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公開番号2025144036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-02
出願番号2024043601
出願日2024-03-19
発明の名称3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物
出願人デンカ株式会社
代理人園田・小林弁理士法人
主分類B29C 64/118 20170101AFI20250925BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】一定以上の耐熱性を有し、かつ積層造形に適した流動性を有する3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂と、第1のアミド化合物と、第2のアミド化合物とを含む、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物であって、前記第1のアミド化合物が、2以下のアミド結合を含むアミド化合物であり、前記第2のアミド化合物が、炭素数12~30のヒドロキシ置換脂肪族モノカルボン酸を原料として含むポリアミド化合物であり、前記アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂100質量部に対する、前記第1のアミド化合物の含有量が1~2質量部であり、前記第2のアミド化合物の含有量が0.2~1.2質量部である、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂と、第1のアミド化合物と、第2のアミド化合物とを含む、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物であって、
前記第1のアミド化合物が、2以下のアミド結合を含むアミド化合物であり、
前記第2のアミド化合物が、炭素数12~30のヒドロキシ置換脂肪族モノカルボン酸を原料として含むポリアミド化合物であり、
前記アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂100質量部に対する、前記第1のアミド化合物の含有量が1~2質量部であり、前記第2のアミド化合物の含有量が0.2~1.2質量部である、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記ヒドロキシ置換脂肪族モノカルボン酸が、12-ヒドロキシ置換ステアリン酸を含む、請求項1に記載の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1のアミド化合物が、ビスアマイド化合物を含む、請求項1又は2に記載の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
【請求項4】
粘弾性測定による貯蔵弾性率が10

Paとなるときの温度が120℃以上である、請求項1又は2に記載の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
【請求項5】
さらに板状粒子を含む、請求項1又は2に記載の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
【請求項6】
前記板状粒子が平均粒子径2μm未満のタルクを含む、請求項5に記載の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物を含む、3Dプリンタフィラメント。
【請求項8】
請求項7に記載の3Dプリンタフィラメントを原料とする、積層造形物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
積層造形機の一種として3Dプリンターが知られている。3Dプリンターとはコンピュータ上で作製したCAD、CG等の3Dデータを設計図として、プラスチック等からなる3次元造形物を製造する立体プリンターである。
【0003】
一般に、3Dプリンターは積層方式により分類され、例えば、結合剤噴射方式、熱溶解積層方式、液槽光重合方式、粉末焼結積層造形方式(SLS方式(Selective Laser Sintering)又はSLM方式(Selective Laser Melting))等が知られている。
【0004】
3Dプリンターでは、樹脂材料を使用して積層造形物を造形する。例えば、熱溶解積層方式(以下、「FDM方式」(Fused Deposition Modeling)と記載する)では、熱可塑性樹脂をフィラメント状にしたものを材料として用い、前記フィラメントを3Dプリンターのノズルから溶融させながら押出して、所望の形状を構成するように積層させていく。FDM方式の3Dプリンターフィラメントとしては、ポリ乳酸樹脂(PLA樹脂)やアクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂(ABS樹脂)等が主に使用されている。ABS樹脂は耐熱性に優れる積層造形物が得られやすく、後加工性も良好であるが、造形時に反りが発生する事が多い。そこで、熱可塑性樹脂+熱可塑性エラストマーにタルクを入れたフィラメントが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開公報第2021/060278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の樹脂組成物は、流動性が悪く、より積層造形に適した流動性を有する樹脂組成物が望まれている。流動性を改善するために、ABS樹脂の分子量を下げると、フィラメントが脆くなり、造形時に折れるなどの問題が発生し、実用に耐えない。また、流動性を上げる化合物を添加する場合、化合物の添加量が多くなると耐熱性が低下してしまう。
そこで本開示は、一定以上の耐熱性を有し、かつ積層造形に適した流動性を有する3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは鋭意検討した結果、2以下のアミド結合を含むアミド化合物と、炭素数12~30のヒドロキシ置換脂肪族モノカルボン酸を原料として含むポリアミド化合物とをそれぞれ特定量配合することにより、前述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本開示は以下の態様を含む。
[1]アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂と、第1のアミド化合物と、第2のアミド化合物とを含む、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物であって、
前記第1のアミド化合物が、2以下のアミド結合を含むアミド化合物であり、
前記第2のアミド化合物が、炭素数12~30のヒドロキシ置換脂肪族モノカルボン酸を原料として含むポリアミド化合物であり、
前記アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂100質量部に対する、前記第1のアミド化合物の含有量が1~2質量部であり、前記第2のアミド化合物の含有量が0.2~1.2質量部である、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、一定以上の耐熱性を有し、かつ積層造形に適した流動性を有する3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について詳細に説明するが、本開示の範囲はここで説明する一実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。また、特定のパラメータについて、複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値の内、任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。また、本開示に記載されている数値範囲の下限値及び/又は上限値は、その数値範囲内の数値であって、実施例で示されている数値に置き換えてもよい。数値範囲を示す「X~Y」との表現は、「X以上Y以下」であることを意味している。一実施形態について記載した特定の説明が他の実施形態についても当てはまる場合には、他の実施形態においてはその説明を省略している場合がある。
【0010】
[3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物]
本実施形態における3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物は、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂と、第1のアミド化合物と、第2のアミド化合物とを含む、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物であって、前記第1のアミド化合物が、2以下のアミド結合を含むアミド化合物であり、前記第2のアミド化合物が、炭素数12~30のヒドロキシ置換脂肪族モノカルボン酸を原料として含むポリアミド化合物であり、前記アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン樹脂100質量部に対する、前記第1のアミド化合物の含有量が1~2質量部であり、前記第2のアミド化合物の含有量が0.2~1.2質量部である、3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物である。本実施形態の3Dプリンタフィラメント用樹脂組成物は、一定以上の耐熱性を有し、かつ積層造形に適した流動性を有する樹脂組成物となる。
(【0011】以降は省略されています)

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