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公開番号2024137267
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048725
出願日2023-03-24
発明の名称製銑用耐火物
出願人黒崎播磨株式会社
代理人弁理士法人英和特許事務所
主分類C04B 35/66 20060101AFI20240927BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】炭化珪素及びチタニアを含有する製銑用耐火物において稼働最初期の熱衝撃による割れを抑制する。
【解決手段】 耐火組成物100質量%中に、粒径0.3mm未満の炭化珪素微粉を5質量%以上35質量%以下、粒径0.3mm未満のチタニア微粉を3質量%以上20質量%以下、及び粒径75μm未満の金属シリコン微粉を6質量%以下含有し、かつカーボンブラックの含有率が5質量%以下(0を含む)であり、更に、金属シリコン微粉の含有率(Si)、チタニア微粉の含有率(TiO2)、及びカーボンブラックの含有率(C)が次の式(1)を充足する製銑用耐火物。
Si/TiO2≧0.11×C+0.1 … 式(1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
耐火組成物100質量%中に、粒径0.3mm未満の炭化珪素微粉を5質量%以上35質量%以下、粒径0.3mm未満のチタニア微粉を3質量%以上20質量%以下、及び粒径75μm未満の金属シリコン微粉を6質量%以下含有し、かつカーボンブラックの含有率が5質量%以下(0を含む)であり、更に、金属シリコン微粉の含有率(Si)、チタニア微粉の含有率(TiO

)、及びカーボンブラックの含有率(C)が次の式(1)を充足する製銑用耐火物。
Si/TiO

≧0.11×C+0.1 … 式(1)
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
チタニア微粉は易分散性表面処理されたものである、請求項1に記載の製銑用耐火物。
【請求項3】
製銑スラグと溶銑が併存する箇所、又は製銑スラグと溶銑との境界部に使用される、請求項1又は請求項2に記載の製銑用耐火物。
【請求項4】
高炉樋に使用される流し込み材である、請求項1又は請求項2に記載の製銑用耐火物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉、高炉樋、混銑車、混銑炉等に使用される、流し込み材、圧送材、プレキャストブロック、吹付材、こて塗材、あるいは突き固め材などの製銑用耐火物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
製銑用耐火物においては、炭化珪素や炭素質原料を多く使用して、耐食性を確保する技術が広く利用されている。しかし、炭化珪素の酸化等に伴い、耐食性の低下が問題となることがある。その対策として、例えば、特許文献1のように炭化チタンを耐火物の原料として使用することが提案されている。しかし、炭化チタンは高価であることから、炭化チタンを耐火物の原料として使用することは産業上現実的ではない。
【0003】
一方、例えば特許文献2には、操業中にチタニアと炭化珪素を反応させることで炭化チタンを形成させて耐食性の維持・向上を図ろうとする技術が提案されている。すなわち、特許文献2では、耐火組成物100質量%中に、耐火性微粉として粒径0.3mm以下の炭化珪素微粉を5~35質量%、及び粒径0.3 mm以下のチタニア微粉を3~20質量%含有し、硬化剤としてアルミナセメントを0.5~8質量%含有することを特徴とする不定形耐火物が開示されている。そして特許文献2には、炭化珪素とチタニアが反応することで炭化チタンや炭窒化チタンが生成する旨の記載があり、溶銑と高炉スラグを侵食剤とした誘導炉侵食試験で優れた耐食性を有することが実施例に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-16698号公報
特許第4922851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らが特許文献2の不定形耐火物について実機使用を想定した割れに対する評価をラボで実施したところ、割れが顕著に発生することがわかった。そしてこの割れ現象は、例えば高炉樋において、流し込み材が施工された後、乾燥を経た施工体が稼働最初期において高温のスラグと溶銑に直接的に曝されたときに顕著に生じることがわかった。
【0006】
そこで本発明が解決しようとする課題は、炭化珪素及びチタニアを含有する製銑用耐火物において稼働最初期の熱衝撃による割れを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、炭化珪素微粉とチタニア微粉を含有する製銑用耐火物において、チタニア微粉に対して金属シリコン微粉を特定の質量比で含有させることで熱衝撃抵抗性が大幅に向上することを見出した。以下、具体的に説明する。
【0008】
炭化珪素微粉とチタニア微粉を含有する耐火物では、高温域(製銑工程における耐火物の温度が約1350℃以上1600℃以下)でチタンの炭化物や炭窒化物微粒子が生成し、それらの微粒子相互が凝集する。この凝集に伴い、耐火物内部では収縮が生じる。そして、この収縮に伴って耐火物内部組織に破壊が生じ、耐火物全体の割れ・剥落に繋がる。
この割れ現象は、昇温速度又は受熱速度が小さい場合にはほとんど発生しないが、例えば数百度程度の温度から急な受銑等のような温度変化の大きい場合にはほぼ確実に発生することがわかった。
【0009】
ここで、チタニア微粉に対して金属シリコン微粉を特定の質量比で含有させると、金属シリコン微粉が酸化され微粉領域でシリカが生成し、微粉領域より大きい粒子間に新たな固体が発生する。その結果、耐火物内部にいわば支柱ができたような状態となり、組織構造が安定化する。このような安定化した組織構造内では、たとえ常温から高温に至る時間が短く耐火物内部で発生する温度勾配が大きい急熱条件に曝されても、高温域でチタンの炭化物や炭窒化物微粒子の生成とその凝集に伴う微粉領域の収縮は制限され、割れ等の発生を抑制できることを見出した。
【0010】
更に、樋材等では過焼結の防止や、スラグの浸潤を抑制するために、平均粒径1μm以下の炭素微粉であるカーボンブラックを添加することがあるが、炭化珪素微粉と、チタニア微粉にカーボンブラックが併存すると、併存しない場合と比べて金属シリコン微粉を多く添加しないと割れが発生してしまうことをも見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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