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公開番号2024139611
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023050638
出願日2023-03-27
発明の名称ガスセンサ素子
出願人日本碍子株式会社
代理人個人
主分類G01N 27/409 20060101AFI20241002BHJP(測定;試験)
要約【課題】素子本体の表面に配設された被測定ガス側電極に凝縮水が接触するのを、より効果的に防止する。
【解決手段】本発明の一側面に係るガスセンサ素子において、緻密保護層は、素子本体の表面のうち、係る表面の被測定ガスに晒される部分に配設された被測定ガス側電極の周囲の少なくとも一部の表面を、覆うように配置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
長手方向に延びるガスセンサ素子であって、
酸素イオン伝導性の固体電解質層を含み、被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、
前記被測定ガス流通部に配設された測定電極と、
前記素子本体の表面の前記被測定ガスに晒される部分に配設された被測定ガス側電極と、
前記被測定ガス側電極の基端側で前記素子本体の表面に配設され、前記被測定ガス側電極と、前記長手方向において前記ガスセンサ素子の後端側に設けられるコネクタ電極と、を電気的に接続するリード部と、
前記素子本体の表面のうち、前記被測定ガス側電極の周囲の少なくとも一部の表面を覆うように配置される緻密保護層と、
を備え、
前記緻密保護層は、
前記リード部の表面の少なくとも一部を覆う場合、前記被測定ガス側電極の表面の少なくとも一部を覆い、
前記リード部の表面を覆わない場合、前記被測定ガス側電極の表面を覆わない、
ガスセンサ素子。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記緻密保護層は、前記被測定ガス側電極の表面の50%以下を覆う、
請求項1に記載のガスセンサ素子。
【請求項3】
前記緻密保護層は、
(A)前記緻密保護層の、前記長手方向の長さが、前記被測定ガス側電極の、前記長手方向の長さ以上である、
および、
(B)前記緻密保護層の、前記ガスセンサ素子の短手方向の長さが、前記被測定ガス側電極の、前記短手方向の長さ以上である、
の少なくとも一方を満たす、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項4】
前記緻密保護層は、気孔率が10%未満である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項5】
前記緻密保護層は、厚みが40μm以下である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。
【請求項6】
前記緻密保護層は、アルミナ、ジルコニア、スピネル、コージェライト、チタニア、マグネシアのうち1以上のセラミック粒子を主成分として含むセラミックス多孔質体である、
請求項1または2に記載のガスセンサ素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサ素子に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車の排気ガス等の被測定ガスにおける酸素やNO
x
などの特定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子について、例えば、以下の構成を備えるものが知られている。すなわち、酸素イオン伝導性の固体電解質層を含み、被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体を備えるガスセンサ素子が知られている。係るガスセンサ素子において、測定電極は、前記被測定ガス流通部に配設され、また、被測定ガス側電極は、前記素子本体の表面の前記被測定ガスに晒される部分に配設される。そして、前記被測定ガス側電極に電気的に接続されたリード部が、前記被測定ガス側電極の基端側で前記素子本体の表面に配設される。
【0003】
ここで、上述のガスセンサ素子を備えるガスセンサが配置される排気管などの測定空間において、排気ガス等の被測定ガスに含まれる水蒸気が凝縮するなどして凝縮水(水溶液)が発生することがある。そして、係る凝縮水が、前記素子本体の表面に配設された前記被測定ガス側電極および前記リード部などの表面端子に接触すると、表面端子が劣化してガスセンサが特定ガスの濃度を精緻に測定できなくなる等の不具合が発生する。そこで、前記被測定ガス側電極および前記リード部などの表面端子への、前記凝縮水の接触を抑制するための様々な試みがなされている。例えば、下掲の特許文献1には、前記素子本体の表面に配設されたリード部を覆うように緻密保護層を設けることで、前記凝縮水に起因する前記リード部の剥離を防ごうとするガスセンサ素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-285961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件発明者らは、特許文献1に開示されるような従来のガスセンサ素子について、以下の問題があることを見出した。すなわち、従来のガスセンサ素子について、前記リード部を覆うように配設された前記緻密保護層によっては、前記素子本体の表面に配設された前記被測定ガス側電極に前記凝縮水が接触するのを、十分には防止できないとの問題があることを見出した。
【0006】
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、素子本体の表面に配設された被測定ガス側電極に凝縮水が接触するのを、より効果的に防止したガスセンサ素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の観点に係るガスセンサ素子は、長手方向に延びるガスセンサ素子であって、酸素イオン伝導性の固体電解質層を含み、被測定ガスを導入して流通させる被測定ガス流通部が内部に設けられた素子本体と、前記被測定ガス流通部に配設された測定電極と、前記素子本体の表面の前記被測定ガスに晒される部分に配設された被測定ガス側電極と、前記被測定ガス側電極の基端側で前記素子本体の表面に配設され、前記被測定ガス側電極と、前記長手方向において前記ガスセンサ素子の後端側に設けられるコネクタ電極と、を電気的に接続するリード部と、前記素子本体の表面のうち、前記被測定ガス側電極の周囲の少なくとも一部の表面を覆うように配置される緻密保護層と、を備え、前記緻密保護層は、(1)前記リード部の表面の少なくとも一部を覆う場合、前記被測定ガス側電極の表面の少なくとも一部を覆い、(2)前記リード部の表面を覆わない場合、前記被測定ガス側電極の表面を覆わない。
【0009】
当該構成では、前記ガスセンサ素子は、前記緻密保護層を備え、前記緻密保護層は、前記被測定ガス側電極の周囲の少なくとも一部を覆うように、前記素子本体の表面に配置される。例えば、前記緻密保護層は、前記被測定ガス側電極の外周の少なくとも一部に接して、前記素子本体の表面のうち、前記被測定ガス側電極の周囲の少なくとも一部の表面を覆うように配置される。
【0010】
本件発明者らは、前記緻密保護層により、前記被測定ガス側電極に凝縮水が接触するのを、従来のガスセンサ素子と比較してより効果的に防止できることを確認した。すなわち、前記緻密保護層を、前記素子本体の表面のうち、前記被測定ガス側電極の周囲の少なくとも一部の表面を覆うように配置することで、前記被測定ガス側電極に凝縮水が接触するのを、従来のガスセンサ素子と比較してより効果的に防止できることを確認した。そのため、前記ガスセンサ素子は、前記緻密保護層を備えることで、従来のガスセンサ素子と比較して、前記被測定ガス側電極に凝縮水が接触するのをより効果的に防止することができるとの効果を奏する。
(【0011】以降は省略されています)

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