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公開番号2025153624
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056186
出願日2024-03-29
発明の名称窒化ホウ素粉末、及び窒化ホウ素粉末の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】絶縁性に優れる樹脂成形体を調製可能な放熱フィラーに好適な窒化ホウ素粉末を提供すること。
【解決手段】本開示の一側面は、鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含む窒化ホウ素粉末であって、BET比表面積が0.5~4.0cm2/gであり、イオンクロマトグラフィー法によって測定されるNa+、Ca2+、Mg2+、NH4+、F-、NO3-、及びCl-の合計量が1500.0質量ppm以下である、粉末を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含む窒化ホウ素粉末であって、
BET比表面積が0.5~4.0cm

/gであり、
イオンクロマトグラフィー法によって測定されるNa

、Ca
2+
、Mg
2+
、NH
4+
、F

、NO
3-
、及びCl

の合計量が1500.0質量ppm以下である、粉末。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
イオンクロマトグラフィー法によって測定されるNa

、Ca
2+
、及びNO
3-
の合計量が3.0質量ppm以上である、請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
黒鉛化指数が1.5以下である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項4】
全酸素量が1.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項5】
平均粒子径が7.5~20.0μmである、請求項1又は2に記載の粉末。
【請求項6】
鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含む窒化ホウ素原料粉末と、フッ酸を含む溶液とを混合して分散液を得ることと、
前記分散液から前記溶液の含有量を低減し、酸処理された窒化ホウ素粉末を得ることと、を含む、窒化ホウ素粉末の製造方法。
【請求項7】
前記溶液におけるフッ酸の含有量が、前記溶液の全量を100質量%として、20~80質量%である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記分散液における前記溶液の含有量は、前記窒化ホウ素原料粉末の全体積を基準として10倍以上である、請求項6又は7に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化ホウ素粉末、及び窒化ホウ素粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
トランジスタ、サイリスタ、及びCPU等の電子部品においては、使用時に発生する熱を効率良く放熱することが重要な問題となっている。そのため、このような電子部品と共に、高い熱伝導性を有する放熱部材が用いられる。一方、窒化ホウ素粒子は、高熱伝導性及び高絶縁性を有しているため、放熱部材における充填材として幅広く利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、樹脂等の絶縁性放熱材における充填材として用いた場合に、上記樹脂等の熱伝導率及び耐電圧(絶縁破壊電圧)を高めることができる六方晶窒化ホウ素粉末及びその製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-116401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
窒化ホウ素粉末は、純度や結晶性の向上を図るために、その製造過程で六方晶窒化ホウ素の一次粒子の粒成長を促進させる助剤が使用される。助剤として、アルカリ金属やアルカリ土類金属を構成元素として有する化合物が使用される場合、得られる窒化ホウ素粉末に助剤由来のイオン性不純物が残存する。また、助剤以外にも、原料や工程に由来するイオン性不純物や窒化ホウ素自身の加水分解によって発生するイオン性不純物が混入する場合もある。このようなイオン性不純物は、窒化ホウ素粉末を充填材として含む樹脂組成物を硬化する際の硬化不良の要因となったり、硬化後の樹脂成形体においては、イオン性不純物が取り込まれていることに起因する導電性の上昇や吸水などによって、絶縁性の低下が生じたりしている。
【0006】
本開示は、絶縁性に優れる樹脂成形体を調製可能な放熱フィラーに好適な窒化ホウ素粉末を提供することを目的とする。本開示はまた、上述のような窒化ホウ素粉末を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、下記[1]~[8]を提供する。
【0008】
[1]
鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含む窒化ホウ素粉末であって、
BET比表面積が0.5~4.0cm

/gであり、
イオンクロマトグラフィー法によって測定されるNa

、Ca
2+
、Mg
2+
、NH
4+
、F

、NO
3-
、及びCl

の合計量が1500.0質量ppm以下である、粉末。
[2]
イオンクロマトグラフィー法によって測定されるNa

、Ca
2+
、及びNO
3-
の合計量が3.0質量ppm以上である、[1]に記載の粉末。
[3]
黒鉛化指数が1.5以下である、[1]又は[2]に記載の粉末。
[4]
全酸素量が1.0質量%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の粉末。
[5]
平均粒子径が7.5~20.0μmである、[1]~[4]のいずれかに記載の粉末。
[6]
鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含む窒化ホウ素原料粉末と、フッ酸を含む溶液とを混合して分散液を得ることと、
前記分散液から前記溶液の含有量を低減し、酸処理された窒化ホウ素粉末を得ることと、を含む、窒化ホウ素粉末の製造方法。
[7]
前記溶液におけるフッ酸の含有量が、前記溶液の全量を100質量%として、20~80質量%である、[6]に記載の製造方法。
[8]
前記分散液における前記溶液の含有量は、前記窒化ホウ素原料粉末の全体積を基準として10倍以上である、[6]又は[7]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、絶縁性に優れる樹脂成形体を調製可能な放熱フィラーに好適な窒化ホウ素粉末を提供できる。本開示によればまた、上述のような窒化ホウ素粉末を製造する方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。本明細書において、「~」の記号で示される数値範囲は、下限値及び上限値を含む。すなわち、「x~y」で示される数値範囲は、x以上且つy以下を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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