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公開番号2025154791
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024057982
出願日2024-03-29
発明の名称窒化ケイ素粉末、及びその製造方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01B 21/068 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】ワイブル係数が大きく、優れた曲げ強度を有する焼結体を調製可能な窒化ケイ素粉末を提供すること。
【解決手段】
本開示は、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をD10とし、小粒径からの積算値が全体の50%に達したときの粒子径をD50とし、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をD90とし、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、D97が2.0μm以下であり、(D90-D10)/D50が1.70以下である、窒化ケイ素粉末を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をD10とし、小粒径からの積算値が全体の50%に達したときの粒子径をD50とし、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をD90とし、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、
D97が2.0μm以下であり、
(D90-D10)/D50が1.70以下である、窒化ケイ素粉末。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
α化率が96.0質量%以下である、請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項3】
酸素含有量が0.60~1.60質量%である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項4】
BET比表面積が12.0m

/g以上である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項5】
酸素含有量/(BET比表面積×D10)が0.30~0.80である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項6】
原料窒化ケイ素粉末を、
レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をD10とし、小粒径からの積算値が全体の50%に達したときの粒子径をD50とし、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をD90とし、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、
D97が2.0μm以下で、
且つ(D90-D10)/D50が1.70以下となるように、粒度を調整する工程を含む、窒化ケイ素粉末の製造方法。
【請求項7】
前記粒度を調整する工程は、気流分級器を用いて、旋回気流速度が170~300m/sで前記原料窒化ケイ素粉末を分級して粒度を調整する、請求項6に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。
【請求項8】
前記原料窒化ケイ素粉末のα化率が96.0質量%以下である、請求項6又は7に記載の窒化ケイ素粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、窒化ケイ素粉末、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
窒化ケイ素は、強度、硬度、靭性、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れた材料であることから、ダイカストマシン及び溶解炉等の各種産業用の部品、及び自動車部品等に利用されている。また、窒化ケイ素は、高温における機械的特性にも優れることから、高温強度、高温クリープ特性が求められるガスタービン部品に用いることが検討されている。特許文献1では、常温における熱伝導率が100~300W/(m・K)であり、常温における3点曲げ強度が600~1500MPaであることを特徴とする窒化珪素質焼結体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-262756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
窒化ケイ素粉末を焼結させる際には、焼結助剤の融液に対して窒化ケイ素の粒子が一旦溶解し、再析出及び粒成長を行う過程で、熱的により安定なβ相への相変態が生じる。この相変態を伴う窒化ケイ素の粒成長によって窒化ケイ素粉末は焼結し、窒化ケイ素焼結体となる。窒化ケイ素焼結体には、機械的特性の更なる向上が求められる。また、同一ロットの窒化ケイ素粉末を使用して焼結体を複数作製したときに、複数の焼結体間で品質(例えば、曲げ強度)のばらつきが生じることがある。複数の窒化物焼結体について曲げ強度を測定し、そのばらつきの程度を評価する指標としてワイブル係数が知られている。例えば、ワイブル係数の値が大きい場合、窒化ケイ素焼結体間で曲げ強度のばらつきが少ないことを意味する。
【0005】
本開示は、ワイブル係数が大きく、優れた曲げ強度を有する焼結体を調製可能な窒化ケイ素粉末を提供することを目的とする。また、上述のような窒化ケイ素粉末をより安価に製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面は、以下の窒化ケイ素粉末を提供する。
【0007】
[1]レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定装置で測定される体積基準の粒子径の累積分布において、小粒径からの積算値が全体の10%に達したときの粒子径をD10とし、小粒径からの積算値が全体の50%に達したときの粒子径をD50とし、小粒径からの積算値が全体の90%に達したときの粒子径をD90とし、小粒径からの積算値が全体の97%に達したときの粒子径をD97としたとき、
D97が2.0μm以下であり、
(D90-D10)/D50が1.70以下である、窒化ケイ素粉末。
【0008】
上記[1]の窒化ケイ素粉末は、D97が2.0μm以下であり、且つ(D90-D10)/D50が1.70以下である。そのため、上記窒化ケイ素粉末は、構成する粒子の粒子径が比較的小さく、また粒度の均一性が高いものとなっている。このような窒化ケイ素粉末を焼結体原料として用いた場合には、焼結助剤の液相に窒化ケイ素が溶解し、再析出する際の環境を均質化させた状態で、熱的に安定なβ相を有する窒化ケイ素粒子の成長を行うことができる。換言すれば、上記窒化ケイ素粉末を焼結体原料とする場合、調製される焼結体中での粗大粒子の発生が抑制され、優れた曲げ強度を発揮することができる。さらに、上述のような窒化ケイ素粉末であれば、粉末自体の均一性も高いことから、複数の焼結体を調製した場合、焼結体間でも曲げ強度のばらつきが抑制される。
【0009】
なお、従前の窒化ケイ素粉末であって、熱的に安定なβ相を有する窒化ケイ素を含む場合、β相を有する窒化ケイ素が溶融せずに残存し、結晶成長の核として優先して粒成長が進行することで、焼結体中の窒化ケイ素の粒子径のばらつきが大きく、焼結体中に粗大粒子が含まれることがある。焼結体に粗大粒子が存在すると、粗大粒子に応力が集中し、焼結体の曲げ強度が低減する。また、粉末としての均質性も低いことから、複数の焼結体を作製した時に品質がばらつきやすくなる。これに対して、本開示に係る窒化ケイ素粉末は、D97及び(D90-D10)/D50の値が所定の範囲内となっていることによって、上述のとおり焼結体中の粗大粒子の生成をより抑制することができ、複数の焼結体を調製した場合であっても、各焼結体間での曲げ強度のばらつきを抑制し、ワイブル係数を大きなものとすることができる。
【0010】
上記[1]の窒化ケイ素粉末は、以下の[2]~[4]のいずれかであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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