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公開番号2025110890
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2025003897
出願日2025-01-10
発明の名称鉄含有小細孔ゼオライト
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C01B 39/48 20060101AFI20250722BHJP(無機化学)
要約【課題】
従来の鉄含有小細孔ゼオライトに比べて、含水量が10体積%を超える高温高湿雰囲気に曝露された後においても、低温における窒素酸化物還元特性が高い鉄含有小細孔ゼオライト、その製造方法及びこれを含む窒素酸化物還元触媒の少なくとも一つを提供する。
【解決手段】
鉄の含有量が1.0質量%以上であり、IRスペクトルにおける1860±10cm-1にピークトップを有するピークの高さ強度に対する、3735±10cm-1にピークトップを有するピークの高さ強度の比が0.50以下であり、なおかつ、そのUV-VISスペクトルにおいて、波長190~600nmのピーク面積に占める、波長190~300nmのピーク面積の割合が60%以上である、鉄含有小細孔ゼオライト。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄の含有量が1.0質量%以上であり、IRスペクトルにおける1860±10cm
-1
にピークトップを有するピークの高さ強度に対する、3735±10cm
-1
にピークトップを有するピークの高さ強度の比が0.50以下であり、なおかつ、そのUV-VISスペクトルにおいて、波長190~600nmのピーク面積に占める、波長190~300nmのピーク面積の割合が60%以上である、鉄含有小細孔ゼオライト。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
BET比表面積が530m

/g以上である、請求項1に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項3】
孤立鉄イオン含有量が0.8質量%以上である、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項4】
メソ細孔及びミクロ細孔の合計容積に対するメソ細孔の容積が0.40以下である、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項5】
メソ細孔及びミクロ細孔の合計容積が0.15cm

/g以上である、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項6】
アルミナに対するシリカのモル比が、10以上である、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項7】
前記小細孔ゼオライトが、AEI、CHA、LEV、MWW、ERI及びAFXの群から選ばれる1種以上の構造を有するゼオライトである、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項8】
前記小細孔ゼオライトが、CHA型ゼオライト又はAFX型ゼオライトである、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
【請求項9】
以下の曝露条件による高温高湿雰囲気への曝露処理後の、以下の窒素酸化物還元条件による窒素酸化物還元率が20%以上である、請求項1又は2に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
<暴露条件>
雰囲気 :水分含有量20体積%の空気
流通速度 : 300mL/min
処理温度 : 700℃
処理時間 : 20時間
<窒素酸化物還元条件>
窒素酸化物含有ガスの組成 : NO 200ppm
NH

200ppm


10容量%


O 3容量%


残部
窒素酸化物含有ガスの流量 : 1.5L/min
空間速度 : 60,000hr
-1
測定温度 : 200℃
【請求項10】
シリカアルミナ源、鉄源、有機構造指向剤、アルカリ源及び水を含有する組成物を結晶化する工程、を有し、前記組成物は、SiO

換算したケイ素に対する鉄の割合が0.01超であり、なおかつ、2種以上のアルカリ源を含有する、請求項1に記載の鉄含有小細孔ゼオライトの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鉄を含有する小細孔ゼオライトに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
*BEA型ゼオライトをはじめとする大細孔ゼオライトと比べ、CHA型ゼオライトなどの小細孔ゼオライトは、高温高湿雰囲気への曝露後に結晶性が低下しにくい。そのため、小細孔ゼオライトは、含水量の多い高温高湿雰囲気への曝露を伴う用途など、大細孔ゼオライトの適用が困難な用途への適用が可能であり、活性金属として鉄又は銅を含有する小細孔ゼオライト(金属含有小細孔ゼオライト)は窒素酸化物還元触媒として広く使用されている。
【0003】
鉄を含有する小細孔ゼオライトと比べ、銅を含有する小細孔ゼオライトは、高温高湿雰囲気への曝露後であっても結晶性が低下しにくい。これに加え、低温における窒素酸化物還元特性が高い。他方、銅を含有する小細孔ゼオライトによる窒素酸化物の還元反応においては、二窒化酸素(N

O)の副生を伴う。そのため、N

Oの副生が抑制された窒素酸化物還元触媒として、鉄を含有する小細孔ゼオライト、及び、その窒素酸化物還元特性の向上が検討されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、小細孔ゼオライトであるSSZ-13(CHA型ゼオライト)と硝酸鉄とを混合することで鉄含有小細孔ゼオライトを製造することが開示されている。また、特許文献2では、結晶化により、直接、鉄含有小細孔ゼオライト(AEI型ゼオライト及びCHA型ゼオライト)が製造できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/062949号
国際公開第2017/134001号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示された鉄含有小細孔ゼオライトは、含水量が少ない高温高湿雰囲気に曝露された後であっても窒素酸化物還元特性が低下しないとされているが、含水量が多い高温高湿雰囲気へ曝露された場合は、窒素酸化物還元特性が著しく低下するものであった。また、特許文献2の鉄含有小細孔ゼオライトは含水量が10体積%の高温高湿雰囲気への曝露後の窒素酸化物還元特性の低下が著しかった。
【0007】
本開示は、従来の鉄含有小細孔ゼオライトに比べて、含水量が10体積%を超える高温高湿雰囲気に曝露された後においても、低温における窒素酸化物還元特性が高い鉄含有小細孔ゼオライト、その製造方法及びこれを含む窒素酸化物還元触媒の少なくとも一つを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示において、鉄含有小細孔ゼオライトの窒素酸化物還元特性に関し、小細孔ゼオライトに含まれる鉄の状態に着目して検討した。その結果、アルミナに対するシリカのモル比(SiO

/Al



比)と比べ、小細孔ゼオライト中の鉄の存在状態は、窒素酸化物還元特性に与える影響が大きいことを見出した。更なる検討の結果、従来の鉄担持小細孔ゼオライトと比べて、一定量以上の鉄を含有し、特定のIRスペクトル及びUV-VISスペクトルを有する鉄含有小細孔ゼオライトが、窒素酸化物還元特性、特に含水量が10体積%を超える過酷な高温高質雰囲気に曝露された後の、低温における窒素酸化物還元特性が高くなることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は特許請求の範囲に記載の通りであり、また、本開示の要旨は以下の通りである。
[1] 鉄の含有量が1.0質量%以上であり、IRスペクトルにおける1860±10cm
-1
にピークトップを有するピークの高さ強度に対する、3735±10cm
-1
にピークトップを有するピークの高さ強度の比が0.50以下であり、なおかつ、そのUV-VISスペクトルにおいて、波長190~600nmのピーク面積に占める、波長190~300nmのピーク面積の割合が60%以上である、鉄含有小細孔ゼオライト。
[2] BET比表面積が530m

/g以上である、上記[1]に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[3] 孤立鉄イオン含有量が0.8質量%以上である、上記[1]又は[2]に記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[4] メソ細孔及びミクロ細孔の合計容積に対するメソ細孔の容積が0.40以下である、上記[1]乃至[3]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[5] メソ細孔及びミクロ細孔の合計容積が0.15cm

/g以上である上記[1]乃至[4]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[6] アルミナに対するシリカのモル比が、10以上である、上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[7] 前記小細孔ゼオライトが、AEI、CHA、LEV、MWW、ERI及びAFXの群から選ばれる1種以上の構造を有するゼオライトである、上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[8] 前記小細孔ゼオライトが、CHA型ゼオライト又はAFX型ゼオライトである、上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
[9] 以下の曝露条件による高温高湿雰囲気への曝露処理後の、以下の窒素酸化物還元条件による窒素酸化物還元率が20%以上である、上記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライト。
<暴露条件>
雰囲気 :水分含有量20体積%の空気
流通速度 : 300mL/min
処理温度 : 700℃
処理時間 : 20時間
<窒素酸化物還元条件>
窒素酸化物含有ガスの組成 : NO 200ppm
NH

200ppm


10容量%


O 3容量%


残部
窒素酸化物含有ガスの流量 : 1.5L/min
空間速度 : 60,000hr
-1
測定温度 : 200℃
[10] シリカアルミナ源、鉄源、有機構造指向剤、アルカリ源及び水を含有する組成物を結晶化する工程、を有し、前記組成物は、SiO

換算したケイ素に対する鉄の割合が0.01超であり、なおかつ、2種以上のアルカリ源を含有する、上記[1]乃至[9]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライトの製造方法。
[11] 前記組成物が、シリカアルミナ源としてゼオライトを含まない、上記[10]に記載の製造方法。
[12] 前記アルカリ源が、少なくともカリウム源を含む、上記[10]又は[11]に記載の製造方法。
[13] 上記[1]乃至[9]のいずれかひとつに記載の鉄含有小細孔ゼオライトを含む触媒。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、従来の鉄含有小細孔ゼオライトに比べて、含水量が10体積%を超える高温高湿雰囲気に曝露された後においても、低温における窒素酸化物還元特性が高い鉄含有小細孔ゼオライト、その製造方法及びこれを含む窒素酸化物還元触媒の少なくとも一つを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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