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公開番号
2025155593
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2024171391
出願日
2024-09-30
発明の名称
窒化ホウ素粉末、及び樹脂成形体
出願人
デンカ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C01B
21/064 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約
【課題】熱伝導率に優れる樹脂成形体を提供可能な窒化ホウ素粉末の提供すること。
【解決手段】本開示の一側面は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子と、を含む、窒化ホウ素粉末を提供する。一例では、上記窒化ホウ素粉末において、上記凝集粒子はホウ酸カルシウムを含み、分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)とし、分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける平均粒子径をD50(B)としたとき、上記D50(A)が15μm超であり、上記D50(A)に対する前記D50(B)の比が1.5以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子と、を含む、窒化ホウ素粉末であって、
前記凝集粒子はホウ酸カルシウムを含み、
下記(1)又は(2)の少なくとも一方を満たす、窒化ホウ素粉末。
(1)分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)とし、分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける平均粒子径をD50(B)としたとき、前記D50(A)が15μm超であり、前記D50(A)に対する前記D50(B)の比が1.5以上である。
(2)分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)としたときに、D50(A)が15μm超であり、
分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける最大体積頻度をHとしたときに、H/2の体積頻度を示す粒子径のうち、最も大きな粒子径を示す粒径をLとし、最も小さな粒子径を示す粒径をSとしたときに、前記Sに対する前記Lの比が5以上である。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
配向性指数が30以上である、請求項1に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項3】
BET比表面積が1.30m
2
/g以下である、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項4】
タップ密度が0.80g/cm
3
以上である、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項5】
全酸素量が2.0質量%以上である、請求項1又は2に記載の窒化ホウ素粉末。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の窒化ホウ素粉末と、樹脂とを含む、樹脂成形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化ホウ素粉末、及び樹脂成形体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
窒化ホウ素粉末は、高熱伝導性及び絶縁性等を有しており、熱伝導性フィラー及び絶縁性フィラー等の用途に幅広く利用されている。特に熱伝導性が要求される放熱部材における充填材として、窒化ホウ素粉末が使用されている。
【0003】
六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、比較的薄い鱗片形状を有しており、樹脂等に充填し成形した場合、成形圧力等によって一次粒子が一定の方向に配向しやすい傾向にある。例えば、六方晶窒化ホウ素の粉末を充填し、押出成形等によってシート状に成形した樹脂シートでは、一般に樹脂シートの主面と、窒化ホウ素の一次粒子の長軸とが平行になるように配向しやすい。また六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、その形状の異方性に起因して、各種物性にも異方性が生じ得る。六方晶窒化ホウ素の一次粒子の面内方向(a軸方向)の熱伝導率が400W/(m・K)程度と高いのに対して、厚さ方向(c軸方向)の熱伝導率は2W/(m・K)程度に留まり、その方向による物性の異方性が顕著である。
【0004】
上述の理由から、六方晶窒化ホウ素の粉末を樹脂への充填材として利用し、放熱シートを調製する際に、上記一次粒子のa軸方向と、放熱シートの厚さ方向とが平行となるように調整することによって、上記一次粒子のa軸方向における高い熱伝導率を活かす方法が検討されている。例えば、六方晶窒化ホウ素の一次粒子のa軸方向と放熱シートの厚み方向とが平行になるように配向させる技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
【0005】
また上述のような形状に基づく異方性を低減する観点から、複数の一次粒子で構成され、隣接する一次粒子同士のa軸方向の向きが異なるように凝集させ融着させた凝集体を形成する方法が検討されている。特許文献2では、窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる窒化ホウ素凝集粒子が開示されており、所定の成形圧力を加えた場合でも凝集粒子の崩壊が抑制できる程度に上記凝集粒子の強度を高めることによって、窒化ホウ素の一次粒子が同一方向に揃って配向することを抑制する旨が記載されている。特許文献3では、鱗片形状を有する六方晶窒化ホウ素の一次粒子を含み、平均粒子径が4.0~15.0μmであり、配向性指数が25.0以下であり、且つタップ密度が0.70g/cm
3
以上である、窒化ホウ素粉末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-154265号公報
特開2016-135731号公報
国際公開第2023/204139号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、熱伝導率に優れる樹脂成形体を提供可能な窒化ホウ素粉末の提供することを目的とする。本開示はまた、熱伝導率に優れる樹脂成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、下記[1]~[8]を提供する。
【0009】
[1]
六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子と、を含む、窒化ホウ素粉末であって、
前記凝集粒子はホウ酸カルシウムを含み、
下記(1)又は(2)の少なくとも一方を満たす、窒化ホウ素粉末。
(1)分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)とし、分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける平均粒子径をD50(B)としたとき、前記D50(A)が15μm超であり、前記D50(A)に対する前記D50(B)の比が1.5以上である。
(2)分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)としたときに、D50(A)が15μm超であり、
分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける最大体積頻度をHとしたときに、H/2の体積頻度を示す粒子径のうち、最も大きな粒子径を示す粒径をLとし、最も小さな粒子径を示す粒径をSとしたときに、前記Sに対する前記Lの比が5以上である。
[2]
六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子と、を含む、窒化ホウ素粉末であって、
前記凝集粒子はホウ酸カルシウムを含み、
分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)とし、分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける平均粒子径をD50(B)としたとき、前記D50(A)が15μm超であり、前記D50(A)に対する前記D50(B)の比が1.5以上である、窒化ホウ素粉末。
[3]
六方晶窒化ホウ素の一次粒子が複数凝集して構成される凝集粒子と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子と、を含む、窒化ホウ素粉末であって、
前記凝集粒子はホウ酸カルシウムを含み、
分散処理を行った後にレーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Aにおける平均粒子径をD50(A)としたときに、D50(A)が15μm超であり、
分散処理を行わずに前記レーザー回折・散乱法によって測定される体積基準の粒度分布Bにおける最大体積頻度をHとしたときに、H/2の体積頻度を示す粒子径のうち、最も大きな粒子径を示す粒径をLとし、最も小さな粒子径を示す粒径をSとしたときに、前記Sに対する前記Lの比が5以上である、窒化ホウ素粉末。
[4]
配向性指数が30以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末。
[5]
BET比表面積が1.30m
2
/g以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末。
[6]
タップ密度が0.80g/cm
3
以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末。
[7]
全酸素量が2.0質量%以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末。
[8]
[1]~[7]のいずれかに記載の窒化ホウ素粉末と、樹脂とを含む、樹脂成形体。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、熱伝導率に優れる樹脂成形体を提供可能な窒化ホウ素粉末の提供できる。本開示によればまた、熱伝導率に優れる樹脂成形体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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