TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025154549
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057609
出願日2024-03-29
発明の名称窒化ケイ素粉末の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 21/068 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】酸処理後の洗浄工程を改善して窒化ケイ素粉末製造の効率を向上させる。
【解決手段】窒化ケイ素粉末と酸性物質と不純物を含む被処理液を、固液分離機(但し、デカンテーションを除く)に供給し、前記酸性物質及び前記不純物が低減された窒化ケイ素粉末含有組成物を得る洗浄工程を有し、前記固液分離機が連続式固液分離機であり、前記被処理液を濃縮し、濃縮後に洗浄液を加え、再び濃縮する操作を連続して行う、窒化ケイ素粉末の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
窒化ケイ素粉末と酸性物質と不純物を含む被処理液を、固液分離機(但し、デカンテーションを除く)に供給し、前記酸性物質及び前記不純物が低減された窒化ケイ素粉末含有組成物を得る洗浄工程を有し、
前記固液分離機が連続式固液分離機であり、前記被処理液を濃縮し、濃縮後に洗浄液を加え、再び濃縮する操作を連続して行う、窒化ケイ素粉末の製造方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
連続式固液分離機が、クロスフロー方式ろ過装置又は遠心分離機である、請求項1に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。
【請求項3】
前記洗浄工程後の前記窒化ケイ素粉末のα化率が88%以上、平均粒子径が1μm以下、比表面積が5~15m

/g、酸素含有量が0.5~1.5質量%、鉄含有量が300質量ppm以下、塩素含有量が70質量ppm以下、フッ素含有量が900質量ppm以下である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ケイ素粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
窒化ケイ素焼結体は、強度、硬度、靭性、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れた材料であることから、ダイカストマシン及び溶解炉等の各種産業用の部品、及び自動車部品の絶縁基板等に利用されている。窒化ケイ素焼結体の原料となる窒化ケイ素粉末としては、高品質の焼結体を得るために、α化率が高い窒化ケイ素粉末が用いられる。
【0003】
窒化ケイ素粉末の製造方法としては、金属ケイ素を、窒素又はアンモニア気流中で、高温で反応させる「直接窒化法」、二酸化ケイ素及び炭素の混合粉末を、窒素又はアンモニア気流中で、高温で反応させる「シリカ還元法」、ハロゲン化ケイ素又はモノシランを、高温でアンモニアと反応させる「気相合成法」が知られている。特に直接窒化法は、工業的に広く用いられている製造方法である。
【0004】
窒化ケイ素焼結体の製造のためには、粒子径が小さい窒化ケイ素粉末が求められる。したがって、直接窒化法によって得られた窒化ケイ素は、その後、粉砕機により粉砕される。粉砕は、乾式粉砕と湿式粉砕に大別されるが、一般的に湿式粉砕の方が微粉化しやすいことが知られている。
湿式粉砕を行うと、粒子径が小さい窒化ケイ素微粉末が得られるものの、湿式粉砕時に湿式粉砕機の部材等が摩耗することがある。そのため、窒化ケイ素微粉末に前記湿式粉砕機の部材等に由来する不純物(例えば、鉄)が混入することがある。また湿式粉砕では、水中で処理を行うため、窒化ケイ素の一部が水と反応することによりシリカが生成する。このような不純物は、窒化ケイ素微粉末から製造された窒化ケイ素焼結体の品質を低下させる。このため、窒化ケイ素微粉末を酸性溶液に浸漬する酸処理を行って不純物を溶解し、溶解した不純物を除去する洗浄工程が必要となる。
特許文献1には、酸処理終了後の窒化ケイ素粉末を水で洗浄し、重力沈降によるデカンテーションを繰り返して不純物を除去した例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平7-25603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記デカンテーションで生じる廃液には、溶解した不純物、酸処理で使用した酸性物質が含まれるため廃液処理のための作業やコストが発生する。また重力沈降しにくい超微粉が廃液に含まれると生産ロスが発生するため、これらを低減することによって窒化ケイ素粉末製造の効率を向上できる。
本発明は、酸処理後の洗浄工程を改善して窒化ケイ素粉末製造の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を有する。
[1]窒化ケイ素粉末と酸性物質と不純物を含む被処理液を、固液分離機(但し、デカンテーションを除く)に供給し、前記酸性物質及び前記不純物が低減された窒化ケイ素粉末含有組成物を得る洗浄工程を有し、前記固液分離機が連続式固液分離機であり、前記被処理液を濃縮し、濃縮後に洗浄液を加え、再び濃縮する操作を連続して行う、窒化ケイ素粉末の製造方法。
[2]連続式固液分離機が、クロスフロー方式ろ過装置又は遠心分離機である、[1]に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。
[3]前記洗浄工程後の前記窒化ケイ素粉末のα化率が88%以上、平均粒子径が1μm以下、比表面積が5~15m

/g、酸素含有量が0.5~1.5質量%、鉄含有量が300質量ppm以下、塩素含有量が70質量ppm以下、フッ素含有量が900質量ppm以下である、[1]又は[2]に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸処理後の洗浄工程を改善して窒化ケイ素粉末製造の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書における用語の意味及び定義は以下のとおりである。
「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。本明細書において、上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
「平均粒子径」とは、対象粉末の粒度分布から求めた50%累積体積粒度(以下、「D
50
」ともいう。)を意味する。粒度分布は、JIS R 1629:1997「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による 粒子径分布測定方法」に準拠して得ることができる。
「比表面積」とは、JIS R 1626:1996「ファインセラミックス粉体の 気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準拠し、窒素ガスを使用してBET1点法により測定される値である。
【0010】
「α化率」とは、窒化ケイ素全体に対するα-窒化ケイ素の相比率を意味し、下式1により算出される値である。
α化率(%)=[I
α(102)
+I
α(210)
]/[I
α(102)
+I
α(210)
+I
β(101)
+I
β(210)
]×100 …式1
前記式1中、I
α(102)
は窒化ケイ素のα相の(102)面の回折ピークの強度、I
α(210)
は窒化ケイ素のα相の(210)面の回折ピークの強度、I
β(101)
は窒化ケイ素のβ相の(102)面の回折ピークの強度、I
β(210)
は窒化ケイ素のβ相の(210)面の回折ピークの強度である。それぞれの回折ピークは、粉末X線回折測定により得られたXRDパターンから得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

デンカ株式会社
容器
10日前
デンカ株式会社
窓構造
2日前
デンカ株式会社
蛍光体
4日前
デンカ株式会社
静的破砕方法
1か月前
デンカ株式会社
モルタル材料
2日前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末
2日前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
熱伝導性シート
1か月前
デンカ株式会社
人工毛髪用繊維束
23日前
デンカ株式会社
継手及び継手付管
4日前
デンカ株式会社
窓構造およびシート
2日前
デンカ株式会社
ゴム組成物及び架橋物
1か月前
デンカ株式会社
ゴム組成物及び架橋物
1か月前
デンカ株式会社
磁性ビーズの製造方法
9日前
デンカ株式会社
放熱部材および電子装置
2日前
デンカ株式会社
シート及び食品包装容器
2日前
デンカ株式会社
容器およびその製造方法
10日前
デンカ株式会社
放熱部材および電子装置
2日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末の製造方法
3日前
デンカ株式会社
蛍光体、及びインク組成物
2日前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末の製造方法
2日前
デンカ株式会社
接合基板、及びその製造方法
1か月前
デンカ株式会社
インフルエンザワクチン製剤
25日前
デンカ株式会社
熱伝導性組成物及び電子機器
3日前
デンカ株式会社
セラミックス粉末の製造方法
2日前
デンカ株式会社
積層シート及び食品包装容器
2日前
デンカ株式会社
ゴム組成物、及びバッテリー
1か月前
デンカ株式会社
有機酸又はその塩の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
重症筋無力症のバイオマーカー
1か月前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
23日前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
23日前
デンカ株式会社
サイアロン蛍光体粉末の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
窒化ケイ素焼結体、及び回路基板
1か月前
続きを見る