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公開番号2025059037
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2024166317
出願日2024-09-25
発明の名称焼結体のリサイクル方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/48 20060101AFI20250401BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】
粉砕による粉末化が困難なジルコニアの焼結体のリサイクルを可能とするジルコニアの焼結体の再資源化方法、これにより得られる粉末、及び、その用途の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
結晶粒子からなるジルコニアの粉末。この様な粉末は、ジルコニアの焼結体を、水熱処理温度150℃以上400℃以下で、焼結体に対する水の質量割合を1.5以下として水熱処理する水熱処理工程、及び、水熱処理後の焼結体を解砕する解砕工程、を有する製造方法により得られることが好ましい。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
結晶粒子からなるジルコニアの粉末。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
BET比表面積が0.5m

/g以上10.5m

/g以下であり、なおかつ、メジアン径が0.2μm以上2.0μm以下である、請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
前記ジルコニアが安定化元素を含有するジルコニアである請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項4】
前記安定化元素がイットリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウム、ガドリニウム及びエルビウムの群から1以上である、請求項3に記載の粉末。
【請求項5】
安定化元素の含有量が1.5mol%以上6mol%以下である、請求項3に記載の粉末。
【請求項6】
単斜晶率が50%以上である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項7】
メジアン径に対するBET比表面積が12m

/(g・μm)以下である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項8】
前記粉末がリサイクル粉末である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項9】
ジルコニアの焼結体を、水熱処理温度150℃以上400℃以下で、焼結体に対する水の質量割合を1.5以下として水熱処理する水熱処理工程、及び、水熱処理後の焼結体を解砕する解砕工程、を有する請求項1に記載の粉末の製造方法。
【請求項10】
前記ジルコニアの焼結体が正方晶ジルルコニアを主相とする焼結体である請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ジルコニアの焼結体のリサイクル、更にはそれにより得られるリサイクルジルコニアに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、近年、資源の再生・再利用が求められている。しかしながら、ジルコニア(二酸化ジルコニウム、ZrO

)をはじめとするセラミックスは機械的特性及び化学安定性が非常に高く、再資源化が非常に困難である。そのため、使用後のセラミックス(焼結体)は、一部がセメント原料等に使用されているに過ぎず、その大半は廃棄処理されている。その一方、従来から、ジルコニアの焼結体の再資源化は検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、シート状のジルコニアの焼結体を粉砕及び微細化して、焼結体原料として再資源化する方法が開示されている。さらに、特許文献2では、ジルコニアの焼結体と水と熱処理することでジルコニアをゾル化することで、焼結体を再資源化する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-263157号公報
特開平10-218662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ジルコニアの焼結体は、一般的に緻密であり、その機械的強度の高さ故、粉砕による微細化が非常に困難である。特許文献1に開示されているように、大きさや厚さが1mm以上の三次元形状の焼結体の粉砕はエネルギー効率が悪く、また、粉砕により不純物が混入する。そのため、特許文献1の方法は、厚みが1mm未満の極めて薄いジルコニアの焼結体のみにしか適用できなかった。また、特許文献1で具体的に開示された再資源化は、厚み300μm未満であり、なおかつ、機械的強度の低い立方晶ジルコニアのシート状焼結体の再資源化のみであった。また、特許文献2では、ジルコニアボールを構成する結晶粒子が溶解して微細なゾルが得られ、これを成形及び焼結したとされている。しかしながら、特許文献2では、観察図やX線回折パターン等の具体的なデータは開示されていない。さらに、本発明者等が検討したところ、特許文献2の方法ではゾルが得られないどころか、処理前後でジルコニアボールの性状が全く変化しないことが確認された。そのため、特許文献2の方法によるジルコニア焼結体の再資源化ができなかった。
【0006】
本開示では、粉砕による粉末化が困難なジルコニアの焼結体のリサイクルを可能とするジルコニアの焼結体の再資源化方法、これにより得られる粉末、及び、その用途の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示では、粉砕による粉末化が困難とされていた1mm以上の厚みを有するジルコニアの焼結体のリサイクルについて検討した。その結果、焼結体に特定の条件で水熱処理を施すことで解砕が可能となり、これを粉末化できることを見出した。さらに、これにより得られる粉末は焼結体の原料としてリサイクルし得ることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は特許請求の範囲に記載の通りであり、また、本開示の要旨は以下の通りである。
[1] 結晶粒子からなるジルコニアの粉末。
[2] BET比表面積が0.5m

/g以上10.5m

/g以下であり、なおかつ、メジアン径が0.2μm以上2.0μm以下である、上記[1]に記載の粉末。
[3] 前記ジルコニアが安定化元素を含有するジルコニアである上記[1]又は[2]に記載の粉末。
[4] 前記安定化元素がイットリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウム、ガドリニウム及びエルビウムの群から1以上である、上記[3]に記載の粉末。
[5] 安定化元素の含有量が1.5mol%以上6mol%以下である、上記[3]又は[4]に記載の粉末。
[6] 単斜晶率が50%以上である、上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載の粉末。
[7] メジアン径に対するBET比表面積が12m

/(g・μm)以下である、上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載の粉末。
[8] 前記粉末がリサイクル粉末である、上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の粉末。
[9] ジルコニアの焼結体を、水熱処理温度150℃以上400℃以下で、焼結体に対する水の質量割合を1.5以下として水熱処理する水熱処理工程、及び、水熱処理後の焼結体を解砕する解砕工程、を有する前記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載の粉末の製造方法。
[10] 前記ジルコニアの焼結体が正方晶ジルルコニアを主相とする焼結体である上記[9]に記載の製造方法。
[11] 前記ジルコニアの焼結体の結晶相に占める単斜晶の割合が5%以下である上記[9]又は[10]に記載の製造方法。
[12] 前記ジルコニアの焼結体の三点曲げ強度が1000MPa以上である、上記[9]乃至[11]のいずれかひとつに記載の製造方法。
[13] ジルコニアの焼結体を、水熱処理温度150℃以上400℃以下で、焼結体に対する水の質量割合を1.5以下として水熱処理する水熱処理工程、及び、水熱処理後の焼結体を解砕する解砕工程、を有する焼結体のリサイクル方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、粉砕による粉末化が困難なジルコニアの焼結体のリサイクルを可能とするジルコニアの焼結体の再資源化方法、これにより得られる粉末、及び、その用途の少なくともいずれかを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
合成例1の焼結体のSEM観察図(図中スケールは1μm)
実施例1の焼結体フレークの光学顕微鏡観察図(図中スケールは1000μm)
実施例1の粉末のSEM観察図(図中スケールは1μm)
実施例2の粉末のSEM観察図(図中スケールは1μm)
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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