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公開番号2025150202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024050974
出願日2024-03-27
発明の名称窒化ホウ素粉末の製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】炭酸カルシウムを助剤として用い従来よりも生産性に優れる窒化ホウ素粉末の製造方法を提供すること。
【解決手段】本開示の一側面は、炭素材料と、ホウ酸及び酸化ホウ素の少なくとも一方と、炭酸カルシウムと、を含む原料粉末を成形し成形体を調製し、上記成形体を加圧窒素雰囲気下で焼成し、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子を含む焼成物を得る焼成工程を有し、上記炭酸カルシウムは、平均粒子径が25μm以上であり、且つかさ密度が0.80g/cm³以上である、窒化ホウ素粉末の製造方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
炭素材料と、ホウ酸及び酸化ホウ素の少なくとも一方と、炭酸カルシウムと、を含む原料粉末を成形し成形体を調製し、前記成形体を加圧窒素雰囲気下で焼成し、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子を含む焼成物を得る焼成工程を有し、
前記炭酸カルシウムは、平均粒子径が２５μｍ以上であり、且つかさ密度が０．８０ｇ／ｃｍ
３
以上である、窒化ホウ素粉末の製造方法。
続きを表示（約 340 文字）【請求項２】
前記成形体は、密度が１．３０ｇ／ｃｍ
３
以上であり、且つ破壊強度が２０Ｎ以上である、請求項１に記載の製造方法。
【請求項３】
前記炭酸カルシウムの配合量は、原料粉末全量を基準として、８．０質量％以下である、請求項１又は２に記載の製造方法。
【請求項４】
前記炭酸カルシウムのＢＥＴ比表面積は４．０ｍ
２
／ｇ以下である、請求項１又は２に記載の製造方法。
【請求項５】
前記炭酸カルシウムの配合量は、原料粉末全量を基準として、８．０質量％以下であり、
前記炭酸カルシウムのＢＥＴ比表面積は４．０ｍ
２
／ｇ以下である、請求項１又は２に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、窒化ホウ素粉末の製造方法に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
窒化ホウ素粉末は、高熱伝導性及び絶縁性等を有しており、熱伝導性フィラー及び絶縁性フィラー等の用途に幅広く利用されている。特に熱伝導性が要求される放熱部材における充填材として、窒化ホウ素粉末が使用されている。
【０００３】
六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、比較的薄い鱗片形状を有しており、樹脂等に充填し成形した場合、成形圧力等によって一次粒子が一定の方向に配向しやすい傾向にある。例えば、六方晶窒化ホウ素の粉末を充填し、押出成形等によってシート状に成形した樹脂シートでは、一般に樹脂シートの主面と、窒化ホウ素の一次粒子の長軸とが平行になるように配向しやすい。また六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、その形状の異方性に起因して、各種物性にも異方性が生じ得る。六方晶窒化ホウ素の一次粒子の面内方向（ａ軸方向）の熱伝導率が４００Ｗ／（ｍ・Ｋ）程度と高いのに対して、厚さ方向（ｃ軸方向）の熱伝導率は２Ｗ／（ｍ・Ｋ）程度に留まり、その方向による物性の異方性が顕著である。
【０００４】
上述の理由から、六方晶窒化ホウ素の粉末を樹脂への充填材として利用し、放熱シートを調製する際に、上記一次粒子のａ軸方向と、放熱シートの厚さ方向とが平行となるように調整することによって、上記一次粒子のａ軸方向における高い熱伝導率を活かす方法が検討されている。例えば、六方晶窒化ホウ素の一次粒子のａ軸方向と放熱シートの厚み方向とが平行になるように配向させる技術が知られている（例えば、特許文献１等）。
【０００５】
また上述のような形状に基づく異方性を低減する観点から、複数の一次粒子で構成され、隣接する一次粒子同士のａ軸方向の向きが異なるように凝集させ融着させた凝集体を形成する方法が検討されている。特許文献２では、窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる窒化ホウ素凝集粒子が開示されており、所定の成形圧力を加えた場合でも凝集粒子の崩壊が抑制できる程度に上記凝集粒子の強度を高めることによって、窒化ホウ素の一次粒子が同一方向に揃って配向することを抑制する旨が記載されている。特許文献３では、鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含み、平均粒子径が４．０～１５．０μｍであり、配向性指数が２５．０以下であり、且つタップ密度が０．７０ｇ／ｃｍ
３
以上である、窒化ホウ素粉末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０００－１５４２６５号公報
特開２０１６－１３５７３１号公報
国際公開第２０２３／２０４１３９号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
窒化ホウ素の合成および一次粒子の成長を促す焼結助剤の一つとして炭酸カルシウムがある。炭酸カルシウムは沸点が高く揮発しにくいため粒成長に寄与しやすく、粒子間に残存すること窒化ホウ素の一次粒子から構成される凝集体を生成することが可能であるので、炭酸カルシウムは窒化ホウ素を合成する上で有用な焼結助剤である。一方、炭酸カルシウムを用いた場合であっても、焼成対象とする成形体自体の生産性の点で改善の余地がある。
【０００８】
本開示は、炭酸カルシウムを助剤として用い従来よりも生産性に優れる窒化ホウ素粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本開示は、下記［１］～［４］を提供する。
【００１０】
［１］
炭素材料と、ホウ酸及び酸化ホウ素の少なくとも一方と、炭酸カルシウムと、を含む原料粉末を成形し成形体を調製し、前記成形体を加圧窒素雰囲気下で焼成し、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子を含む焼成物を得る焼成工程を有し、
前記炭酸カルシウムは、平均粒子径が２５μｍ以上であり、且つかさ密度が０．８０ｇ／ｃｍ
３
以上である、窒化ホウ素粉末の製造方法。
［２］
前記成形体は、密度が１．３０ｇ／ｃｍ
３
以上であり、且つ破壊強度が２０Ｎ以上である、［１］に記載の製造方法。
［３］
前記炭酸カルシウムの配合量は、原料粉末全量を基準として、８．０質量％以下である、［１］又は［２］に記載の製造方法。
［４］
前記炭酸カルシウムのＢＥＴ比表面積は４．０ｍ
２
／ｇ以下である、［１］～［３］のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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