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公開番号2025173416
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-27
出願番号2024078998
出願日2024-05-14
発明の名称二酸化炭素固定化方法
出願人清水建設株式会社,国立大学法人北海道大学
代理人個人,個人,個人
主分類C01B 32/50 20170101AFI20251119BHJP(無機化学)
要約【課題】製鉄プロセスで発生した高炉スラグを用いて、製鉄プロセスで発生した二酸化炭素を効率的に固定化することを目的とする。
【解決手段】水と、高炉スラグと、アミン系化合物と、添加剤とを含む組成物を調製する工程と、前記組成物を撹拌し、前記高炉スラグからカルシウムを溶出する工程と、カルシウムを溶出した前記組成物に大気を接触させ、前記大気に含まれる二酸化炭素を固定化する工程と、を有する、二酸化炭素固定化方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
水と、高炉スラグと、アミン系化合物と、添加剤とを含む組成物を調製する工程と、
前記組成物を撹拌し、前記高炉スラグからカルシウムを溶出する工程と、
カルシウムを溶出した前記組成物に大気を接触させ、前記大気に含まれる二酸化炭素を固定化する工程と、を有する、二酸化炭素固定化方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記添加剤は、塩酸、エチレンジアミン四酢酸およびセメントから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二酸化炭素固定化方法。
【請求項3】
前記アミン系化合物は、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-(メチルアミノ)エタノールおよびN-メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二酸化炭素固定化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素固定化方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
我が国は1年で10億6400万トンの二酸化炭素(CO

)を排出している。二酸化炭素の総排出量のうち、産業部門における二酸化炭素の排出量の占める割合は約27%である。産業部門における二酸化炭素の総排出量のうち、特に鉄鋼業における二酸化炭素の排出量の占める割合は約39%である。建設物のエンボディドカーボン削減のためにも、鉄鋼の製造に由来する二酸化炭素の排出量を削減することは非常に重要である。
【0003】
また、鉄鋼の製造工程のうち、銑鉄中の不純物を除去する精錬工程において、副産物として鉄鋼スラグが発生する。鉄鋼スラグは、高炉スラグと製鋼スラグに大別される。高炉スラグと製鋼スラグは、それぞれ冷却方法や炉の種類によってさらに分類される。高炉スラグの生成量は、製鋼スラグの生成量の約2倍である。そのため、製鉄プロセスで発生した二酸化炭素を回収し、高炉スラグに吸収・固定させることは、鉄の二酸化炭素の削減と付加価値の観点から効果的なアプローチである。
【0004】
製鉄プロセスで発生した二酸化炭素を回収し、高炉スラグ等に吸収・固定させる技術としては、例えば、特許文献1に記載されている技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-214262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、製鉄プロセスで発生した高炉スラグを用いて、製鉄プロセスで発生した二酸化炭素を効率的に固定化することができなかった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、製鉄プロセスで発生した高炉スラグを用いて、製鉄プロセスで発生した二酸化炭素を効率的に固定化することができる二酸化炭素固定化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の態様を有する。
[1]水と、高炉スラグと、アミン系化合物と、添加剤とを含む組成物を調製する工程と、
前記組成物を撹拌し、前記高炉スラグからカルシウムを溶出する工程と、
カルシウムを溶出した前記組成物に大気を接触させ、前記大気に含まれる二酸化炭素を固定化する工程と、を有する、二酸化炭素固定化方法。
[2]前記添加剤は、塩酸、エチレンジアミン四酢酸およびセメントから選択される少なくとも1種である、[1]に記載の二酸化炭素固定化方法。
[3]前記アミン系化合物は、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-(メチルアミノ)エタノールおよびN-メチルジエタノールアミンから選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の二酸化炭素固定化方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製鉄プロセスで発生した高炉スラグを用いて、製鉄プロセスで発生した二酸化炭素を効率的に固定化することができる二酸化炭素固定化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実験例1において、アミン系化合物の種類と炭酸カルシウムの生成量の関係を示す図である。
実験例1において、カルシウム溶出後の組成物の液相におけるカルシウムイオン濃度と、二酸化炭素固定化後(炭酸カルシウム生成後)の液相におけるカルシウムイオン濃度との関係を示す図である。
実験例2において、アミン系化合物の種類と炭酸カルシウムの生成量の関係を示す図である。
実験例2において、カルシウム溶出後の組成物の液相におけるカルシウムイオン濃度と、二酸化炭素固定化後(炭酸カルシウム生成後)の液相におけるカルシウムイオン濃度との関係を示す図である。
実験例3において、アミン系化合物の種類と炭酸カルシウムの生成量の関係を示す図である。
実験例3において、カルシウム溶出後の組成物の液相におけるカルシウムイオン濃度と、二酸化炭素固定化後(炭酸カルシウム生成後)の液相におけるカルシウムイオン濃度との関係を示す図である。
実験例4において、アミン系化合物の種類と炭酸カルシウムの生成量の関係を示す図である。
実験例4において、カルシウム溶出後の組成物の液相におけるカルシウムイオン濃度と、二酸化炭素固定化後(炭酸カルシウム生成後)の液相におけるカルシウムイオン濃度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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