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公開番号2025083334
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2024218591,2024539577
出願日2024-12-13,2023-11-20
発明の名称接合体
出願人日本碍子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 37/02 20060101AFI20250523BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】高い接合強度を有するセラミックプレート及びMMCプレートの接合体を提供する。
【解決手段】セラミックプレートと、セラミックプレートの一方の側と対向して設けられ、金属基複合材料(MMC)で構成されるMMCプレートと、セラミックプレートとMMCプレートとの間に設けられ、セラミックプレート及びMMCプレートを接合する接合層であって、Alを主成分として含み、かつ、Si及びMgを副成分として含む接合層とを備え、セラミックプレートと接合層との間の接合界面がMg含有層を含む、接合体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セラミックプレートと、
前記セラミックプレートの一方の側と対向して設けられ、金属基複合材料(MMC)で構成されるMMCプレートと、
前記セラミックプレートと前記MMCプレートとの間に設けられ、前記セラミックプレート及び前記MMCプレートを接合する接合層であって、Alを主成分として含み、かつ、Si及びMgを副成分として含む接合層と、
を備え、前記セラミックプレートと前記接合層との間の接合界面がMg含有層を含む、
接合体。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記Mg含有層が、Al及びOをさらに含む、請求項1に記載の接合体。
【請求項3】
前記Mg含有層における、Al:Mg:Oの重量比が1:0.01~0.50:0.001~0.100である、請求項2に記載の接合体。
【請求項4】
前記Mg含有層の厚さが、1~10μmである、請求項1又は2に記載の接合体。
【請求項5】
前記セラミックプレート、前記接合層及び前記MMCプレートの接合が、熱圧接である、請求項1~3のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項6】
前記金属基複合材料(MMC)が、Si、C及びTiを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項7】
前記MMCプレートが、前記接合層と前記MMCプレートとの間の接合界面から所定の深さD
Al
にわたって前記接合層に由来するAlが拡散されたAl拡散層を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項8】
前記MMCプレートが、前記接合層と前記MMCプレートとの間の接合界面から所定の深さD
Mg
にわたって前記接合層に由来するMgが拡散されたMg拡散層を有している、請求項7に記載の接合体。
【請求項9】
前記Al拡散層の深さD
Al
が前記Mg拡散層の深さD
Mg
よりも大きい、すなわちD
Al
>D
Mg
を満たす、請求項8に記載の接合体。
【請求項10】
前記MMCプレートの接合界面側の表面が、0.01~1.0μmの算術平均粗さRaを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の接合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、接合体に関するものである。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造における回路形成は、プラズマエッチングにより一般的に行われている。プラズマエッチングは、プラズマエッチング装置内の真空チャンバに不活性ガスを導入してプラズマ化することにより行われる。プラズマエッチング装置内には、エッチングされるべきウェハが載置されるためのサセプタとして機能する、静電チャックアセンブリが設けられている。典型的な静電チャックアセンブリは、静電チャックとして機能する電極埋設セラミックプレートと、電極埋設セラミックプレートの底面を支持する冷却プレートとを備える。ウェハは電極内蔵セラミックプレートに静電吸着されることで、静電チャックアセンブリに固定された状態でプラズマエッチングが施される。一方、冷却プレートは、電極内蔵セラミックプレートの底面に設けられることで、プラズマエッチングによりウェハに発生する熱を奪うように構成される。電極埋設セラミックプレートは、耐熱性や耐食性に優れた酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等で構成されたセラミック基体の内部に、静電チャック(ESC)電極、RF電極、ヒータ電極等の内部電極が埋設された構成を有するのが一般的である。
【0003】
静電チャックアセンブリの一例として、特許文献1(特開2009-141204号公報)には、第1のセラミック焼結体で構成される第1基体と、第2のセラミック焼結体で構成される第2基体とが、Alを含む金属の接合膜を介して接合された、基板保持体が開示されている。この文献には、第1基体と第2基体との間にAlを含む金属の接合膜を挟んで当該金属を加熱しながら4~20MPaの圧力で熱圧接することで、第1基体と第2基体を、接合膜を介して接合することが開示されており、Alを含む金属が、Mgを0.5~5重量%の範囲で含むAl合金であることが望ましいとされている。
【0004】
ところで、近年、金属基複合材料(MMC:Metal Matrix Composite)が注目されている。金属基複合材料は、Alや金属Si等の金属で構成される金属マトリックスにSiCやTiC等のセラミック強化材を複合させた材料であり、軽量、高剛性、高熱伝導、低熱膨張等の利点を有するものとして知られている。金属基複合材料(MMC)とセラミック材料とを接合させる手法が提案されており、特許文献2(特許第4373538号公報)には、アルミニウム合金をマトリックスとして含むMMCと、セラミック材料とが、Mgを含むAl合金で構成されるろう材を介して接合された接合体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-141204号公報
特許第4373538号公報
特開2006-196864号公報
【発明の概要】
【0006】
静電チャックアセンブリの冷却プレートとして、高熱伝導、低熱膨張等の利点から、MMCプレートを用いることが望まれる。そこで、MMCプレートとセラミックプレートとの接合体における接合強度の改善が求められている。
【0007】
本発明者らは、今般、(1)MMCプレートとセラミックプレートとの間に所定の接合層を設け、かつ、(2a)セラミックプレートと接合層との間の接合界面がMg含有層を含むようにすることで、及び/又は(2b)MMCプレートが、接合層とMMCプレートとの間の接合界面から所定の深さ(厚さ)にわたってAl拡散層を有するようにすることで、高い接合強度を有するセラミックプレート及びMMCプレートの接合体を提供できることを見出した。
【0008】
したがって、本発明の目的は、高い接合強度を有するセラミックプレート及びMMCプレートの接合体を提供することにある。
【0009】
本開示によれば、以下の態様が提供される。
[態様1]
セラミックプレートと、
前記セラミックプレートの一方の側と対向して設けられ、金属基複合材料(MMC)で構成されるMMCプレートと、
前記セラミックプレートと前記MMCプレートとの間に設けられ、前記セラミックプレート及び前記MMCプレートを接合する接合層であって、Alを主成分として含み、かつ、Si及びMgを副成分として含む接合層と、
を備え、前記セラミックプレートと前記接合層との間の接合界面がMg含有層を含む、
接合体。
[態様2]
前記Mg含有層が、Al及びOをさらに含む、態様1に記載の接合体。
[態様3]
前記Mg含有層における、Al:Mg:Oの重量比が1:0.01~0.50:0.001~0.100である、態様2に記載の接合体。
[態様4]
前記Mg含有層の厚さが、1~10μmである、態様1又は2に記載の接合体。
[態様5]
前記セラミックプレート、前記接合層及び前記MMCプレートの接合が、熱圧接である、態様1~3のいずれか一つに記載の接合体。
[態様6]
前記金属基複合材料(MMC)が、Si、C及びTiを含む、態様1~3のいずれか一つに記載の接合体。
[態様7]
前記MMCプレートが、前記接合層と前記MMCプレートとの間の接合界面から所定の深さD
Al
にわたって前記接合層に由来するAlが拡散されたAl拡散層を有している、態様1~4のいずれか一つに記載の接合体。
[態様8]
前記MMCプレートが、前記接合層と前記MMCプレートとの間の接合界面から所定の深さD
Mg
にわたって前記接合層に由来するMgが拡散されたMg拡散層を有している、態様7に記載の接合体。
[態様9]
前記Al拡散層の深さD
Al
が前記Mg拡散層の深さD
Mg
よりも大きい、すなわちD
Al
>D
Mg
を満たす、態様8に記載の接合体。
[態様10]
前記MMCプレートの接合界面側の表面が、0.01~1.0μmの算術平均粗さRaを有する、態様1~9のいずれか一つに記載の接合体。
[態様11]
4点曲げ試験において200MPa以上の接合強度を呈する、態様1~10のいずれか一つに記載の接合体。
[態様12]
前記セラミックプレートが酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムを含み、かつ、内部電極が埋設されたものである、態様1~11のいずれか一つに記載の接合体。
[態様13]
セラミックプレートと、
前記セラミックプレートの一方の側と対向して設けられ、Si、C及びTiを含む金属基複合材料(MMC)で構成されるMMCプレートと、
前記セラミックプレートと前記MMCプレートとの間に設けられ、前記セラミックプレート及び前記MMCプレートを接合する接合層であって、Alを主成分として含み、かつ、Si及びMgを副成分として含む接合層と、
を備え、前記MMCプレートが、前記接合層と前記MMCプレートとの間の接合界面から所定の深さD
Al
にわたって前記接合層に由来するAlが拡散されたAl拡散層を有しており、前記Al拡散層の深さD
Al
が40μm以上である、接合体。
[態様14]
前記MMCプレートが、前記接合層と前記MMCプレートとの間の接合界面から所定の深さD
Mg
にわたって前記接合層に由来するMgが拡散されたMg拡散層を有している、態様13に記載の接合体。
[態様15]
前記Al拡散層の深さD
Al
が前記Mg拡散層の深さD
Mg
よりも大きい、すなわちD
Al
>D
Mg
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明による接合体の一例を示す模式断面図である。
本発明による接合体の他の一例を示す模式断面図である。
例7の接合体におけるセラミックプレート12、接合界面20及び接合層16を含む断面のSEM像(Compo像)及びそれに対応する領域のSi、C及びTiマッピング像を示す。
例7の接合体におけるセラミックプレート12、接合界面20及び接合層16を含む断面のSEM像(Compo像)及びそれに対応する領域のO、Mg及びAlマッピング像を示す。
例7の接合体における接合層16、接合界面22及びMMCプレート14を含む断面のSEM像(Compo像)及びそれに対応する領域のSi、C及びTiマッピング像を示す。
例7の接合体における接合層16、接合界面22及びMMCプレート14を含む断面のSEM像(Compo像)及びそれに対応する領域のO、Mg及びAlマッピング像を示す。
例7の接合体における接合層16、接合界面22及びMMCプレート14を含む断面のSEM像(Compo像)及びそれに対応する領域のSi、C及びTiマッピング像の濃度スケールを縮小したバージョンを示す。
例7の接合体における接合層16、接合界面22及びMMCプレート14を含む断面のSEM像(Compo像)及びそれに対応する領域のO、Mg及びAlマッピング像の濃度スケールを縮小したバージョンを示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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