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公開番号2025141254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024041105
出願日2024-03-15
発明の名称Ni基合金フラックス入りワイヤ
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 35/368 20060101AFI20250919BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】スラグ剥離性及びビード形状が良好であるとともに、ブローホールや表面ピット等の溶接欠陥の発生が抑制された溶接金属を得ることができるNi基合金フラックス入りワイヤを提供する。
【解決手段】Ni基合金からなる外皮にフラックスを充填してなるNi基合金フラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対して、Ni、Cr、Mo、W、Mn及びFeをそれぞれ所定量で含有するとともに、TiO2:3.0質量%以上10.0質量%以下、金属Si及びSi酸化物のSiO2換算値:1.0質量%以上3.0質量%以下、金属Zr及びZr酸化物のZrO2換算値:1.0質量%以下、Al2O3:0.2質量%以上1.2質量%以下、MnO2:0.2質量%以上1.6質量%以下、を含有し、F:0.07質量%以下、である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Ni基合金からなる外皮にフラックスを充填してなるNi基合金フラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量に対して、
Ni:39質量%以上59質量%以下、
Cr:5質量%以上20質量%以下、
Mo:10質量%以上20質量%以下、
W:1.0質量%以上5.0質量%以下、
Mn:0.1質量%以上5質量%以下、
Fe:3.0質量%以上10.0質量%以下、
TiO

:3.0質量%以上10.0質量%以下、
金属Si及びSi酸化物のSiO

換算値:1.0質量%以上3.0質量%以下、
金属Zr及びZr酸化物のZrO

換算値:1.0質量%以下、
Al



:0.2質量%以上1.2質量%以下、
MnO

:0.2質量%以上1.6質量%以下、を含有し、
F:0.07質量%以下、
であることを特徴とするNi基合金フラックス入りワイヤ。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
Na、K及びLiから選択された少なくとも1種を含有する場合に、下記式(1)により算出される値A1が、0.70以下であることを特徴とする、請求項1に記載のNi基合金フラックス入りワイヤ。
式(1):A1=[Na]+[K]+[Li]
ただし、[Na]は、ワイヤ中の前記Naの含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[K]は、ワイヤ中の前記Kの含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[Li]は、ワイヤ中の前記Liの含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値である。
【請求項3】
ワイヤ全質量に対して、
金属B及びB化合物のB換算値:0.030質量%以下、を含有することを特徴とする、請求項1に記載のNi基合金フラックス入りワイヤ。
【請求項4】
ワイヤ全質量に対して、
Ti:0.50質量%以下、及び
Al:0.50質量%以下、であることを特徴とする請求項1に記載のNi基合金フラックス入りワイヤ。
【請求項5】
下記式(2)により算出される値A2が、3.48以下であることを特徴とする、請求項1に記載のNi基合金フラックス入りワイヤ。
式(2):A2=([Al]+[Al



]+[TiO

])/([SiO

]+[ZrO

]×0.1)
ただし、[Al]は、ワイヤ中のAl含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[Al



]は、前記Al



の含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[TiO

]は、前記TiO

の含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[SiO

]は、前記SiO

換算値をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[ZrO

]は、前記ZrO

換算値をワイヤ全質量に対する質量%で表した値である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Ni基合金フラックス入りワイヤに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
化学プラントや、海水による腐食環境に曝される構造物や、極低温圧力容器であるLNGタンクなどを製造する際には、構造部材として、例えば高耐食オーステナイト系ステンレス鋼や9%Ni鋼が使用される。そして、これらの構造部材には、一般的に共金系ではなく、インコネル(登録商標)625、ハステロイ(登録商標)C276系に代表されるNi基合金溶接材料が用いられている。これらのNi基合金溶接材料による溶接法としては、ガスタングステンアーク溶接(GTAW:Gas Tungsten Arc Welding)、サブマージアーク溶接(SAW:Submerged Arc Welding)、被覆アーク溶接(SMAW:Shielded Metal Arc Welding)が主流である。しかし、近年、作業能率の向上を図るため、Ni基合金を外皮とするフラックス入りワイヤであるNi基合金フラックス入りワイヤを用いるフラックスコアードアーク溶接(FCAW:Flux Cored Arc Welding)の適用が広がりつつある。
【0003】
例えば特許文献1には、立向姿勢での溶接作業性、耐高温割れ性が優れ、スラグの焼付き及びビード表面のピットの発生を低減できるNi基合金フラックス入りワイヤが提案されている。上記特許文献1に記載のフラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対して、Mn、Ni、Cr、Mo、W、及びFeをそれぞれ所定量で含有する。また、ワイヤ全質量に対するフラックス中のTiO

、SiO

換算値、ZrO

換算値、Al



、MnO

、Bi



の含有量や、([TiO

]+[ZrO

])/([SiO

]+[Al



])により算出される値が規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-133422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のフラックス入りワイヤは、立向姿勢での溶接作業性に優れていることを課題の1つにしているため、溶接時において、溶融プールが垂れずに支持されるように、スラグの融点と粘度が高くなるように設計されている。したがって、溶接中に発生した気体(酸素、水素等)は、スラグが固まるまでの間に、十分に融溶プールから排出できないことがある。また、上記フラックス入りワイヤを、例えば横向き溶接に適用すると、開先の上側が壁となって気体の排出が阻害される。このように、溶接中に発生した気体が溶融プールに残存すると、ブローホールや表面ピット等の溶接欠陥が発生する。
【0006】
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、スラグの粘度を適切に保つことができ、スラグ剥離性及びビード形状が良好であるとともに、立向溶接以外の溶接姿勢であっても、ブローホールや表面ピット等の溶接欠陥の発生が抑制された溶接金属を得ることができるNi基合金フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、Ni基合金フラックス入りワイヤに係る下記[1]の構成により達成される。
【0008】
[1] Ni基合金からなる外皮にフラックスを充填してなるNi基合金フラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量に対して、
Ni:39質量%以上59質量%以下、
Cr:5質量%以上20質量%以下、
Mo:10質量%以上20質量%以下、
W:1.0質量%以上5.0質量%以下、
Mn:0.1質量%以上5質量%以下、
Fe:3.0質量%以上10.0質量%以下、
TiO

:3.0質量%以上10.0質量%以下、
金属Si及びSi酸化物のSiO

換算値:1.0質量%以上3.0質量%以下、
金属Zr及びZr酸化物のZrO

換算値:1.0質量%以下、
Al



:0.2質量%以上1.2質量%以下、
MnO

:0.2質量%以上1.6質量%以下、を含有し、
F:0.07質量%以下、
であることを特徴とするNi基合金フラックス入りワイヤ。
【0009】
また、Ni基合金フラックス入りワイヤに係る本発明の好ましい実施形態は、以下の[2]~[5]に関する。
【0010】
[2] Na、K及びLiから選択された少なくとも1種を含有する場合に、下記式(1)により算出される値A1が、0.70以下であることを特徴とする、[1]に記載のNi基合金フラックス入りワイヤ。
式(1):A1=[Na]+[K]+[Li]
ただし、[Na]は、ワイヤ中の前記Naの含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[K]は、ワイヤ中の前記Kの含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値であり、[Li]は、ワイヤ中の前記Liの含有量をワイヤ全質量に対する質量%で表した値である。
(【0011】以降は省略されています)

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