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公開番号
2025066262
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-23
出願番号
2023175721
出願日
2023-10-11
発明の名称
ろ材層の圧密状態制御方法
出願人
株式会社石垣
代理人
主分類
B01D
24/00 20060101AFI20250416BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】ろ材の状態に応じて圧密水排出終了の指標を変更することでろ過処理に最適な状態のろ材層を形成できるろ材層の圧密状態制御方法を提供する。
【解決手段】
ろ過処理前にろ過槽に貯留した圧密水を下方から排出して排出時の動圧でろ材層を圧密する圧密処理を行うろ過装置において、予め圧密状態の判別指標となる基礎排出値と、圧密水の初期排出値に対応する係数を段階的に設定し、圧密水排出工程の初期排出値から係数を算出し、係数を基礎排出値に乗じて基準排出値を算出し、圧密の進行に伴って変化する圧密水の排出速度又は排出流量のうち少なくとも一方の排出値が基準排出値に到達した場合、圧密状態が良好であると判別し圧密水排出工程を終了してろ過処理工程に移行し、排出値が基準排出値に未達の場合、圧密状態が良好でないと判別し再度ろ過槽に圧密水を供給する圧密水貯留工程に移行することで、均一な圧密度のろ材層を形成できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
沈降性の粒状繊維ろ材で形成したろ材層(11)を有するろ過装置(1)で、ろ過処理工程開始前にろ過槽(2)に圧密水を貯留し、ろ過槽(2)の下方から圧密水を排出する際の動圧でろ材層(11)を圧密する圧密処理工程を行うろ過装置(1)において、
予め圧密状態の判別指標となる基礎排出値と、圧密水の初期排出値に対応する係数を段階的に設定し、
圧密水排出工程の初期排出値から係数を算出し、
係数を基礎排出値に乗じて基準排出値を算出し、
圧密の進行に伴って変化する圧密水の排出速度または排出流量のうち、少なくとも一方の排出値が基準排出値に到達した場合、ろ材層(11)の圧密状態が良好であると判別して圧密水排出工程を終了してろ過処理工程に移行し、
排出値が基準排出値に未達の場合、ろ材層(11)の圧密状態が良好でないと判別して再度ろ過槽(2)に圧密水を供給する圧密水貯留工程に移行する
ことを特徴とするろ材層の圧密状態制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状繊維ろ材を積層したろ過装置に関し、ろ過処理工程前のろ材層の圧密状態を最適な状態に制御するろ材層の圧密状態制御方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、沈降性の粒状繊維ろ材を内部に充填したろ過装置の上部から被処理液を供給して、被処理液中の懸濁物質を除去するろ過処理方法が知られている。このろ過処理方法において、ろ過槽内に形成されたろ材層の空隙率が高い場合、被処理液はろ材間を通過しやすくなり、被処理液中の懸濁物質がろ材層で十分に捕捉されない。そのため、ろ過処理工程の前段でろ材層を圧密してろ材層内の空隙率を低減し、ろ過能力を高める必要があった。
【0003】
特許文献1の図3には、ろ材層を形成したろ過槽内に所定水位まで圧密水を貯留した後、ろ過槽下方に接続された排水管を開放することで、排水される圧密水の水圧を受けてろ材層が圧密される技術が開示してある。
【0004】
特許文献2には、濾過工程の継続に伴って浮遊物質がろ材に付着し、それによって生じる濾過抵抗の増大や濾過水量の減少を、原水供給管に設けた圧力計や濾過水排出管に設けた流量計で検出して逆洗浄を開始する技術が開示してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-147988号公報
特表2004-524964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、ろ過槽内に形成されたろ材層の圧密度を高めるために、特許文献1に記載された方法にてろ材層の圧密が行われるが、圧密後のろ材層がどの程度圧密されているか把握する手段はなかった。また、従来の方法では予め定めた所定回数に到達するまで圧密を行うため、ろ材層がろ過処理に最適な状態になった後もろ材層が継続的に圧密されていた。圧密時間の長期化に伴って設備の稼働時間が長くなるとともに早期にろ過処理工程に移行できないといった課題を有していた。さらに、新たに交換した新ろ材によって形成されるろ材層と長期間使用後に洗浄したろ材によって形成されるろ材層では、ろ材の形状変化や弾力性の変化に伴って圧縮状態が変化するため、予め定めた所定回数圧密を繰り返す形態ではろ過処理に最適なろ材層を形成することができなかった。
【0007】
特許文献2には、濾過装置内の濾過抵抗の増大や排出される濾過水量の減少を圧力計や流量計にて検出する技術が開示してあるが、検出方法に関して具体的な記載及び示唆はない。濾過抵抗の増大や濾過水量の減少を検出してろ過処理から洗浄処理へ切り替えるものであり、検出された値を用いてろ過処理前のろ材層の圧密状態を検出することを目的としたものではない。
【0008】
本発明は、沈降性の粒状繊維ろ材を積層したろ過槽の上方から被処理液を供給して被処理液中の懸濁物質を除去するろ過装置において、圧密開始時のろ材の状態に応じて圧密水の基準排出値を適宜変更し、計測された圧密水の排出値が基準排出値に到達した時点で圧密水の排出を終了することで、ろ材の状態が変化してもろ過処理に最適なろ材層を形成できるろ材層の圧密状態制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、沈降性の粒状繊維ろ材で形成したろ材層を有するろ過装置で、ろ過処理工程開始前にろ過槽に圧密水を貯留し、ろ過槽の下方から圧密水を排出する際の動圧でろ材層を圧密する圧密処理工程を行うろ過装置において、予め圧密状態の判別指標となる基礎排出値と、圧密水の初期排出値に対応する係数を段階的に設定し、圧密水排出工程の初期排出値から係数を算出し、係数を基礎排出値に乗じて基準排出値を算出し、圧密の進行に伴って変化する圧密水の排出速度または排出流量のうち、少なくとも一方の排出値が基準排出値に到達した場合、ろ材層の圧密状態が良好であると判別して圧密水排出工程を終了してろ過処理工程に移行し、排出値が基準排出値に未達の場合、ろ材層の圧密状態が良好でないと判別して再度ろ過槽に圧密水を供給する圧密水貯留工程に移行することで、ろ材の形状変化や弾力性の変化に伴って圧縮状態が変化しても常にろ過処理に最適なろ材層を形成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ろ材の状態を圧密工程の初期排出時に判断し、ろ材層圧密時の基準排出値を適宜変更して、圧密水の排出値が基準排出値に到達した時点で圧密水の排出を終了するため、ろ材の状態が変化しても常時均一な圧密状態のろ材層を形成できる。この状態でろ過処理工程に移行できるため、運転初期から安定したろ過処理を行うことが可能となり、ろ過終了時まで安定した水質の処理液を得ることができる。圧密時間の短縮も可能となるため、設備全体の稼働時間が削減され、消費電力量の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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