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公開番号
2024143861
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023056776
出願日
2023-03-30
発明の名称
柱状ハニカム構造体及びその製造方法
出願人
日本碍子株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
B01D
39/20 20060101AFI20241003BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】焼結助剤を含有しコージェライトを主成分とする柱状ハニカム構造体の機械的強度の低下を抑制する。
【解決手段】隔壁を挟んで交互に隣接配置される第1セル及び第2セルと、目封止部とを有する柱状ハニカム構造体。該構造体は、主成分としてのコージェライトと、セリア、ジルコニア、及びチタニアから選択される一種又は二種以上の焼結助剤とを含有しており、隔壁のうち、第二底面が有する目封止部の第1セルの延びる方向の最深部から第二底面までの範囲Aにおける部位、及び、第一底面が有する目封止部の第2セルの延びる方向の最深部から第一底面までの範囲Bにおける部位の平均気孔率をP
1
(%)とし、隔壁のうち、第二底面が有する目封止部の第1セルの延びる方向の最深部から、第一底面が有する目封止部の第2セルの延びる方向の最深部までの範囲Cにおける部位の平均気孔率をP
2
(%)とすると、-4≦P
1
-P
2
≦7を満たす。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
外周側壁と、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面に開口部を有し、第二底面に目封止部を有する複数の第1セルと、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面に目封止部を有し、第二底面に開口部を有する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造体であって、
外周側壁、隔壁及び目封止部は焼成されていると共に、主成分としてのコージェライトと、セリア、ジルコニア、及びチタニアから選択される一種又は二種以上の焼結助剤とを含有しており、
隔壁のうち、第二底面が有する目封止部の第1セルの延びる方向の最深部から第二底面までの範囲Aにおける部位、及び、第一底面が有する目封止部の第2セルの延びる方向の最深部から第一底面までの範囲Bにおける部位の平均気孔率をP
1
(%)とし、
隔壁のうち、第二底面が有する目封止部の第1セルの延びる方向の最深部から、第一底面が有する目封止部の第2セルの延びる方向の最深部までの範囲Cにおける部位の平均気孔率をP
2
(%)とすると、-4≦P
1
-P
2
≦7を満たす、
柱状ハニカム構造体。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
-2≦P
1
-P
2
≦5を満たす請求項1に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項3】
55≦P
2
≦70を満たす請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項4】
隔壁のうち、前記範囲Aにおける部位及び前記範囲Bにおける部位のセリア、ジルコニア、及びチタニアから選択される一種又は二種以上の焼結助剤の合計含有率の平均値をS
1
(%)とし、隔壁のうち、前記範囲Cにおける部位のセリア、ジルコニア、及びチタニアから選択される一種又は二種以上の焼結助剤の合計含有率の平均値をS
2
(%)とし、水銀圧入法により測定される体積基準の累積細孔径分布における隔壁の累積50%細孔径をD50(μm)とすると、(S
2
-S
1
)/D50×100≦6を満たす請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項5】
隔壁のうち、前記範囲Cにおける部位は、水銀圧入法により測定される体積基準の累積細孔径分布において、小細孔側からの累積10%細孔径(D10)、累積50%細孔径(D50)及び累積90%細孔径(D90)が、(D90-D10)/D50≦1.2の関係を満たす請求項1又は2に記載の柱状ハニカム構造体。
【請求項6】
外周側壁と、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面に開口部を有し、第二底面に目封止部を有する複数の第1セルと、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面に目封止部を有し、第二底面に開口部を有する複数の第2セルとを備え、複数の第1セルと複数の第2セルは隔壁を挟んで交互に隣接配置されている柱状ハニカム構造体の製造方法であって、
コージェライト化原料、分散媒、造孔材及びバインダーに加えて、セリア、ジルコニア、及びチタニアから選択される一種又は二種以上の焼結助剤を含有する原料組成物を混練して坏土を形成した後、当該坏土を押出成形することにより、外周側壁と、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面及び第二底面が共に開口部を有する柱状ハニカム成形体を得る工程と、
前記柱状ハニカム成形体を乾燥後、第1底面及び第2底面の目封止部を形成すべき開口部に、コージェライト化原料、分散媒、造孔材及びバインダーに加えて、セリア、ジルコニア、及びチタニアから選択される一種又は二種以上の焼結助剤を含有する目封止部形成用スラリーを充填する工程と、
前記目封止部形成用スラリーが充填された前記柱状ハニカム成形体を焼成する工程と、
を含み、
前記原料組成物中の焼結助剤について、コージェライト化原料100質量部に対する合計添加量をC
1
質量部とし、前記目封止部形成用スラリー中の焼結助剤について、コージェライト化原料100質量部に対する合計添加量をC
2
質量部とすると、-8≦C
1
-C
2
≦1を満たす、
製造方法。
【請求項7】
-6≦C
1
-C
2
≦0を満たす請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
1≦C
2
≦10を満たす請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記原料組成物中の焼結助剤、及び、前記目封止部形成用スラリー中の焼結助剤は共に、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の累積粒度分布におけるメジアン径(D50)が0.1~10μmである請求項6又は7に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は柱状ハニカム構造体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、環境汚染の原因となる炭素を主成分とするパティキュレート(粒子状物質)が多量に含まれている。そのため、一般的にディーゼルエンジン等の排気系には、パティキュレートを捕集するためのフィルタ(Diesel Particulate Filter:DPF)が搭載されている。また近年ではガソリンエンジンから排出されるパティキュレートも問題視されており、ガソリンエンジンにもフィルタ(Gasoline Particulate Filter:GPF)が搭載されるようになってきている。
【0003】
フィルタとしては、外周側壁と、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面が開口して第二底面に目封止部を有する複数の第1セルと、外周側壁の内周側に配置され、第一底面から第二底面まで延び、第一底面に目封止部を有し、第二底面が開口する複数の第2セルとを、隔壁を挟んで交互に隣接配置したウォールフロー式の柱状ハニカム構造体が知られている。
【0004】
特許文献1には、圧力損失の増加を抑制しつつ、最大スス堆積量が多く、高い耐久性を実現することが可能なハニカムフィルタを提供することを目的とする発明が記載されている。当該ハニカムフィルタは、流体の流路となる一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する筒状のハニカム構造体と、所定の前記セルの一方の開口端部及び残余の前記セルの他方の開口端部に配設された目封止部と、を備え、前記隔壁の気孔率が、46%以下であり、前記ハニカム構造体のパーミアビリティーが、0.8μm
2
以上であり、細孔径が40μm以上の細孔の細孔容積率が、7.5%以下であり、且つ、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積率が、25%以下であり、前記ハニカム構造体の40℃から800℃における熱膨張係数が、1.0×10
-6
/℃以下であるという特徴を有する。
【0005】
また、特許文献1には、隔壁がコージェライトを主成分とする多孔質体からなり、
前記隔壁が、前記隔壁中に、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化イットリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含み、前記酸化セリウムの含有率が3.0質量%以下であり、前記酸化ジルコニウムの含有率が2.5質量%以下であり、前記酸化イットリウムの含有率が2.0質量%以下であることが記載されている。特許文献1には、このように構成することによって、ガス透過性に関係しない細孔の形成を抑制し、パーミアビリティーを維持したまま、低気孔率のハニカム構造体を作製することができると記載されている。ハニカム構造体の気孔率が低くなると、ハニカムフィルタの熱容量が増大するので、ハニカムフィルタの耐久性が高くなり、最大スス堆積量を向上させることができることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2013/047908号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されているように、コージェライトを主成分とするハニカムフィルタにおいて、セリア(酸化セリウム)等を少量添加することは、ガス透過性に関係しない細孔の形成を抑制し、パーミアビリティーを維持したまま、低気孔率のハニカム構造体を作製する上で有利である。しかし、特許文献1に記載されているハニカムフィルタは目封止部が焼成されていないため、強度が十分とは言えず、使用中にアッシュ等によって目封止部が損傷を受けやすい。更には強い圧力が掛かると目封止部が脱落してしまうおそれもある。
【0008】
一方で目封止部を焼成したとしても、コージェライトを主成分とし、酸化セリウム等の焼結助剤が添加されたハニカムフィルタは、十分な機械的強度が得られないという問題があることが分かった。このため、酸化セリウム等の焼結助剤を添加したハニカムフィルタにおいて、高い気孔率を採用することは難しかった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、一実施形態において、焼結助剤を含有し、コージェライトを主成分とする柱状ハニカム構造体の機械的強度の低下を抑制することを課題とする。また、本発明は別の一実施形態において、機械的強度が向上した柱状ハニカム構造体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が上記課題を解決するべく鋭意検討したところ、焼成時に隔壁から目封止部に焼結助剤が移動する事で、目封止部近傍の隔壁の気孔率が局所的に増加するために強度低下が起こっていることが分かった。焼結助剤は毛細管現象によって小細孔側に集まって小細孔を塞ぐが、その際に目封止材にも移動していた。また、焼結助剤は細孔を塞ぐ効果を有するため、気孔率を維持するために造孔材を通常より多く使用しており、焼結助剤を取られた部分の隔壁はより高気孔率となってしまうことも分かった。
(【0011】以降は省略されています)
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