産に使用される海洋構造物や、油、ガス等の輸送に使用されるパイプラインは、設備の大型化や寒冷地での稼働が増加しており、これらの溶接構造物の建造に使用される鋼板や溶接材料には、高強度であるとともに低温での靱性に優れた特性が求められる。上記のような溶接構造物を建造する場合に、溶接施工後に応力除去を目的とした溶接後熱処理(PWHT:Post Weld Heat Treatment)が施される場合がある。
【0003】
しかし、このPWHTによって、溶接部の強度及び靱性が低下し、要求される特性が得られない場合がある。そこで、PWHT後の強度及び靱性を向上させるために、Niが添加されたフラックス入りワイヤが使用されることがある。
【0004】
ところで、上記海洋構造物やパイプラインにおいては、硫化水素含有(サワー)環境によって、硫化物応力腐食割れ(SSCC:Sulfide Stress Corrosion Cracking)や水素脆性という問題が発生する。上記問題に対応するため、米国防蝕技術協会(NACE:National Association of Corrosion Engineers)の規格(NACE MR0175)では、溶接金属中のNi含有量が1質量%以下に規制されている。
【0005】
そこで、特許文献1には、C:0.03~0.09%、Si:0.1~0.6%、Mn:1.3~2.6%、Cu:0.01~0.5%、Ti:0.05~0.5%、B:0.002~0.015%を含有し、Al:0.05%以下であり、フラックス中の酸化物及び化合物等の含有量が限定されており、低温靱性(以下、単に「靱性」ともいう。)が良好な溶接金属が得られる、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが開示されている。また、上記特許文献1には、フラックス入りワイヤが、Ni:0.1~0.5%をさらに含有することにより、溶接金属の低温靱性をより安定にする効果を得られることが記載されている。また、特許文献2に記載のフラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量あたり、Cを0.01~0.12質量%、Siを0.05質量%以上0.30質量%未満、Mnを1.0~3.5質量%、Niを0.1質量%以上1.0質量%未満、Moを0.10~0.30質量%、Crを0.1~0.9質量%、TiO

を4.5~8.5質量%、SiO

を0.10~0.40質量%、Al



を0.03~0.23質量%と、所定量のNa化合物やK化合物を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017-94360号公報
特許第6322093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載のフラックス入りワイヤは、優れた低温靱性を確保するために、Niを0.1~0.5質量%含有しているものの、PWHT後の強度及び低温靱性が考慮されていない。
【0008】
さらに、上記特許文献1及び2のいずれに記載のフラックス入りワイヤにおいても、-40℃よりも低い温度における靱性について、十分に検討されておらず、より低温度の領域における靱性が十分に得られない可能性がある。また、溶接金属においては、一般的に溶接金属の中央部が最も靱性が高く、冷却速度の低下等により溶接金属の中央部(パス会合部)から熱影響部に近づくにつれて低下する。このように試験片の採取位置によっては溶接金属の靱性が急激に劣化することがあるが、上記特許文献1及び2のいずれにおいても溶接金属中央部の靱性しか考慮されておらず、溶接金属中央部から外れた箇所においては、所定の靱性が得られない可能性がある。したがって、NACE MR0175で規定される溶接金属中のNi含有量を満足するとともに、溶接のまま(As-welded)及びPWHT後のいずれにおいても、溶接金属内の位置にかかわらず、強度及び低温での靱性が優れた溶接金属を得ることができるフラックス入りワイヤへの要求が高くなっている。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、Ni含有量が1質量%以下であっても、溶接のまま及びPWHT後のいずれにおいても溶接金属内の位置に関わらず強度及び低温靱性が良好である溶接金属を得ることができるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ、及びガスシールドアーク溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに係る下記[1]の構成により達成される。
(【0011】以降は省略されています)

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