TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025174762
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2024089524
出願日2024-05-16
発明の名称2次元構造を有する酸化ケイ素
出願人株式会社信日康
代理人
主分類C01B 33/14 20060101AFI20251120BHJP(無機化学)
要約【課題】sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】テトラアルキルシランと水性成分とを界面活性剤とともにエマルションを形成しつつ水解し、低温乾燥せしめることによりこのような酸化ケイ素が合成する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
導電性を有することを特徴とする、請求項1に記載の酸化珪素。
【請求項3】
粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の酸化珪素。
【請求項4】
テトラアルコキシシランがテトラエトキシランであることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の酸化珪素。
【請求項5】
界面活性剤がデカグリセリンモノステアリン酸エステルである、請求項1~4いずれか1項に記載の酸化珪素。
【請求項6】
アミン及び/または有機アミンがトリエタノールアミン及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1~5いずれか1項に記載の酸化珪素。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元構造を有する酸化ケイ素、更に詳細には電子的特性を有する2次元構造を有する酸化ケイ素に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
酸化ケイ素の多くは二酸化珪素として、sp3混成軌道のケイ素の酸化物として存在し、基本的な結晶構造はヘキサゴナル二層構造を基本単位とし、これが積層し3次元構造を構成することが技術常識となっている。近年、基本的なヘキサゴナル二層構造に修飾を加えることにより電気的特性が得られたり、マイクロカプセルのシェルとして有用なことが知られるようになり、積層しないヘキサゴナル二層構造のみの単層二酸化珪素の研究が進められ、平面状ヘキサゴナル二層のみの単層二酸化珪素や環状ヘキサゴナル二層二酸化珪素チューブなどが開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照。)。このようなヘキサゴナル平面構造シリカは、界面活性剤を用いてテトラアルコキシシランをエマルションや液晶に加工し、焼成することにより得られる。
【0003】
一方、酸化珪素の形態には電導性を有するものが存在していることが知られている(例えば、特許文献4を参照。)かかる、酸化珪素は、マイクロ波の照射で発熱するので、電導性を有するがゆえに自由電子を有していると思われsp2混成軌道を有する酸化珪素と考えられる。このような酸化珪素は微粒子シリカと認識されることが殆どで、その形状は電子顕微鏡を見る限り塊状であり、平面構造は確認されていない。平面単層化するような試みはなされていない。またこのような酸化珪素は天然に存在する植物性ガラス質シリカを還元雰囲気で焼成することにより得られることが開示されている。珪素自身については、シリセンという平面構造のグラフェンに似た平面構造のものが知られているが、グラフェンとは異なり、「パックリング構造」を取っており、その電子状態は明確ではないが、カルシウムを包接する性質があることから、特殊な電子状況にあると推測される(
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20141222_03web.pdf)。酸化珪素については、ヘキサゴナル二重層構造のもの以外は明らかにされていない。
【0004】
本発明者等は、このような先行技術に鑑み、気液界面などで酸化珪素を生成させ、平面構造を構築することにより、sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめ、必要に応じて積層させるすることにより、グラフェンと類似した酸化珪素あるいはグラファイトに類似したその積層構造を有する酸化珪素が得られ、特異的な、特に、特異的吸着・放出特性を有する酸化珪素が得られるのではないかと考え、そのような酸化珪素の開発に着手した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2019/40915のパンフレット
特許第4590544号公報
特許第5322042号公報
特開2020-87899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況下なされたものであり、sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめる技術を提供することを課題とする。
【課題の解決手段】
【0007】
このような状況に鑑みて、本発明者らは、sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめる技術をを求め、鋭意研究努力を重ねた結果、テトラアルキルシランと水性成分とを界面活性剤とともにエマルションを形成しつつ水解し、低温乾燥せしめることによりこのような酸化ケイ素が合成できることを見出し発明を完成させるに至った。したがって、本発明は以下に示すとおりである。
<1>テトラアルコキシシランと界面活性剤と水とアミン及び/または有機アミンとを混合し、エマルションを形成させつつ酸化珪素を生成させ、酸化珪素以外の成分を洗浄、除去した後低温乾燥させてなる酸化珪素。
<2>導電性を有することを特徴とする、<1>に記載の酸化珪素。
<3>粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有することを特徴とする、<1>または<2>に記載の酸化珪素。
<4>テトラアルコキシシランがテトラエトキシランであることを特徴とする<1>~<3>いずれか1項に記載の酸化珪素。
<5> 界面活性剤がデカグリセリンモノステアリン酸エステルである、<1>~<4>いずれか1項に記載の酸化珪素。
<6>アミン及び/または有機アミンがトリエタノールアミン及び/またはテトラアルキルアンモニウム塩であることを特徴とする<1>~<5>いずれか1項に記載の酸化珪素。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、sp2混成軌道の酸化珪素を単層を形成せしめる技術を提供するを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1の本発明の酸化珪素の粉末X線解析の結果を示す図である。
通常のヘキサゴナル二層薄片シリカの粉末X線解析の結果を示す図である。
実施例1の本発明の酸化珪素の顕微鏡写真を示す図である。(図面代用写真)
実施例1のペレットのFTIRを示す図である。
【発明を実施するための態様】
【0010】
本発明の酸化珪素は、sp2混成軌道の酸化珪素を単層構造を有することを特徴とする。ここで、SP2混成軌道の単層構造を有する酸化珪素は、次のような事実で確認することができ、逆にこのような性質をもって本発明のsp2混成軌道の酸化珪素の単層構造を有する酸化珪素と定義できる。このような酸化珪素は珪素と酸素の二重結合と珪素と炭素の一重結合とがトートメリぜ―ションを起こし、親和的な相互作用を発揮するため、積層状態を形成することがある。
<確認事項>
1.粉末X線解析において、0Θ°にのみにピークを有する。また、変曲点も有しない。このことは結晶面がただ一つであり単層状態であることを示す。
2.導電性を有する。このことはsp2混成軌道に由来するπ電子が自由電子として存在することを示す。
3.積層した状態であっても、粒径は10nm以下である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社信日康
2次元構造を有する酸化ケイ素
今日
株式会社信日康
バイオフェロモンを含有するポリマー
3か月前
個人
一酸化炭素の製造方法
22日前
株式会社タクマ
固体炭素化設備
1か月前
東洋アルミニウム株式会社
水素発生材料
8日前
東洋アルミニウム株式会社
水素発生材料
8日前
三菱重工業株式会社
加熱装置
1か月前
株式会社トクヤマ
酸性次亜塩素酸水の製造方法
1か月前
株式会社信日康
2次元構造を有する酸化ケイ素
今日
東ソー株式会社
CHA型ゼオライトの製造方法
1か月前
東ソー株式会社
CHA型ゼオライトの製造方法
1か月前
日揮触媒化成株式会社
珪酸液およびその製造方法
1か月前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末
1か月前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末
1か月前
株式会社三井E&S
アンモニア改質装置
1か月前
住友化学株式会社
無機アルミニウム化合物粉末
29日前
三菱ケミカル株式会社
槽の洗浄方法及びシリカ粒子の製造方法
1か月前
デンカ株式会社
窒化ケイ素粉末の製造方法
1か月前
浅田化学工業株式会社
アルミナ水分散液の製造方法
21日前
デンカ株式会社
アルミナ粉末、無機粉末および樹脂組成物
16日前
デンカ株式会社
アルミナ粉末、無機粉末および樹脂組成物
16日前
デンカ株式会社
アルミナ粉末、無機粉末および樹脂組成物
16日前
デンカ株式会社
セラミックス粉末の製造方法
1か月前
大阪瓦斯株式会社
酸化物複合体
1か月前
JFEエンジニアリング株式会社
ドライアイス製造システム
1か月前
デンカ株式会社
窒化ホウ素粉末の製造方法
1か月前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
1か月前
大阪瓦斯株式会社
水素製造装置及びその運転方法
1か月前
トヨタ自動車株式会社
光触媒を用いた水素ガス製造装置
1か月前
アサヒプリテック株式会社
濃縮方法
1か月前
アサヒプリテック株式会社
濃縮方法
1か月前
日揮触媒化成株式会社
粉体及びその製造方法、並びに樹脂組成物
1か月前
株式会社レゾナック
球状アルミナ粉末
1か月前
東ソー株式会社
アルカリ金属の除去方法
1か月前
続きを見る